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第6話

いらっしゃい

「おはようございます…」

魔王様を見れば黙って目を瞑っていた。

正しくは魔力の層で外部の情報を遮断している。

気配遮断を覚えれば何となく今の魔王様が何をしているのかが分かる。

気配遮断の習得条件に気配感知も含まれているからだ。小さい殺気に当てられ殺され続ければ嫌でも覚える。動く事が出来ず殺されるより先に手を上げる。間違えれば半殺し。文字通り半殺しだ。

そんな地獄を抜け出して分かるのは魔力で音や空間を歪めてどんなに叫ぼうが魔王様に音や空気の流れ、匂いなどなど届か……。

「…はっ…はぁー……おはようございます」

どうやらもう修行は始まっているらしい。

気配遮断と魔力密閉。

あとは……風を作らないよう走るだけ。

……何も無い空間で風を作らない……。

歩くだけで空気が動くのに?

「……おはようございます」

「魔力密閉の使い方が未熟だ。」

「はい、習得したばかりですので」

「なら、1ヶ月感考える時間を与える。お主なら…さっきよりはマシになるだろう」

……そうですか。

1ヶ月あるなら、基礎の基礎から考えるか。

行動タイプなら気配遮断に戻る必要が有りそうだしな。


気配遮断の第1ステップは気配感知。

気配感知をする為の訓練。

1、無心と集中。

まぁ、もう出来るし集中は80年間は余裕だ。

無心も出来る。集中よりは自信ないけど。


2、任意の移動瞬間にだけ放念や無心状態になる。

まぁ……うん。フェイント掛ける時とかにも役に立つかな。苦手ではあるけど、合格はした。

迷ったら終わりだし意気込んでもダメ。

歩く瞬間、足を下げる瞬間、息を吸う瞬間、瞬きの瞬間、指先を動かす瞬間などなど、全ての行動に無心、放念を行う。そんなことしてたら放念した状態での生活になるんじゃない?と思うでしょ?終わったらちゃんと意志を取り戻さなくちゃいけないし、連続して行われるので切り替えが大変。大変だと思う暇すらない……。愚痴になってしまった。


3、相手の行動に合わせて動く。

相手の行動に合わせて動く。これ、簡単だった。

何故か、動く瞬間に放念状態なんてのより気が楽で気が付いたら出来ていた。


4、気配を感知。

相手の行動に合わせて動くをクリアしたなら相手が次どう動くのかを目をつぶって連続100回当てる。

選択肢は前に動く、後ろに動く、右に動く、左に動く、ジャンプ、止まるの5つだ。

80回目を超えてから稀にフェイントや気配が消えたりで苦労した。100回目で間違ったらさらに難易度が上がり、一発目からフェイントが当然になった。

大変だった……。連続で止まられると困る。


5、自分の気配を認識する。

まぁ、気配を感知するで、薄々自分の気配には気が付くという足掛かりのおかげですんなりクリア。

特に言うことなし。


6、自分の気配に相手の気配をぶつける。

要は殺気や圧、プレッシャーなど。

現代日本でもプレッシャーはよく使われていた。

空気を読むなんていう日本の文化を全うさえすれば俺より早く習得できるのではないか。

何よりプレッシャーを正しく感じれる人は才能あるよ……。理不尽は嫌だけどね。


7、かくれんぼをひたすらに繰り返す。

もちろん気配感知をフル活用するだけだ。

ステージは日本の渋谷や秋葉原といった人混みに溢れる場所。神様公認で魔王と作り上げたリアルな空間。で、僕はひたすらに隠れるだけ。

気配感知で魔王の位置を探りながら。

見つかったら死ぬので逃げ続ける。

え?1日逃げ切れたら勝ちです。クリアです。

堂々と渋谷を楽しんでいたらクリアしてました。


8、小さな殺気にいち早く気付く。

まぁ…さっき言った通りです。手を上げおくれたら殺されて手を早く上げすぎたりフェイントに掛かったりすると半殺しされたり…フェイントはまぁただの睨み付ける真似が多かったかな。

魔王様顔が怖いのでつい反射的に手を挙げてしまった。痛み?普通に現実と変わらないよ?

最初の頃は自殺までしたっけか。

毎回体が新しくなるから痛みに鈍感になんて無い。

耐性?あったら良か……。


「おはようございます……」

見れば殺気立ってるのが分かる。遺伝子レベルで。

「不快だ、何を考えている」

やべっ……。

「いえ、昔を思い出しておりました」

「そうか」そういうとこの空間から消えた。

どうやら外出したらしい。

……戻るか。


9、確か……気配を隠す、だったかな。

周囲に溶け込むって事がかくれんぼのクリア条件だったらしい。

それとは別だとさ。

つまり…無心状態で変化する行動をし続ける。

これが何気に難しい。変化した行動をすればする程無心を続けるのが苦しくなる。

1日無心状態で過ごすとクリア。正直記憶にほとんど何も無い。ボッーとするのとは違うから大変だった。


10、気配隠蔽。

9の究極版。

ボッチに慣れる所から始まり、狂わぬよう放念。

何も無い空間で何かし続ける。

眠たくなれば痛みもなく次の体に移り変わる。

その生活を1年続けられればいい。


11、気配遮断。

10の応用。

ー任意で気配隠蔽を扱えるようになる。

ー体の一部にだけ悟られぬ様にする。

ー体の一部以外感知されない様にする。

ー気配が二重になる。

まぁ、フェイントする直前で気配を強め瞬時に弱める。フェイントをする俺とそうでない俺が重なって見える。無心と放念を切り替えながら普段に戻る。

ー気配が独り歩きする。

殺気を周囲に飛ばし、敵が触れた瞬間に気配を顕にする。敵視点からすると後ろや斜め前に居ると勘違いして渾身の一撃を吐いてしまう。そんな感じ。

ーをクリアして初めて気配遮断習得となる。

相手が魔王様だけあって、やれ気配が薄い、やれ気配にムラがあるなど、意味不明なクレームで大変な思いをした。


次は魔力遮断についてか……。

その前に休憩しよ。

お疲れ様でした

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