表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

第二試験

カイン☞元気でちょっとイケメンな男子。 アルハ☞可愛い女子高生。褒め言葉に弱い。 試験監督☞試験を担当する人。 候補者☞いろいろいる。

カ: 「なんだこの森は…!」


ア: 「なんだか寒気がするわ」


 そこには禍々しい雰囲気を放った森があった。


試験監督:「第二試験はこの森から脱出することです。勇者たるものいかなる苦難も乗り越えてゆかなければならないので毎年このサバイバル系の試験を実施しております。ちなみにこの森の名前は魔界の森です。私がワープと唱えたらあなたたちはこの魔界の森のどこかへ飛ばされます。それでは頑張ってください。私は脱出口に待っています。3、2、1、ワープ!」


 候補者たちは魔界の森のどこかへ飛ばされた。

 魔界の森は人を惑わす生き物や植物が住んでおり、とても危険だ。生存率は40%未満だ。


カ: 「ここはどこだ。アルハはどこだ!」


ア: 「私ならここにいるわ!」


カ: 「アルハ!一緒に行動しよう」


ア: 「ええ、そうね…」


 するともう一人のアルハが現れた。


ア: 「カイン!!そいつはわたしじゃない!!」


カ: 「え!?」


 するとアルハの偽物が姿を変えてゆく。その姿はみるみる人間じゃなくなっていった。この生き物は「人間モドキ」という怪物だ。人間に変身して人を惑わし、自分のえさにするという凶悪な習性をもっている。しかも人間の記憶を見ることができるので知人に変身したりする。


人: 「ヴオオオオオオオ!!!」


ア: 「逃げるわよ!!」


カ: 「おう!」


 カインとアルハは人間モドキから逃げていく。人間モドキは足が遅いので余裕で逃げれた。


カ: 「ふぅ助かった…」


ア: 「そうね…」


 カインは殺気に鋭く感じた。アルハが人間モドキに変化していく。


人: 「ヴオオオオオオオ!!!!」


カ: 「またかよ!てことは本物のアルハはいないってか!」


 カインは人間モドキから逃げていく。


カ: 「人間モドキがアルハに変身できるってことはアルハはこの近くにいるのか!よし、探そう!」


 カインはアルハを探しに行った。

 一方、アルハはカインを探していた。アルハも同じく人間モドキに追いかけられていた。


ア: 「もう!どういうことなの!?カインに化けているモンスターばっかり!きゃあ!!」


 アルハの足に植物のツルが絡みついた。そのせいでアルハはそこから動けなくなった。


ア: 「何よこれ!く…ちょ…これやばいかも…」


 アルハはどんどん絡まれていく。遠くからはものすごい悲鳴が上がっている。ほかの候補者も何かの植物やモンスターに襲われているらしい。

 どこかでは地雷ダケという地雷の能力を持ったキノコを踏んで足を吹っ飛ばされる者もいれば、アルハみたいに襲っているツルに絡まれていたり、偽狸にウソをつかれて針山に落とされたり、大地食いという地面に隠れて人を食べるモンスターに襲われたり、宝箱のミミックに襲われたりしている。第二試験は第一試験よりもかなりレベルが上がっている。


カ: 「アルハー!!どこだー!!返事をしてくれー!」


ア: 「カイン!助けてー!」


 そこにはアルハがいた。アルハは植物のツルに絡まれて苦しそうにしていた。


カ: 「すぐに助けてやるからな!」


 カインはツルをとっていく。そして10分後、植物のツルを全て取り除いた。


ア: 「ありがとう!」


カ: 「おう!このまま二人でゴールを目指そうぜ!」


ア: 「うん!」


 アルハが何か喋ろうとしたとき魔物がカインたちを囲んだ。


カ: 「なんだお前ら!」


魔: 「へへ…お前たちを食い殺しに来たのさ。さっきお前ら人間の雑魚どもを食い殺してきたが血がまずくて腹がいっぱいにならないんだ。だからお前たちの血をいただいてもらう!」


