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第10話 降ってきた!小さなふわふわの生き物

月夜の晩に七海に会いにくると言っていたドングリの持ち主は現れるのでしょうか。月は出ているようです。


七海とルビーはベランダの窓から月を見ていました。すると、空から小さくて白いものがふわふわと降りてくるのが見えました。


「やれやれ。今夜は月と太陽が気まぐれでなかなか出発できなくて困りましたが、ようやく着いたようですね」と小さな傘を閉じながら、白いふわふわのうさぎのような生き物が言いました。

七海が初めてみる不思議な生き物に驚いて目を丸くしていると「こんばんは。お昼には失礼しました。そういえば、名前をまだ聞いていませんでした。お名前を教えていただいてよろしいですか?」とルビーを見て言いました。


いつも名前を知ることは大切なことだと思っている七海は、白いふわふわの生き物が好きになりました。そして、ルビーが答える前にあわてて言いました。

「こんばんは、はじめまして。私の横にいるのはルビーです。最初に謝らなければいけないことがあります。あなたのドングリを勝手に持ってきてしまってごめんなさい」

それを聞いたふわふわの白い生き物は「私の名前はオッティといいます。あなたが七海さんですね。やはり私が考えていたいたとおりの人のようです。どうぞ、よろしく」と、うやうやしくお辞儀をしました。


「少し空を散歩しませんか?ルビーさんは七海さんの肩に乗ってつかまっていて下さい」どこに持っていたのか1本の傘を差し出しました。

「空の散歩?」七海はルビーを肩の上に乗せると、うけとった傘をひろげました。七海とルビーはふわふわと空へと舞い上がり始めました。川や山や家々がどんどん小さくなり、まるでおもちゃの世界のように眼下に広がっています。

「ルビー、だいじょうぶ?落ちないようにしっかりつかまっていてね」と言いながら傘を握りしめました。


どれくらい空を飛んでいたでしょうか。七海とルビーは、ゆっくりと地上に降りてきました。

「空の散歩はいかがでしたか?」とオッティが少し遅れて空から降りてきました。

「少しこわかったけれど、きれいで楽しかったわ」と七海は答えました。

「そうですか。まだ12時までには時間があります。何か話しでもしませんか?」とオッティが言いました。


白いふわふわの生き物オッティに出会った七海とルビー。

物語は続きますが、十二時までしかオッティの時間はなさそうです。

さあ、急いでお話しを続けることにしましょう。

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