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魔法の森の王女さま! ~魔女っ子お姫様と五人の悪役令嬢達~  作者: A.Bell
第2章 公国の古都の王女様
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第62話 プロローグ 〜魔女と魔法の王国〜 Ver.1.01

新章です。

 昔々、とある小さな村に魔法使いの青年が住んで居りました。

 しかし、青年は日々の暮らしに退屈していました。


「なんと平和な日々だろう。だが、代わり映えもしない。」



 そんなある日の夜、青年の元に一人の若い美しい女の人が訪れます。


「一晩だけ、宿を頂けませんか?」

「他の家に行かれてはどうですか?」


 一人暮らしをしていた青年は女の人にそう勧めます。

 しかし、女の人はゆっくりと首を横に振ります。


「他の家では断られてしまったのです。」

「……ならば、仕方がない。どうぞ、入って下さい。」

「ありがとうございます。」


 青年は女の人を家に迎えます。


「食事はこれを。寝床はあれを使って下さい。」

「貴方は大丈夫なのですか?」

「私の分はあります。遠慮はいりません。」

「ありがとうございます。」


 青年は自分の夕食と寝床を与えると、部屋を出ます。

 そして、土間でローブに包まると空腹を誤魔化しながら眠りにつきました。


 あくる朝。青年は誰かに揺すぶられて目を覚まします。

 目を開けると、目の前には昨日寝床を与えた女の人の顔がありました。


「おはようございます。魔法使い様。」


 女の人は青年に微笑みかけました。


 それから、暫くたちました。

 女の人は青年に恩返しをしたいと家に留まり続けています。

 洗濯や料理と言った家事はもちろん、森で採集した貴重な魔法の素材を青年に渡しています。


 そんなある日の朝、青年は女の人に与えた部屋の前に来ていました。


「……これはどうやって手に入れたのだ?」


 青年の手の中には青く光る竜の鱗が握られています。


 女の人はこの時間は水浴びをしているはず。


 そう思った青年は少し悪いと思いながらも女の人の部屋を調べる事にしました。

 青年は扉に手を掛けるとゆっくりと開きます。

 すると、部屋の中では裸で“背中から黒い翼の生えた”女の人が服を着替えている最中でした。

 少し驚いている女の人に目を向けると、青年は杖に手を掛けながら声を掛けます。


「……貴女は魔族だったのですか?」


 女の人は少し悲しそうな顔をすると頷きます。


「はい。貴方は私を殺す気ですか?」


 女の人の言葉を聞いた青年は顔を顰めると杖から手を離します。


「…………いや。早く着替えて下さい。」


 青年は首を横に振ると部屋を出ます。


 少しして服を着替えた女の人が部屋から出てきます。

 女の人は部屋の前で待っていた青年に深く頭を下げます。


「ごめんなさい。このままでは貴方に迷惑が掛かります。私はここを去りましょう。」


 青年は悲しくなります。

 女の人を好きになっていた青年は出来るだけこの場に止めたいと口を開きます。


「……はい。ですが、ここを去る前にこの鱗を何処で手に入れたのか教えて貰えませんか?」

「…………わかりました。後ほど、案内しましょう。」


 女の人は少しの間考えましたが、青年に頷きました。


 ……さて、この時の二人にはこれが長い旅の始まりなるとは思ってもいませんでした。


「……ふぅ。続きはまた明日。」

「えー!!」

「駄目よ。アルフェ。今日は早めに寝ないと明日、起きられないわよ?」

「…………分かった。お母さん。おやすみ。」

「良い子ね。アルフェ。……おやすみなさい。」


1.「魔女と魔法の王国」

 アーヴェン王国の前身。オーベリィ王国の建国神話。

 フィルシアがアルフェに語ったのはその一節。

 最終的に魔法使いの青年は魔族の娘との結婚が認められ、祝いに魔女より森の一部を与えられる。


P.S.

 次話は数日中には投稿します。ごめんなさい。

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