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幼少期12:『私』と『義弟』と『婚約者候補』たちと、ある種の『問題提起』


「まあ、何だ。無事で良かった」

「あはは、ご心配をお掛けしました」


 いつも通りのお茶会である。


「……で、何でお前の義弟(おとうと)が、一緒に居るわけ?」

「何でだろう……?」


 クロウの疑問も尤もだろうが、理由は私にも分からない。

 様子を見に来るとか、途中までは良かったのだ。

 でも、どうしてこうなったのかは、本当に分からないのだ。


「……レヴィン?」

「……何だ」

「私はもう大丈夫だから、別に付いている必要はないんだよ?」


 そうは言っても、スルーされる。

 このままだと『ゲーム』の話が出来ないし(というか、出来ないのだが)、空気が微妙なままだ。


「まあ、彼にも思うところがあったんじゃない?」


 ねぇ、とレヴィンに目を向けるのは、お久しぶりのイアンである。

 普段は学院(初等部)に行っている彼だが、この前の件を聞いて、駆けつけてくれたらしい。


「……」


 そして、レヴィンはレヴィンで無言を返してきたけど、それは肯定していると思っていいんだよね?


「そういえば、君たち入学も後ちょっとか」

「そうですね」

「この前のこともありますから、正直、不安にはなってきましたけど」


 あれから慣れたとはいえ、事あるごとに反応するためか疲れてしょうがない。


「あー……そういえば、まだ犯人は見つかってないんだっけ?」

「ええ、まあそういうことにまで気にしていたら、こちらの身が持たないので、犯人を捕まえたりすることとかについてはお父様たちにお任せしております」


 面倒なことは、親に任せるに限る。

 あと、クロウがイアンに「おい」と小声を掛けてるけど、私に気を使う必要なんかありません。


「私は別に気にしてないから、大丈夫ですよ?」

「……なら、良いんだがな」


 そのまま、紅茶に口をつける。


「ああ、そうだ。イアン様に確認しておきたいことがあるんですが」

「何かな?」

「寮って、やっぱり男女別ですよね?」

「うん? まあ、そうだね。ただ、人数は三人から四人ってところだけど」

「同学年で? それとも、先輩方と一緒ですか?」

「三年までの先輩方とは一緒だけど……それが、どうかした?」


 うーん、これは言っておくべきか。止めておくべきか。


「何か気になることがあるなら、言うか聞くかしておいた方が良いぞ?」


 クロウにまでそう言われるとか、そんなに迷っているように見えるのか?


「いえ。ただ、セイロンの同室相手がイアン様とクロウ様であってほしいな、と」

「ああ、そっか。君たち、双子だもんね」


 イアンは納得したかのように頷いていたけど、クロウが疑いの眼差しを向けてきている。

 大体、予想できるけど。


「……なあ、一つ思ったこと言っていいか?」

「……何かな」

「リアさ。俺たちに面倒事、押し付けようとしてないか?」


 ああもう、この婚約者候補はっ。


「いや、だってアール兄様は、学年上がっちゃうし、サム姉様はそもそも違う。レヴィンはレヴィンで入学前だし……」


 だから多分、面倒くさいことになるよ、と言っておく。


「同じ部屋だから、分かるんです。あいつ、面倒くさい」


 この事に関しては、猫被る必要なんか無い。


「そんなにか?」

「とりあえず、同室となったみなさんに注意事項を告げるつもりではいますが、セイロンに惚気させたら一時間は掛かりますから、絶対に婚約者候補の話は振らないでください」

「……」

「……」


 ちなみに、この家で一番の被害者は私ですが何か?

 なお、レヴィンもレティーリアも体験済みであり、助けを求める視線といつもこうなのかと言いたげな視線を向けられたのは、いつ以来だったのだろうか。


「……あれはもう、嫌だ」

「私だって嫌だよ。うっかり話の流れがそっちに行った時点で、寝るまで話されるんだから」


 うわぁ、と言いたげな目を向けられるが、「うん?」とイアンが首を傾げる。


「なら、惚気返せばいいんじゃない?」

「私にお二人の自慢をしろと?」

「……あ、いや、君がそういう性格じゃないのは分かってるけどさ」

「もし、やったとして、五分話せれば良いと思いませんか?」


 お母様たちのお茶会とかでさえ旦那自慢はそんなに掛かっていないというのに、何故、セイロンは長くなったのだろうか。あれか、実はお父様が長々と自慢するタイプだったのか?


「五分……」


 何やら誰かが呟いたようだがーー


「っ、!?」

「どうした?」


 ぞくり、と何かを感じて小さいながらも反応すれば、隣に居たレヴィンが不思議そうにする。


「何か、嫌な予感がする」

「まさか、襲撃か?」

「いや、そう言うのじゃなくて……こう、面倒事?」


 それだけで察したのだろう、クロウは目を逸らし、レヴィンにはそっとケーキを差し出される。

 え、何で気を使われているの? 私。


 けれど、問題というのは、すぐ近くまで来ている場合、そう簡単には通り過ぎてくれない。


「イアン様!」

「クロウ様!」

「ティア姉様、レヴィン!」


 前者は見知らぬご令嬢方。

 後者は我が義妹(いもうと)


 あと少しで学校生活が待っているというのに、どうやら厄介な問題が一度に押し寄せてきたようです。



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