ただの良い人ぶった、臆病者の負け犬なんだけど
あんな詩が書きたいと憧れた詩があった
こんな風に生きたいと支えになった物語があった
死んでもいいと思っていた
もしもこの願いが叶うなら
誰か一人でいい
僕のこの言葉で
その人生を救えたなら
この言葉を一生の支えとして
生きてくれる人がいたなら
それで十分だと
思いながら目指していたんだ
だからつまりこうして生きているって事は
望みは未だ叶えられないままって事を証明している訳で
いつまでも
憧れてきたあんな詩は書けないし
目指してきた理想の生き方とは
ほど遠い場所にいて
それどころか
耳や目にした
音楽や物語に
これくらいなら自分にもって
運やきっかけがなかっただけだって
毒づくようになっていた
腐りながら見上げ比べた
あの光を浴びている作品と
自分の書いたそれとの差を
これくらい
としか感じられない事が
何よりも致命的なんだとも気付けずに
死んでもいいと思っていた
もしもこの願いが叶うなら
誰か一人でいい
僕のこの言葉で
その人生を救えたなら
この言葉を一生の支えとして
生きてくれる人がいたなら
だから僕は死ねないな
誰かとか良い人ぶって
酷く自分本意な理由だけど
死んでいいって思える理由が
他には見当たらないから
そんな大見得を切ったところで
その今更すぎる願いが叶うとは
やっぱり思えなくて
その実 恐くて死ねないでいるだけの
臆病者の負け犬なんだけど
僕はこうして続けています
結局 あの日描いた願いを追いかけて
たくさんの事を忘れながら
たくさんの事を思い出しながら
少し上手く行けば我を忘れて調子に乗って痛い目を見て
不遇や不満を溜め込んだ怒りで卑屈になりながら
至らない 足りないばかりの毎日に唇を噛み締めて
忘れて
思い出して
出会って
知って
迷ってばかりいるけど
僕は結局
こうして今日も