面会
翌日
俺は宿の食堂で朝食を取っていた。
因みに今日のメニューは黒パンと野菜スープと果実ジュースだ。
「ごちそうさま」
そう言って俺は食事を終えギルドに向かう。
カランカラン
扉の音を聞きながら依頼を見る。
「どれにするかな」
俺は依頼候補を3つに絞った。
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グラードン討伐(B)
依頼内容
最近、グラードンが人里に降りて村を襲っているので
討伐してほしい
場所
シュルート村
討伐確認部位
鱗
報酬
金貨150枚
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竜林檎採取
依頼内容
竜の住処の近くに実る竜林檎を採取してきてほしい
場所
ピーシュ洞窟
納品個数
10個
報酬
金貨10000枚
依頼主
キーシュ商会
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闘鶏の卵採取
依頼内容
闘鶏の卵を取ってきてください。
納品個数
12個
報酬
金貨1000枚
依頼主
キーシュ商会
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因みにグラードンというのはワイバーンより強くレッサードラゴンより弱いドラゴンの劣等種だ。なのでレッサードラゴンはAランク、ワイバーンはBランクなのでBランク上位ということとなっている。要は判定が難しいからBランクでいいや!ということなのだ。
「聞きたいことがある、」
「何でしょうか?」
「依頼は掛け持ちしてもいいのか?」
「違約金を払ってくださるのなら」
「分かった、この3つの依頼を受理する」
「えっ、3つも!?」
「あぁ」
「違約金は前払いですので」
そう言われたので白金貨11枚と金貨15枚を置く。
「!?じゅ、受理します」
「今回の依頼は依頼主に会って直接納品形式をなります」
商会に行く。
建物に入り受付に話す。
「すまない、依頼を受けた者なんだが」
「分かりました。ご案内します」
そう言われ受付嬢の後を付いて行く。
「会長、冒険者の方です」
「おう、入りたまえ」
中に入るとソファに座った上質な格好をした少しふくよかな体型をした人がいた。
「私がキーシュ商会会長のベトル=キーシュだ」
「依頼を受けたグレン=テピートです。ランクはBです」
「グレン君か、では依頼の話をしましょう」
「はい」
「依頼内容は紙に書いてある通り闘鶏の卵の採取です」
「はい」
「場所は不定です」
「はい」
「ここらで私が何故闘鶏の卵を欲しているかを話します」
「はい」
「実は我が商会では非常に大きな商談が待っています」
「大きな商談?」
「はい、デアトリス商会との商談です」
「デアトリス商会!?」
一応説明しておくとキーシュ商会は結構大きな商会でシュトロム王国一の商会と言えば分かると思う。対してデアトリス商会はギルシュ帝国一の商会なのである。
(作者的に言うとキーシュ商会がアメリカ一の商会だとしてデアトリス商会はロシア一の商会と言えば多分みんな分かると思う)
「はい、その商談を結ぶためにどうしても闘鶏の卵が必要なんです」
「そういえば俺、竜林檎の依頼も受けてたな」
「本当ですか!?竜林檎も非常に大事な土産の一つなのです。どうかよろしくお願いします」
「はい、分かりました」
そうして俺と会長との面会は終わった。
これが後にSSSランク冒険者御用達大陸一のキーシュ商会との繋がりになるとはまだ誰も知らなかった。
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