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第42話 いよいよ現れたキツネの王子

入り口に待機していたネズミがキツネの王子と共に時計台の螺旋階段を上ってきました。

「まったく何だっていうんだ、めんどうだな」という声が聞こえてきました。「どうぞ、皆さんがお待ちです」と一緒に上ってきたネズミが言いました。

「誰だよ人を呼び出したのは。冬が近くて忙しいというのに、めんどうだな」と言いながら皆がいる時計台の一番上の階へ入ってきました。


「呼び出して悪かったね。私はふわふわの星から来たふわというものだ。こちらはショージ博士と犬のテツだ。あとはお分かりだよね」とふわさんが言いました。

七海は心の中でキツネさんは忙しそうなのに呼び出されて申し訳ないわと思っていると「ああ知っているといえば知っているけどね」とキツネの王子は冷たく言いはなちました。

その時キツネの金色の毛に隠れているネックレスがキラリと紫色に光ったことをふわさんは見逃しませんでした。そして「ネズミさん、悪いが時間を止めてもらえるかな?これ以上太陽が変化すると大変なことになるからね」と言いました。

ネズミは直ぐに仲間のネズミ達に時計台の針を止めるよう命じました。


キツネの王妃様は「元気でしたか?本当に久しぶりですね」と絞り出すような声で息子に言いました。「お久しぶりです。母上こそお元気でしたか?」とコロリと今までの態度と口調を変えて言いました。王妃様はわが子の優しい言葉に涙を流し、七海は何て親思いなのだろうと思いました。

しかし王妃様と七海以外は態度がコロリと変わるキツネの王子に対して何て嫌な奴なのだろうと苦々しい表情を浮かべています。確かに何と狡猾なキツネの王子なのでしょうか。

「父や母までいるなんて。いったい何なんですか?めんどうだな、こんな忙しい時に」とキツネの王子はイライラして言いました。するとキツネの王様が「少し落ち着いたらどうだい?ふわさんの話しを聞こうではないか」と父親らしく威厳のある態度で言うと「わかったよ。話しってなんだい?」とキツネの王子は少しおとなしくなりました。

「さて、みんなそろったね。それでは話しをまとめていこう」とふわさんが重い口調で口火を切りました。


キツネの王子の出生の秘密は、そして地球の大問題は解決できるのでしょうか。いくら時を止めたとはいえ早く知りたいですね。お話しを先に進めていくことにしましょう。

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