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第37話 広い宇宙と地球とふわふわの星

七海を悲しい思いにさせたのはキツネの王子の悪意からだったのです。しかしキツネの王子を憎むどころか笑顔が見たいと言った七海に「王子の心配をしてくれて、ありがとう。しかし悪いことは悪いことだ。そうだろお妃や」とキツネの王様はお妃様を見ました。お妃様はすぐに答えられませんでしたが、涙を拭くと「はい。私も振り回されるのはあの子のためにならないことが今ようやくわかりました」と言ったのでした。


キツネの王様とお妃様の様子を見て「さて、どうするかな。何か良い解決策はあるかな」とふわさんが言いました。

するとショージ博士が「太陽の光りはスペクトルで七色に分かれます。ルビーさんのネックレスが七色に光ったと言われましたね。ルビーさんのネックレスの力が強くなれば、キツネの王子の大きくなる紫色の光りに歯止めをかけられると思うのですが」と言いました。

ふわさんは「光の研究で有名な博士だけのことはありますね。ルビーさん、いえネコの王女のネックレスの力を強めに参りましょうか。段取りだけはしてありますので」と答えました。

「もしかしたら、あなたは初めから解決策をわかっていたのではありませんか?」と言うバード教授の言葉に、ふわさんは笑みをもらすと、パンパンと手をたたき「オッティや、出かけるぞ。用意をしてくれ、さてさて私も何年ぶりにお会いするのやら」と、さもうれしそうに言いました。


玄関まで出た時、この星へ来た時と同じ気球が用意されていました。「皆さん、乗って下さい。出発します」とオッティがうながしました。

気球は鳥が飛ぶ高さを飛んでいるため、ふわふわの星の風景がよく見えました。地球と同じように山や森や川があります。「宇宙の星の中でこんなに地球と似ている星があるとは知らなかった」とバード教授が下界に見える風景をみながら興奮気味に言いました。すると、ふわさんが「地球は天の川銀河の星の1つだが、そのような銀河が宇宙にたくさんあることは科学者であるバード教授もショージ博士もご存知でしょう。この星は地球とは違う銀河にありますが、地球と双子のようにそっくりに造られた星なのです」と言いました。

ショージ博士は「バード君、君とよく話していたことがあったな。果てしなく広い宇宙に、もしかすると地球とそっくりな星があって」と言った時、「そこには自分とそっくりな人がいるかもしれない!そうでしょ?」と七海が目を輝かせて言いました。ショージ博士が「驚いたな。なぜわかったんだい?」と驚いて言いました。七海は「空を見上げると何となくそんな気がしただけなの。そんな星があるかもって」バード教授が「しかし、そこにはふわふわの生き物がいたわけだ」といつもの明るい笑い声に七海もショージ博士も声を出して笑いました。


さて、気球はどこへ向かって飛んでいるのでしょうか?

皆さんはもうお分かりかしら?

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