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幼少期11:『ピクニック』に行きましょうⅡ


 午後から一緒に遊ぶのが、レティーリアからセイロンとレヴィンに代わったのだが……


「……」

「……」


 何故(なにゆえ)、私はレヴィンと二人っきりにされているのだろうか。


『ちょっと、レティの方に行ってくるね』


 と何やら良い笑顔で離れていった我が双子の兄は、現在レティーリアとともに花畑で遊んでいる。

 ちなみに、レヴィンとまともに話せたのは、先程の昼食時の同情された時のみである。


「……」

「……」


 ーー一体、何を話すべきだろうか?


 そう悩んでいた時だった。


「……ん?」


 何だろう。この感じ。


「どうかしたか?」


 レヴィンが何か聞いてきた気もするが、私にとってはこっちの方が気になる。

 本当、この感覚は何なんだろうか?


「ティア、どうしたの?」


 こっちの異変を気づいたのか、唸る私にお母様が寄ってくる。


「えっと……うーん?」


 説明しようにも、上手く説明できない。

 何だろう。こうーー


「何かがこっちに向かってる……?」

「何か? その何かって分かる?」

「……分からない」


 お母様が聞いてくるが、これ以上のことは私にも分からない。


「そう……レヴィン。ティアに付いててくれる? 私はお父様にお話ししてくるから」

「……分かりました」


 何やら気配が遠ざかり、また別の気配が近付いてくる。


「大丈夫か?」


 声はレヴィンのものだ。

 ということは、気配はレヴィンのものか。


「……っ、」

「おい、汗も酷いし、顔色が悪いぞ」


 レヴィンが焦った口調で言うってことは、それだけ酷いってことなのだろう。


 ーーああ、ようやく分かった。


「セイ、レティ!」

「上だっ!」


 私が見上げたことで、レヴィンも気づいたのだろう。二人に向かって、叫んでくれる。


「え?」


 でも、微妙に遅い。


 そこで、気付く。ゲームの中で話していたではないか。地属性を持つティーリアは属性能力も相俟(あいま)って、気配察知に優れており、その能力は六歳の時に発現した、と。

 そして、さらに付け加えるなら、今の私はその『六歳』だ。


「駄目だ」


 まだ、その時(・・・)じゃないのに。

 この時点で、二人も攻略対象(きょうだい)を失うなんてーー


「『ダメーーーーっ!!!!』」


 私の声に乗ってか、ぐわん、と私の中から何かが放出され、空から降ってきた『モノ』とセイロンたちとの間に、飛んでいく。

 そして、空から降ってきた『モノ』とぶつかったかと思えば、強烈な光を放つ。


「……う、あ……」


 光が消えれば、身体が重力に従ってか傾いていきーー完全に倒れきる前に、何かに受け止められる。


「大丈夫か?」


 どうやら、倒れかけた私をレヴィンが受け止めてくれたらしいが、返事が出来ないほどに、身体が重い。


「ティー、意識はあるか?」

「……」


 こちらに来たらしいお父様に問われて目だけ向けるが、やはり返事は出来ない。


「それにしても、随分無茶をする」

「……」


 一体、何が起きているのか、分からないのだが。


「貴方」


 お母様がセイロンとレティーリアを連れて、こちらに来る。


「ティアは……」

「大丈夫。多分、地属性特有の能力が出たんだと思う。他人が察知できないものをいち早く察知した上に、セイたちを助けるために使い慣れていない魔力を使って暴走を起こした、って所だろうな」


 ……魔力による暴走?

 前世じゃ魔力なんてもの自体が無かったから、分からなかった。


「まあ、意識が残っている時点で軽度な魔力暴走だったようだが、その代わり、身体も動かせないし、声も出せなくなったらしい」

「……」

「ティー、大丈夫?」


 レヴィンに抱えられたままの私に、セイロンが聞いてくるが、返事が出来ない。


「……」

「セイ、さっきも言っただろ。ティーは返事が出来ないって」


 お父様は苦笑しているが、早く休ましてほしい。

 このままだとずっと、レヴィンも私を抱えていないといけなくなるし。


「とりあえず、ティアを休ませてあげないと。レヴィンも大変でしょ?」

「いえ……」


 そうは言いつつも、レヴィンから離された私はお父様に抱き抱えられる。


 それにしても、あの魔法は結局何だったんだろうか。

 ティーリア(わたし)の察知能力覚醒イベントのためだけに、降ってきたもの?

 そんなはずがない。察知能力を明らかにさせる方法なら、魔法を降らせなくとも、他の方法があったはずだ。


「ティーってば、こんな状態になっても、また考え事してるし」


 さすがというべきか、セイロンにはバレていたらしい。


「……ぃ」

「ん?」

「ティア姉様、無理をしては駄目です」


 セイロンが首を傾げ、レティーリアにはそう言われる。


「とりあえず、今は休め」


 馬車に乗せられ、お父様に頭を撫でられる。


「……ん」


 その後、少しは休んだからか、いくらか楽になったとはいえ、それでも声は出ず。

 行きと同様に、帰りもそれなりの時間を掛けて帰宅すれば、私の状況を知った、家で待っていたメイドや執事、使用人の人たちが慌ただしく動く羽目になった。申し訳ない……。



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