序章
よろしくお願いします。
昔、ある天空に大きな王国がありました。その王国はとても平和で戦争も何一つない暮らしを送っていました……
しかし、その暮らしは異世界からやってきた神によって滅ぼされた。
その神は「破壊」「殺戮」「無慈悲」「滅亡」を司る神だった。この神々によって天空の王国は征服されてしまった。あの平和な暮らしが一変と変わってしまったのであった。
ある日、天空の王国のある少年とその4人の仲間が神々を討伐しようと立ち上がった。その少年の名は「フレイム」という。
フレイムは地上で「人類一最強の勇者」という称号を持っていた。彼はあらゆるモンスターを討伐し、世界に平和をもたらすという偉業を成し遂げ、どこかの国では彼の石像が建てられていた。そんな彼の仲間は「アクア」「サンダー」「ライト」「デス」の個性的なメンバーだった。このメンバーがいるからこそフレイムは世界平和という偉業を成し遂げられたのだ。ある日、フレイムは天空の王国が絶対絶命の状況だと知り、天空の王国へ向かった。天空の王国の様子はあまりにも残酷だった。王国のほとんどの人々が飢餓に苦しんでいて、食物はあまりにも少なく、家はテントに変わり果てていた。フレイムは王国に老人に話を聞いた。その話の直後、フレイムは怒りの頂点に達した。すぐにフレイムとその仲間たちは神々が占領している城に向かうのであった。
「絶対にぶっ潰してやる…!!」
フレイムは城の門の前でそうつぶやいていた。
「フレイム…私たちがサポートしてあげるから無茶しないでね…」
アクアがそう言いフレイムの手を握った。
アクアはフレイムの恋人である。容姿は世界の中でも特に美しく話題になっていた。性格も良いし戦闘力もすごく高かった。特に水属性の技がとても強烈で、最終奥義の「タイダルウェイブ」は国を吹き飛ばすほどの威力を持っている。
ある日、数人の男たちから拉致されそうになったのをフレイムが駆け付け男たちを追い払ったあとアクアを仲間にした。自分のことより他人のことを優先して、時には自分の命を捨ててまで他人の依頼をこなしたりしているのを見て、アクアは最初は何も思わなかったが段々とその真面目さがアクアを惚れさせた。そして、フレイムと付き合うようになり、彼のサポートを欠かさず行った。
「さぁ行くか!」
サンダーが勢いよく城の中へ入った。
サンダーはフレイムの友人だ。おっちょこちょい性格で明るく社交的で友達思いだ。そんな彼も戦闘力はフレイムに続いて最強と言われている。彼は雷属性で一個一個の技の威力はアクアの「タイダルウェイブ」くらいある。最終奥義は「疾風迅雷」で0.000000000001秒の速さで敵を攻撃する恐ろしい技だ。その技は体に負担がものすごく大きいのでサンダー以外この技を使ってはいけないと禁止技になっている。ライトとは幼馴染の関係で学校の登下校も一緒で、お風呂も一緒だという。フレイムは最初その関係に呆れたこともあったが長く見ているうちに楽しい気分になってきた。サンダーはメンバーのムードメイカーのような存在だ。
「ちょっと待ってよ~!もう…あの馬鹿…」
ライトも続いてなかへ入った。
ライトはサンダーの幼馴染で、気まぐれで明るく喜怒哀楽の激しい少しきつめの性格だ。そんな彼女は光属性で最終奥義は「神の恵」だ。仲間全体に眠っているパワーを目覚めさせ一時的に全ての能力の数値が格段と上がるありがたい技だ。だが、あの4人の神々によって風評被害に遭ってしまった。「神の恵」=4人の神々というレッテルが貼られてしまいフレイムの仲間の中で世界中の人々から嫌われてしまった。それでも彼女はくじけず前を向いてフレイムについてきた。
「…フレイム!------」
デスがフレイムに耳打ちをした。
デスはとにかく謎が多い人物である。性格は暗く、いつも一人だった。だがフレイムと話すときはいつも笑顔で明るかった。だが、今日の彼は少し暗かった。なぜ今日は暗いのかはわからないがみんなは気にしていない様子だ。そんな彼は闇属性で最終奥義は不明だ。技は「闇玉」しかなかった。
「わかった。この戦いの後俺の家に来てくれ」
フレイムはデスにそう告げアクアと一緒に城の中へ入った。
城の中はとても禍々しかった。フレイムがいつも見ている城内とは全然違っていて、死体とか転がっていた。しかもそこらじゅうにモンスターなどがいる。モンスターたちはフレイムを見て逃げって行った。どうやらフレイムが怖かったようだ。
「フーちゃんすげーなー!あんな凶悪なイフリートとか魔界の巨人がフーちゃんを見て逃げて行った!」
サンダーは驚嘆した。どうやらフレイムの強さをなめていたようだ。
フレイムのおかげで体力を使わず奥のほうへと進むことができた。相変わらずモンスターはフレイムを見て逃げていくばかりだ。ほかにはフレイムを襲おうとしたけど逃げていくモンスターも少なくなかった。長い時間が流れついにフレイム達は奥の部屋へたどりついた。すると声が聞こてきた。
「ふっふっふっふ…ついに来たか、勇者フレイムよ…貴様の墓場はここだと思え」