カ: 「まてよ。俺達の血はまずいぞ。毎日薬飲んでるし、野菜を主に主食としているし」


ア: 「そうよ。私はいつも健康を気遣ってお菓子は食べずに野菜を摂っているわ」


魔: 「ウソをついても無駄だぜ。お前たちの血はうまそうなにおいがしているからなぁ~」


カ: 「きのせいだ」


魔: 「んなわけないだろう!」


カ: 「ち、バレたか」


魔: 「あたりまえだ!大体お前はウソが下手なんだよ!」


カ: 「そうかもな…」


 すると、大雨が降りだした。そして空からなにかが降ってくる。


魔: 「まずい。水厄だ。逃げなければ」


カ: 「水厄って?」


魔: 「1年に一度、水神様が涙する日があってその日は大雨と雷がひどく降りだすんだ。しかもその雨は毒を持っている。雨の色は紫色だ」


カ: 「じゃあ今は大丈夫ってことだな」


魔: 「うむ。だが逃げたほうがいい。ま、今日のことはこれまでだ。次あったら覚悟しておけよ」


 魔物がそう言い終わると森のどこかへ逃げて行った。


カ: 「アリサ、急いでゴールを目指そう。紫色の雨が降ったら大変だしな」


ア: 「そうね…ん?雨の色が違う…」


カ: 「ん?やばい!森の中へ隠れよう!」


 紫色の雨がついに降り出した。カインとアルハは急いで木の洞窟へ走った。


カ: 「うぅ…ヤバイ。頭が痛い」


ア: 「ちょっと吐き気がする」


カ: 「大丈夫かよ」


 カインはアルハの背中を摩った。次第に雨はどんどん強くなっていきいつのまにか豪雨になっていた。


カ: 「うぇ…ちょっとマジでやばいかも…」


ア: 「う…うぅぅ…ハァハァハァハァ…助けて…」


 アルハは気絶した。


カ: 「アルハ…助けなきゃ…助けなきゃ…ああ…く…う…オ"エェェェェ!」


 カインは嘔吐した。熱も上がっているようだ。顔色も悪くなってきている。


カ: 「誰か…誰か…誰か……」


 ついにカインも気絶してしまった。雨と雷はどんどん強くなっていく。そのまま朝を迎えた。

 翌朝、森は毒に侵され全ての木々が枯れていた。ほとんど木は倒され魔界の森の面影を失っていた。そして動植物もほとんど毒に侵され死んでいた。複数の候補者の遺体も転がっていた。大腸がはみ出ているのもあり、性別がわからなくなるほど溶けているものもあった。


