七話 ショッピングモールデート?
「お待たせ、鉄冶」
「大丈夫、俺も今きたところ」
「本当?」
「ああ、だって髪上げてないからな」
「本当だ」
俺は外で夜乃と遊ぶ際は前髪を上げている。しかし髪を上げていないことで信じるのはどうかと思うが?
そんなことを思い、前髪を上げる。
俺の髪は力を込めると形が変わるから楽なんだよね。
「やっぱし、別人に見える」
「まじ?」
「まじ」
そうだったのか、でもある意味クラスメートは俺だと気付かないかもしれないな。
「でも鉄冶は私が大好きな鉄冶だしね」
「夜〜乃〜」
俺は幸せがマックスになり抱きつく。
「ちょ!ここ校門前だから見られるって」
頬を赤色に染める夜乃。
可愛すぎる、推しは天使。
ここに天使がいるぞ。
「そうだったな、んじゃ行こう」
冷静になりショッピングモールに向け歩いていく。
自然と手を絡めていわゆる恋人つなぎをしていたことは意識をしていなかった。
十分ぐらい歩くとショッピングモールに着いた。
そして入っていく。
入ると周囲の人からはカップルのようにしか見えてない。
そして今頃俺は恋人つなぎをしていることを気づいた。
「鉄冶、顔が赤いよ」
「気付いてたな」
「鉄冶は今頃気付いたんだね」
「夜乃はもしかして最初から?」
「そうだよ」
歩きながら話して見て回る。
「あれ、食べよう、鉄冶」
話題を変えてくる。まぁ彼女だしいいけど。
「わかった」
夜乃が指をさしたのはたこ焼き屋だった。
列に並ぶ。そして買う。
そうしてたこ焼き屋の前にあるベンチに二人は腰をかける。
「フゥフゥ、あーん」
少し恥ずかしく思っているのか夜乃の顔に少し赤みがあった。
俺はあーんをされて食べる。
熱くないだと!嘘でも言わなければ、
「熱っ!」
「熱いんだ」
俺は熱いふりをしながらたこ焼きを食べる。
一つ食べ終わると、
「フゥフゥ、はい、あーん」
仕返すことにする。
夜乃はあーんされて食べると、
「熱っ!熱い」
演技でもなく言っていた。
それからたこ焼きを食べ終わり、
「ちょっと、お手洗い」
夜乃がトイレへ向かっていく。俺は近くのベンチに腰をかける。
ボーッとしていると見たことがある人が二人並んで歩いていた。
研信と佐々崎さんだ。
デートかな?
でもゲームでは佐々崎と研信は文化祭の時から仲良くなる筈だ。
おかしいなーと思い研信と佐々崎さんの方を見ていると、
「なにを見ているの?」
後ろから夜乃が言ってくる。もう戻ったんだ。
そして夜乃も研信と佐々崎さんの方を見る。
「あの二人って仲良かったけ?」
「夜乃でもわからないんだ」
まずいな、佐々崎さんのルートにいってもいいけど、戦わないといけないシーンがあるからな。
俺は関係ないけど。
「鉄冶、いつまで見やずに行きますよ」
「わかった」
ベンチから立ち上がる。
俺は夜乃と恋人つなぎをしてショッピングモールを回ったのだった。
「じゃあ、また明日」
「また明日、夜乃」
挨拶をして家の中に入っていく。
俺はなんで天使と言っているが女神とは言わない。
天使は神界では神の見習いまたは神の部下だから、
女神は嫌いだ。
俺が今まで会ってきた女神は下心を持ってるからな。
天使は持ってないことが多いからな。
神に会っていることに疑問に思う人がいるからもしれないが実際に会っているんだし別に信じてもらえなくてもいいがな。
話は変わるが研信の件は俺が関係しているのか?
でもありえない、俺は夜乃のルートを潰しただけであって他のルートには影響をしていないからな。
今は考えても結論は出ないから、さあ、洗濯物取り入れるか。