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第15話 赤い夕陽と青い夕陽

時計台の最上階に着いたルビーとおじさん。

どんな事があったのでしょうか?お話しを続けましょう。


「ルビー、ここからは君の力がどうしても必要なんだ」と言うと、おじさんはポケットから石の付いたネックレスを取り出しました。

「このネックレスの石を時計台の滑車の鍵穴にさして鍵を開けるんだ。」とルビーに手渡しました。ルビーがネックレスを受け取ると、七色の石は一瞬鋭い輝きを放ちました。


輝く石は、まるで空にかかる虹のようだとルビーは思いました。そして、おじさんの言うとおり、鍵穴に七色の石を差し込んでまわしました。カチッと鍵が開く音がしました。


「よしこれで反対の方向に滑車が回るはずだ。ネズミ君、あとは頼んだよ」と、おじさんは言いました。

「はい、わかりました。まかせて下さい。おーい、みんな出てきて手伝うんだ」と大きな声で言いました。

ネズミと同じ服を着たネズミ七匹が壁の穴から出てきました。

ネズミたちが、滑車を回し始めると時計の針が反対方向に動き出しました。


ネズミたちが滑車を回しているのを見ていたおじさんは「何も言わずに君を連れてきてしまったね。どうやら順調に回っているようだ」とルビーを見て言いました。そして話しを続けました。

おじさんは、ルビーに何を話したのでしょうか?その話しはこのようなものでした。


この宇宙には火星という星があるのを、ご存知ですか?火星の夕陽は青い色をしています。それは地球の宇宙船が初めて火星の近くまで来て初めてわかったことでした。しかし、火星に住んでいる生物がいることを知りません。

火星には生物がいて、数は少ないのですが、殆ど地下で暮らしています。地球と同じく王様がいることなど私たちは知りません。


火星の王さまは、地球から来た宇宙船が自分の星に近づいて来るのを見ました。そして宇宙船の中にいた人間が「これは夕陽か?なぜ青い色なんだ。神秘的だが、地球の夕陽は紅色に染まって美しい」と言っているのを聞きました。

地球の人間は、この星の夕陽を今まで知らずにいたくせに好き勝手なことを言っていると王さまは腹をたてました。

「地球の夕陽が赤くて美しいだって!夕陽は赤色ではなく、青色が正しのだ。地球の人間が青い夕陽の美しさを知ることができるようにしてやろう」とつぶやきました。


どちらが正しくてどちらが間違っているのかは、本当はどうでも良いことだと思うのですが。さて、火星の王さまは何をしようというのでしょうか?

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