六話 推しはかわいい=天使
三限目の授業は野球だ。女子はバスケで体育館、男子はグラウンド。
二つのチームに分ける。
研信と走が同じチームでなかったことに安心はした。
そして俺はどうしたらいい?
ポジションどうしたらいいんだよ!
結局余ったポジションになった。
しかも捕手だった。
もういいや、やろう。諦める心も時には必要である。
走は投手だった。
余裕で三振をさしていく。
さすが運動部の助っ人。
打撃になると俺はわざとゴロにし、アウトになる。
絶対にホームランできる自信はあるけど目立ちたくないから。
それでも走などがヒットを打つ。
あれ?俺だけヒット打ててない。
気にしないようにしよう。
試合には俺らのチームが勝ったが俺もヒットを打っとけばよかったと後悔した。
「負けてしまった、お疲れ枝幸」
「勝ってしまった、お疲れ研信」
会話をしていることが聞こえてします。
俺はその場から堂々とクラスに帰ることにする。
それからして四限目も終わる。
いや、お腹が空いて力が出ない。そんなどこぞのアニメの定番のセリフを思いつつ俺は屋上にいく。
そして俺は早弁をする。夜乃が遅いからではなく来る前に来れなさそうと思い食べているのだ。実際にこの前の時に夜乃が研信のグループに捕まり俺と一緒に食べれなかったことがあったから。
もちろん弁当は自分で作っている。俺は食べ終わると少しの間寝ることにした。
数分して俺は意識を取り戻す。
ん?頭のところが柔らかい。
なぜ柔らかいのかとなり、目を開ける。
「おはよう、鉄冶」
夜乃が膝枕をしてくれていた。寝起きだから考えつかなかった。
「おはよう、夜乃」
膝枕されている状態で言う。
推しはかわいい=天使
幸せいっぱいでそんな等号が出てくる。
天使に膝枕されるとか幸せでありすぎるだろと、思っていると、
「さて」
膝枕が終わる、残念だ。
俺は少し起き上がり屋上のフェンスに背もたれる。
夜乃もそうしてくる。
「三限目の体育でバスケで僅差で負けちゃた」
少し恥ずかしかった状態で言う。
俺、この子ためならなんだってするわ。
「ちょ!放心しないで!」
言われ、意識をちゃんと取り戻す。
「夜乃は昼食もう食べた?」
「話が変わってるけど、もう食べたよ」
つまり、捕まって食べてから来たということか、人の数恐ろしいな。
「あれ?それじゃあもうそろそろでチャイムが鳴るんじゃあ?」
「あ」
「あ」
「「ああああああああ!」」
慌てる。こういう時は一旦冷静になればいいんだ。
「やばい、夜乃行くぞ」
「うん!」
しかし焦っており俺は夜乃と手を引っ張ってクラスまで走る。
クラスの前に着くと手を離す。
夜乃は少し残念そうな顔をしているが、俺だって残念だけど、
「放課後ショッピングモール行こうな?」
「そうだったね」
そう言い、クラスに少しずれてから入る。
チャイムが鳴る、十秒前ぐらいに入ったら、夜乃も話すことなく、席に座った。
先生が入ってきて、
「起立!」
「礼!」
なり、お腹いっぱいの五限目が始まった。