第一試験
登場人物☞カイン(16):勇者になろうとするすこしかっこいい少年。(カ:) アルハ(17):カインを勇者協会に招待させた謎の女の正体。パッチリした目と水色の髪が特徴的なかわいい女の子。(ア:) 試験監督(40):勇者試験を担当する人。(試験監督:)ポイ(32):カインをだました男。(ポイ:) 他☞候補者A、候補者B、等
カインはグリフォンの件を後にし、勇者協会へ向かった。
カ: 「ここが勇者協会か…それにしても人多いな」
勇者協会は、困っている人たちを助けたり、凶暴な魔物を退治したりする職業だ。勇者には階級といものがあり、級が高ければ高いほど信頼が厚く、強さが認められているということだ。
謎の女:「おーい!」
あの時の女がカインに向かって走ってくる。水色の髪の毛とパッチリした目が特徴な女だ。
カ: 「あの時の女!」
謎の女:「はじめまして!私の名前はアルハ!よろしく!」
カ: 「アルハさんか、俺はカインだ。よろしく。てか昨日のあれはなんだったんだよ」
ア: 「えへへ!グリフォンを討伐するって聞いて驚いちゃって、馬鹿じゃないの?グリフォンなんて倒おせるわけないじゃないと思って私があなたと一緒に冒険をするという契約をあなた自身と結んだから今日からよろしく!」
カ: 「ちょっと待てええええええ!!!契約していないし勝手に話すすめるな!まだ一緒に冒険するとかまだ決まっていないしいい加減ふざけるのはやめろ!」
ア: 「え?なんて??」
カ: 「あまり怒らせるなよ」
ア: 「も~冗談だてば~ゴメンゴメン!でもグリフォンを討伐しに行くなら最低5人のパーティが必要になるわよ。それなのに一人で討伐しに行くって馬鹿げた話じゃない?それにグリフォンを討伐しに行こうした勇者がグリフォンに首をへし折られて臓器を一個ずつヒナにあげて成長したグリフォンがどんどん増殖し続けている。だから私はあなたをここに招待したのよ」
カ: 「なるほど。油断していたぜ。すまなかったな。そこまで俺を心配してくれていたなんて」
ア: 「べ…別に……し…心配していないんだからネ!…この馬鹿!」
アルハは顔を真っ赤にしてカインから遠く離れた。カインは何事だろうかという顔をしながらアルハを見つめていた。そのころ勇者協会会長室ではテストの制作が行われていた。
???:「…」
1時間後、ベルが鳴った。そしてアナウンスが放送された。
放送:「「勇者候補の皆様の報告いたします。勇者試験第一部を行いますので試験広場に来てください。繰り返します。勇者試験第一部を行いますので試験広場に来てください。」」
カインと勇者候補の人たちはみな試験広場へ向かった。
ア: 「試験頑張ろうね!」
カ: 「わ、びっくりした!まあお互い頑張ろうぜ!アルハ!」
ア: 「うん!」
カインとアルハはみんなよりも遅れて試験広場に到着した。広場は想像以上に広かった。机といすがきっちりと準備されており、候補者の名前と番号がすべて記されていた。
第一試験は筆記テストだ。その人の苦手なところをこまかく分析し全国の難問を厳選したものが出る。ひとそれぞれ問題が違うのでカンニングができないのだ。
カ: 「うわぁすごいなあ。こんなに候補者がいるなんて想像もつかなかった」
カインは周りを見渡している。アルハはパンフレットを見ていた。
ア: 「えーっと第一試験合格率が過去の試験で50%だって」
カ: 「意外と低いな。その人が苦手とするところばかりが出るんだろ?」
ア: 「そうみたい。あとカンニングもできないみたいだしね」
カ: 「まさかカンニングしようとはしていないよな?」
ア: 「あ、バレちゃった?」
カ: 「おいおい…あ、今気づいたんだけどアルハってこの試験を受けに来たんだな」
ア: 「そうだよ!てか普通に気づくでしょ」
カ: 「ワリィワリィ(笑)」
カインとアルハが会話しているうちに試験時間が近くなっていた。
カ: 「あ、もうそろそろ試験時間だから席に着くよ」
ア: 「わかった!試験頑張ってね!」
試験監督:「これより試験を行いますので席に着いてください!」
試験監督がそういうとみんなは席に着いた。そして問題用紙と回答用紙が配られていく。
試験監督:「鉛筆はまだ持たないように!試験が始まったら「始め!」と合図します!」
10分後
試験監督:「10…9………5…3、2、1、始め!」
試験監督が合図をした。カインとアルハと候補者は鉛筆を持ち問題を開いた。
カ: 「!!!は?難しすぎるだろ!?」
