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博士と立野くん

設計図紛失事件

作者: 星野☆明美

「・・・ない!」

博士は顔面蒼白になった。

「どうしたんですか?」

立野君が尋ねたが、博士は自分の考えに夢中で返事もしてくれなかった。

「昨日は確かにあった。開発中の本体と一緒に金庫にしまって帰った。朝来てみるとこつぜんと消えていた!」

「あのー、博士?何をお探しですか?」

「設計図じゃ!」

それだけ答えてあとは小声でぶつぶつ言っている。

・・・設計図、ねぇ?

立野君は頭をぼりぼりかきながら、とり散らかった実験室を見回した。

あの机の上のも設計図。あの棚のも設計図。みーんな博士が開発したものの基。

「何の設計図なんですか?こないだはアヒル型歩行目覚ましがくわえてませんでしたか?」

「あれはスイートポテト焼き型の図案じゃった。あれではない」

「フラスコの中で雨を降らす装置とか、アイスクリームをカスタードクリームにする実験とか・・・」

「違う」

そこへ、博士の奥さんが鼻歌まじりでやってきた。

「あなた!出来たわよ」

「何が?」

「昨日編みかけだったアフガン編みのセーターよ?徹夜しちゃった」

「何!いつの間に金庫から出して作ったんだ」

「びっくりさせようと思って、あなたが眠ってるすきにちょちょいのちょいと」

「ちょちょいのちょいと?」

立野君はあきれて聞き返した。

「博士、あれは設計図じゃなくて編み図ですよ」

「そうじゃったかのぉー」

暖かそうなセーターを着て幸せそうな博士に、立野君はやれやれと思った。

立野君が従事している博士は何でも屋です。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんと、編み図(笑)
2019/05/11 22:00 退会済み
管理
[一言] おっちょこちょいな博士、かわいいですね。 でも立野くんは大変そう。
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