カ: 「ん…んん…は!え!?生きてる!アルハ!アルハはどこだ!」


ア: 「私はここよ!」


 カインはアルハの声がするほうを振り向いた。そこには一人の男性とアルハが薬を作っていた。


カ: 「アルハ!良かったー!無事なのか!?」


ア: 「うん!カインこそ大丈夫なの?」


カ: 「ああ、体が軽くなって大丈夫そうだ。ところでその男の人は?」


ア: 「あの人はジェットさん。候補者の一人よ」


ジェ:「どうも」


カ: 「あ、こんにちは」


ジェ:「お前カインっていうのか?」


カ: 「うん。よろしく」


ジェ:「よろしく。一応自己紹介しておこう。ジェットだ。周りからは神風のジェットって言われているんだけど好きなように呼んでくれ」


カ: 「じゃあジェンちゃんでいい?」


ジェ:「はり殺すぞ」


カ: 「じゃあジェンのすけは?」


ジェ:「ミンチにするぞ」


カ: 「じゃあジェットマンは?」


ジェ:「血祭りにあげるぞ。少ししつこいぞ」


カ: 「じゃあジェントルマンは?」


ジェ:「普通にそうだけど嫌」


カ: 「じゃあジェン子は?」


ジェ:「いい加減にしろよ?」


ア: 「じゃあジェットコは?」


ジェ:「お前ら殺すぞ!!」


ア: 「じゃあ顔芸は?」


ジェ:「なぜそうなる」


ア: 「怒ったとき変な顔になってたから」


ジェ:「お前…まあ俺は女性に手は出さないけどそろそろアルハもいい加減にしろよ?」


カ: 「じゃあジェロリストは?」


ジェ:「お前は殺す!!」


 するとジェットはカインに襲いかかった。カインは攻撃をかわしていくが攻撃が速すぎてところどころ擦り傷ができていた。


ジェ:「ち、なかなかしぶとい奴だ」


カ: 「まあまあ落ち着けって!俺が何をしたというんだ?」


ジェ:「俺をからかいすぎだ!」


カ: 「別にいいじゃん!楽しいしさ!」


ジェ:「お前…俺を怒らせやがって!本気を見せてやる…」


 するとジェットの周りにオーラが出ていた。


カ: 「わわ!ちょ!えー!!なんで蒸気みたいなのが出ているんだ!?」


ジェ:「お前、オーラのことで何も知らないみたいだな。哀れなものだな」


カ: 「オーラ?何それ?」


ア: 「カイン、あのオーラはグリフォンを倒すためのカギよ」


カ: 「え?そうなの?」


 カインはアルハのほうを振り向いた瞬間ジェットはカインを空へ突き飛ばした。


カ: 「うわあああ!!!あ、ゴールが見えた!」


ジェ:「俺をからかった罰だ!くらえ!暴風!!!」


 ジェットは空へ高く飛びカインを勢いよく地面へ叩きつけた。


ア: 「カイン!」


カ: 「あー痛たたたた。すごいジャンプ力だなあ!」


ジェ:「な…!あれほどの威力でも平気だと!?オーラを持っていない凡人なら脳みそが砕け散っていたはずだ!」


カ: 「俺は凡人じゃない、超人だ」


ジェ:「ちっ!まあ今日はここまでにしてやる!」


カ: 「あ、そうだ!ゴールが見えたから一緒に行こうぜ!」


ア: 「え!?見えたの!?」


カ: 「ああ!ジェットが突き飛ばしたおかげでゴールが見えたんだ」


ア: 「じゃあ行きましょう!ジェットさんも!」


ジェ:「じゃあ俺の背中に乗れ」


カ: 「は?何言ってんだお前?」


ジェ:「いいから乗れ!」


カ: 「はいはい」


ア: 「男子の背中に乗るなんてお父さん以来だわ」


カ: 「なにこの長い髪。鬱陶しいから切れや」


ア: 「もっとオシャレにしていたらかっこよかったのになぁ」


ジェ:「ゴチャゴチャ文句を言うな!よし行くぞ!」


カ: 「は?ちょ!待て!!ウギャあああああああああああああああああ!!!」


ア: 「キャあああああああああああああああああああああああ!!!」


 ジェットは新幹線のようなスピードでゴールに向かった。一方ゴールでは試験監督と候補者が暇そうにしている。


試験監督:「遅いですね」


候補者:「脱落したいんじゃないんですかね?」


試験監督:「う~ん…」


 すると大きな轟音とともに壁に穴が開いた。


試験監督:「え!?何があったんですか!!?」


カ: 「あいてて、ジェット!!飛ばしすぎだ!!もっとゆっくり走れ!!!」


ジェ:「黙れ!!これでも遅いほうなんだぞ!!」


ア: 「もっとオーラの調整ができないのかしら」


候補者:「すげースピードだな…」


試験監督:「あ、時間です!!第二試験終了!!ここにいるものはみな第二試験合格者とします!!!」


カ: 「よっしゃ!」


ア: 「やったね!!」


ジェ:「全部おれのおかげだけどな」


カ: 「サンキュー!!ジェット!」


ジェ:「ああ」


試験監督:「これより第3試験会場へ移動します私に続いてきてください!」


 カインたちと候補者たちは第3試験会場へと向かった。そして第3試験会場へ到着した。


カ: 「うおおおお!!うまそうだな!!」


ア: 「こんなに御馳走がいっぱいあるなんて!!」


試験監督:「これより第3試験を始めます!!この試験は他の試験と違い比べ物にならないほど難しいです。なので慎重に受けてください!それともう一つ注意事項があります!死を覚悟するものだけここに残ってください!」


カ: 「え…?」


ア: 「!?」


ジェ:「何!!?」


 試験監督の言葉でみんな凍りついた。

ジェ:「感想やブグマを頼むぞ!」 次話 「第三試験!おそろしい食事地獄!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