カインは小声でひとり呟いていた。最初の問題は「公園にあなたと友達がいます。さて友達は何人いるでしょう?」という鬼畜問題であった。アルハの場合は「テレビゲームをしています。そのテレビゲームをしているのは誰?」という問題だ。みんなものすごく考えているが考えるだけ無謀だとカインは思った。
謎の男:「簡単簡単♪勘を利用すれば行ける♪」
カ: 「勘を利用すればだと?」
謎の男:「ああ。俺の問題は繁華街に人がたくさんいます。何人いるでしょうという問題だ。だがこれでは何も分からない。だが最後の問題を見てみろ」
カ: 「最後の問題?全ての数字を足しなさい?わからん」
謎の男: 「この問題は何人いるかわからない問題だ。決して解くことはできないがこの問題は解ける。なぜかというと数字というところに注目してみよう。数字ってほかの数字があることを忘れている人が多いんだ。」
カ: 「その数字って何?」
謎の男:「漢数字さ」
カ: 「漢数字?」
謎の男:「ああ。なぜ漢数字なのって思っただろう?それは人それぞれ違う問題だろ?じゃあ問題番号を見たらわかる。俺はナンバー126からナンバー136まである。だから126から136まで全部を足せばいいだけ。」
カ: 「じゃあ俺の問題番号は110から120までだから110から120まで全部足せばいいだけってことか」
謎の男:「そういうこと♪ちなみにパンフレットには1問だけクリアしても通れるらしい。でもこの問題の正解はひとつしかないからどちらにしろ普通の1問テストと変わりないってことだ」
カ: 「なるほど。ありがとう」
カインは謎の男に礼を言い終わるまで時間を待った。
候補者A: 「馬鹿だぜあいつ。新人つぶしと有名な男の罠にかかっちまうとは、哀れだな~」
候補者B: 「ホント、哀れだな~」
カインは謎の男のほうを振り向いた。謎の男はにやけていた。
カ: 「新人つぶしかあ。まああいつらが俺達をつぶそうとしている可能性が高いが、答えを教えてくれた人も新人つぶしである確率も相当高い。もしかするとあいつらと答えを教えてくれた人はグルなのなかもしれない。」
カインは答えを消し、鉛筆を持ったところで終わりのチャイムが鳴った。
試験監督:「おわり!解答用紙はこちらで回収します。なので休みを取っておいてください」
試験監督が言い終わると候補者たちは休憩をとった。カインは絶望に打ちしがれている顔をしていた。
謎の男:「馬鹿な奴だぜ。新人つぶしに引っかかるくそ野郎は脱落していく。まさにお前みたいなやつがなあ!ハーハッハッハ!!」
謎の男はカインにそう言ってトイレに行った。
ア: 「カイン!大丈夫!?」
カ: 「ああ大丈夫だよ。アルハはどうだった?」
ア: 「それよりも新人つぶしに遭ったんでしょ!勇者になれなかったらどうするのよ!!?」
カ: 「大丈夫だよ俺のことは心配するなって。また一からやり直せばいいことだし」
ア: 「でも…」
試験監督:「第一試験合格者を発表しますので席についてください!」
試験監督がそういうと候補者は席に着いた。
カ: 「思ったよりも早いな。まあ俺は不合格だしなぁ」
謎の男:「残念だったな!これでお前は勇者になれない!ハーッハッハッハ!!」
試験監督:「合格者は扉の前へ来てください!それでは発表します!コイズさん!ナナマナさん!……」
合格者が呼ばれていくがカインとアルハの名前は呼ばれない。
試験監督:「……さん!ポイさん!です!」
ポイ: 「よっしゃー!!ざまあみやがれ新人さんよ~!!ぎゃーはっはっは!!!」
カインをだました男と合格者が扉の前に集まった。
試験監督:「それでは目をつむりながら扉に入って行ってください」
合格者は扉の奥にある部屋へ行った。
合格者:「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!」
合格者の悲鳴が聞こえた。
カ: 「え!?何があったんだ!」
試験監督:「監視カメラに不正行為をした者がおりましてその人たちをどこかへ追放しました」
カ: 「じゃあ本当の合格者は!?」
試験監督:「ここに残っている候補者です!」
ア: 「ちょ…ちょっと待って!第一試験の答えはなんだったの?」
試験監督:「ありません。不正行為をしなければ合格です。新人つぶしも不正行為とみなしますので追放されます。」
カ: 「やった!!俺達合格なんだ!!」
ア: 「やったああ!!」
本当の合格者たちは歓声をあげていた。
試験監督:「では次の試験に入りますので私についてきてください」
合格者たちは試験監督の後を追い20分後ようやくたどり着いた。
カ: 「は!?」
ア: 「うそ…」
そこは無限に広がる禍々しい森だった。
感想やブグマをお願いします。 次話 「第二試験」