表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/11

地の巻

「ちょっと、ちょっと起きてよ!ホント困るんだけど。勘弁してよ」


 遠くから聞こえる子供の声に、しだいに俺の意識はハッキリとしていく。


 起き上がり辺りを見渡すと、つい1ヶ月ほど前にも見た覚えがある、だだっ広い

空間が広がっている。

 そして遠くから風に乗って聞こえる、『帰って来た○ッパライ』のBGM。


 おいおい、まさか……。


「はあ、信じたくないけど、そのまさかだよ……」


 声の聞こえるほうを見ると、見覚えのある子供が立っている。


「もう関わりたくなかったのに、なんて悪運の強いおじさんなんだろう。まあ、転

生の間に来ちゃった以上、1回は異世界に行かないといけないから仕方ないけど、

ちゃっちゃと済ませちゃうよ」


 神様は渋い顔をしながら、さっさと俺を転生させようとする。


 しかし、俺の返事は神様にとって予想外だったらしい。


「チェンジだ!!」


「…………?はい?」

「だから、チェンジだって言ってんだろ。もうお前のチート能力なんてこりごりな

んだよ。なにが『世界に広げよう(わらって)○もだちの輪(いいとも)』だ。

 ただの、『ほん○くコンニャク』じゃねえか。冷静に考えたって、言葉の通じな

い異世界モノなんて見たことねえよ。そんなんじゃ物語が成り立たねえだろうが」


 すでに俺の中から、神様に対して敬語を使わなければなどという考えは抜け落ち

ているが仕方が無い。

 なにせこの神から貰ったチート能力は、ロクに役に立たなかったのだから。



「出すならせめて、『どこでも○ア』とか、『もしも○ックス』くらい役に立つも

のにしろよ。とにかく、お前のろくでもないチート能力なんぞいらんから、神様を

チェンジしろ!」

「チェンジって……。おじさんが良く行く店じゃないんだからさ。まあいいや。

こっちも能力を理解できない人に与えても仕方ないしね」

 

 神様はブツブツ言いながらも、なにやら帳面を開き、律儀に代わりの神を探して

くれているようだ。


「う~ん、この人は大人気で予約待ちだし、この人は面食いだから、おじさんなん

か一目で断られるだろうし……、この人の与える能力はレベルが高すぎて、おじさ

んじゃ宝の持ち腐れだろうし……。う~ん、何の取り柄も無いモブキャラに与えら

れる能力って、結構難しいんだよね……」」


 なにやら馬鹿にされている気もするが、それでも神様は真剣に探してくれている

ようだ。

 あれ?実は面倒見のいい人なのかもしれない。


 ちょっと言い過ぎたかもしれないと反省をしていると、お目当ての神がいたらし

く、俺に声をかけてきた。


「あ、じゃあこの人なんかどうかな?自分が望むとおりに、なんでも好きな昆虫に

転生させてくれるんだ」

「却下だ……」

「ええ~、なんで?カブトムシとかクワガタになれば、男の子に大人気だよ」


 俺は男の子の人気が欲しいわけじゃない。女の子からの絶大なる人気が欲しいの

だ!

 百歩譲って子供に大人気だとしても、それは男の子じゃない!ロ○ータからの絶

大なる人気が欲しいのだ!


「う~ん、じゃあこの人はどうかな?どんなブサイクだろうが、異性にモテモテに

なれるチートを授けてくれるんだけど……」


 え!?ナニソレ?俺の願望にピッタシカンカンじゃん。そんな人がいるなら、早

く紹介してくれればいいのに。よし、その人に決定しよう。


「まあ、一つだけ欠点……というか、条件があるんだけどね」


 ん?なんかちょっと嫌な予感がするぞ。


「まあ、転生するときに性別が転換するんだよ」

「はい?」

「つまりね、男のおじさんが転生すると、女になるってこと。つまりおじさんは転

生先で、男にモテモテになるってことさ。もちろんコレはコレで、主に新宿二丁目

界隈とかで大人気のスキルなんだけどね」

「却下だぁぁぁ!」


 冗談じゃない!俺はあくまでも人間の美女や、ケモ耳の美少女に、俺の暴れん棒

をグルメに『美味○ンポ』して欲しいのだ。

 たとえ女になろうが、自分が美味チ○ポする立場になるなんてとんでもない!


 いや、て言うか、二丁目から転生してる人がいるの!?


「もう、わがままだなぁ。じゃあ、これはどうだい?今流行の、モンスターへの転

生さ。ちょうどスライムに転生できる人が手が空いてるんだけど」


「それも却下だ!」


 冗談じゃない。美味チン○どころか、粘液体のスライムでは、俺の暴れん棒すら

無くなってるじゃないか。


 あ、でも自由に変形できるってことは、もしかして憧れの触手プレイもできるっ

てことか?


 一瞬考え込むが、湖で出会った水棲スライムみたいなのになったりしたら、ずっ

と岸辺で女の子を待ち構えてなきゃいけないってことか?


 う~ん、やっぱちょっと違う気がするな……。


「あ~、もうさっきから何だいおじさん。要するにお○んちんがおっきければいい

んだね?もう時間もないし、この人にお願いするよ」

「あ、おい、ちょっと……」


 こちらの返事も聞かずに決めた神さまは、俺の抗議の声も聞かずに能力を決定し

たようだ。


「じゃあ、よろしくお願いしまーす」


 慌てて神様に駆け寄り、一旦止めさせようとするが、俺の意識は、最後までセリ

フを言い終わることなくブラックアウトしていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