謎の声がそう言ったあと魔法陣が現れあの4人の神々が現れた。その神々はほかのモンスターとは大きく違ってとてつもない禍々しいオーラがはっきりみえる。そのオーラにフレイムは少し戦慄を覚えた。
「貴様らが俺の国を滅茶苦茶にしたのか!」
フレイムは神々のリーダーらしき人物に言った。
「そうだ。この俺様があの国を征服したのだ。それにしてもずいぶんお怒りのようだなぁ、勇者フレイムよ…その怒りを覚えておけ…ここが貴様の墓場だからなぁ…」
滅亡を司る神はフレイムに言った。この言葉に怒りを覚えたのかアクアが
「ふざけないでよ!!あなたたち神なんでしょう!?なのに何故国を滅茶苦茶にするの!?」
と滅亡を司る神に言い放った。
「貴様、少しうるさいよ。人間ごときが神に逆らうなどこの世で最もしてはいけない行為だ…貴様を処刑する。」
破壊のを司る神はそう言いアクアに襲いかかった。アクアはとっさに「ウェーブ」を唱えた。破壊を司る神は波に呑まれたがすぐに回避した。
「人間ごときが…!!貴様らなど塵になってしまえー!!!」
破壊を司る神は「世界破滅の一撃」をアクアに放った。アクアはその技に戦慄を覚えた。それもそのはずその技を食らえば瀕死状態になるほどの威力があるからだ。それにアクアはその技を受けて2年5ヶ月も体力が回復しなかったのだ。アクアはその経験があるから今、戦慄の恐怖に駆り立てられていた。アクアはその場所から動かなくなり金魚のように口をパクパク動かしている。アクアの異常に気付いたのかフレイムはアクアを抱きかかえその技をかわした。その直後に床に穴が開いた。
「クズどもが…死んでしまえー!!!」
破壊を司る神はフレイムに剣を振りおろそうとした。すると殺戮を司る神が止めた。
「焦るな。あいつらはただの人間。俺たち神とは地位が違う。所詮は人間。この世界のクズなのだ。」
殺戮を司る神は破壊を司る神にそう囁いた。
「そ…そうだな。所詮は人間だから神が怒ってはおかしい」
破壊を司る神はアクアを睨みつけ剣をしまった。フレイムは破壊を司る神はを睨みつけた。
「お前たちは俺が倒してやる。覚悟しろ」
フレイムは真っ赤なオーラを体に纏わせた。そのまま「瞬殺剣」を破壊を司る神に振り落ろした。
瞬殺剣はフレイムが愛用する伝説の剣だ。その剣は自分が敵と定めた相手に剣を振ると一撃で殺してしまうという伝説がある。フレイムはこの剣をどこで手に入れたかはまだ不明だが手に入れるまでは相当苦労しただろう。フレイムだからこそ手に入れられる剣なのだ。
破壊を司る神は自分に何が起こったのか分からなかった。唯一つわかることは斬られたことだ。でも痛みはない。フレイムが持っている剣は瞬殺剣だ。斬ったら確実に死ぬ剣。なのにまだ死なない。破壊を司る神は幸運に恵まれたと思った。しかし、後ろを向くと同時に体全体が床に落ちて行った。
「!?」
破壊を司る神はそのまま息絶えた。
フレイムは破壊を司る神を一撃で殺した。その光景を見ていた殺戮を司る神と無慈悲を司る神は戦慄を覚えた。自分たちを超えるものが存在していることを知ってしまった。
「ふははははははははは!!すごいじゃないか!勇者フレイムよ!貴様のその力を我が物にしてくれるわ!!さぁ…行け!!皆のもの!!!」
滅亡を司る神は部下たちに言い放った。しかし返事がない。
「ん!?どうした!皆のものたちよ!!おい!!返事しろ!!返事し…」
そのとき、目を疑う光景が広がった。フレイムが何かの肉塊を持ってきている。それは生々しくモンスターでもない。近いとすれば人間の肉塊…でもない。滅亡を司る神は勘付いた。あれは殺戮を司る神と無慈悲を司る神の肉塊だと。それに、フレイムの仲間たちは城内のモンスターたちを全滅させてしまったようだ。今の間に滅亡を司る神以外の仲間を全て殺したのだった。
「次はお前だ!」
その瞬間滅亡を司る神はフレイムに「デスハンド」を放った。「デスハンド」の効果は相手をつかんだらつかまれた相手が死ぬという恐ろしい技だ。しかし、フレイムには効かなかった。それとは逆に滅亡を司る神が死んでしまった。
「えええええええええ!!!???何で死んだんだ!!??」
サンダーとほかの仲間たちが驚いている。
「これのおかげだよ。この"無敵の首飾り"は相手の技を全て跳ね返すんだ」
フレイムは無敵の首飾りをみんなに見せた。みんなはぽかんとした表情で首飾りを見ている。
「…ちょっとまてよ…!じゃあアクアを助けた時なんで世界破滅の一撃はかわしたんだ?」
サンダーは質問した。
「あぁ、あれは反射的にかわしたんだ」
サンダーはまたポカンとした表情を浮かべた。ただデスだけ違う表情をしていた。デスは城内の隅に行き一人すすり泣きをしていた…
「さぁ王国をみんなで取り戻そうじゃないか!!」
フレイムはみんなにそう言い放った。そしてみんなはまた元通りの王国を築きあげた。
あれから100年たった今、フレイムが築き上げてきた王国はどこか知らぬ場所にあるらしい…
そして謎の封印が一つはずれた。
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