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第12話:蹂躙《パント》

 魔樹の森に着き、人目につかなそうな場所を探そうとすると魔物がいきなり現れた。

 魔物の体長約2m、でっぷりと肥った腹に豚の様な顔をしている。要するにオークだ。


 オーク

 名前:なし

 種族:オーク

 筋力:D 敏捷力:F 精密力:F 動体視力:F 魔力:F

【スキル】

 撃破Lv2

 繁殖


 巨体のオークは人間より鈍くはあるがこちらに徐々に向かってきており小柄なカゴやティアでは簡単に踏み潰されてしまうだろう。

「カゴ様!」

 後ろのティアが声を上げる。カゴはオークが現れるとすぐに剣も抜かずにオークの方へ歩き出していた。装備を見るに前衛職であろう人間が武器も構えずパワーに秀でた魔物に向かっていくのだから声を上げてしまうのも当然だろう。


 オークとカゴの距離は既に手の届く範囲であり、オークが腕を振りかぶる。

「Fgoo!」

 ドコーン

 そして突き出した拳は風による轟音を伴いながら当たった地面(・・)を直径1m程陥没させた。

 シュパ

 一方カゴは拳があたる直前跳躍し、腕の方からオークの肩に移るとそのまま腕の力でもう一度飛び、地面に着地した。

 ドスン

 オークは拳を突き出した格好のまま倒れる。そうカゴは腕の方からオークの肩に移った。つまりオークに触れた(・・・)のだ。


 絶命魔法:Lv1死滅:触れた対象の命を刈り取る。2秒以上触れると命なき物でも粉状にする。


(あのあり得ない破壊力が撃破スキルか、強力だが鈍いオークなら全く問題ないな。)

 オークの殴った後の陥没を見ながら今回のクエストも楽そうだと考える。


「カゴ様!いっ、今のは一体何なのです!?」

「そうだな…賢者様、魔眼を使ってみるのはいかがでしょう?」

 あえて畏まった風に喋ってみる。この世界では賢者は有名らしいので魔眼も知られているはずだ。

「はっ!そういえばティアは…賢者になったのでした。カゴ様、何故いきなりそんな言葉使いになったです?ティアなんかにそんな喋り方しなくていいです!」

 どうやらこの少女には冗談が通じないようだ。

「はっはっはっ、まあさっさと魔眼使ってみろって。」

「はっ、はいです!」


 魔眼:賢者だけに与えられるスキル。相手のステータスや物の価値を看破する。


 そう、魔眼は【加護】異世界からの祝福の様にステータスを読み取る力がある。つまりカゴはティアを信用できる仲間だと認め、自分の能力を教える事にしたのだ。

「カ、カゴ、カゴ様?ティアはお目目が悪くなっちゃったようです。」

「…何故(なにゆえ)に?」

 口を開けていきなり視力低下を訴えるティア。正直何が言いたいのか解らない。

「だって、だってカゴ様のステータスに加護とオリジンがあって…オリジンが二つもあるです…。」

「確かに加護とオリジン両方あるし、オリジンは二つ持ってるけど?」

「……………カゴ様は…一体何者なんです?」

「(異世界の)人間かな。」

「嘘です!!加護とオリジンを両方持っている人も!オリジンを二つも持ってる人も!どっちも昔母様に読んで貰ったお伽噺なんかにしか存在しません!実際に居るわけないです!」


 ここにきて仲間と認めた者に存在を否定されるカゴ。だがカゴの思考は別の事に向けられていた。

(じゃああいつは何者だ?確かにあいつは加護とオリジン両方を持っていた…。俺と同じ異世界人か?それとも知られてないだけで本当は二つ持ちはいたりする事はあるのか?)

 更に思考を加速させそうになるが、横のケモミミ少女が煩いので加護持ちの賢者が居れば両方持つ事になるじゃん。と考えるのを止めた。


「まあまあ此処に居るんだから良いだろ。それに何か俺が加護やオリジン持ってると困る事でもあるのか?」

「あるです!」

 話が終ると思ったら予想に反して意外な反応が返ってきた。

「ティアがお役に立てないです…。賢者になれて、役に立てると思ったのに要らない子になってしまうです。」


 途中から段々か細い声になりながらも自分の胸の内を吐露する。それに反して告げられた本人は

(なんだ、この可愛い生き物は。)

 完全に思考が逝っていた。


 気づけばカゴは下を向いているティアの後ろに回り込み抱きついていた。

「ふぇ?カゴ様!?」

 驚く少女を無視して抱きついた腕の片方を犬ミミを撫でる事に使う。中指で表面から縁、ミミの中まで蹂躙していく。

「ふぁ、あぁあぁぁはふん…ひゃ!!」

 艶のある声を出しながら段々雌の顔になっていく10歳の少女。この最中カゴは終始無言である。

「あっ、あっ、あっ!はふぅ…」

 遂に少女は満たされ、堕ちた。


「さて、それじゃあ実験を始めますか。」

 少女が夢心地になり、満足した所で寝かせて自分は立ち上がる。

 ティアは気付いていなかったが、二人の周りには複数のゴブリンやオークの死体が転がっている。ここは数多くの魔物が生息している魔樹の森なのである。当然呑気に戯れている人を襲わないはずがない。襲われる前に加護で察知し、精霊魔法で撃退していたのである。

(ゴブリン討伐も引き続き承けといて正解だったな。)


 取り合えずオークの死体を全て解体し、精霊魔法で軽く肉を氷らせ、革や魔玉と一緒にアイテムボックスに入れる。

 次にゴブリンの死体に触れる。すると丁度2秒後、砂の様に粉々になる。

 もう一体のゴブリンの死体に触れる。また2秒後に"魔玉を残して"粉々になる。

(やっぱりか。)

 更に落ちていた木の枝を拾うと一瞬で枯れてしまう。

 今度は落葉の葉柄部分を持つと葉の部分だけを残し、葉柄だけ枯れ落ちた。

(要するに…絶命魔法Lv1死滅は触れた生物を一瞬で殺し、魂のない物は2秒後には粉々になる。どこまで能力を適応させるかは任意で植物も生き物だから対象内っと、こんなとこかな。)


 ♢♦♢♦


「お~いティア、そろそろ起きろ。」

「カゴしゃま…カゴ様…カゴ様!?」

「はいはいカゴ様ですよ。そろそろ起きようね。」

 余りにも起きる様子がないので揺さぶると寝起きだからか顔を赤くさせながらティアが起き上がる。


「あのえっと、どれくらいティア寝てたですか?」

「2時間くらい?」

 質問に答えるとティアの顔が青ざめていく。

「ごめんなさいです!!折角クエストを承けてるのに貴重な時間を削ったです!!」

「いや別にいいよ。担ぎながら刈ってたし。」

「でもティアが寝てたから…へ?」

「ほら。」

 そう言うとティアにギルドカードを渡す。


 ゴブリン討伐      討伐数103

 ゴブリンジェネラル討伐 討伐数4

 オーク討伐       討伐数27

 ハイオーク討伐     討伐数2


「…これをお一人で?」

「おう、前回より効率良く出来たな。」

 加護で敵の位置を把握、効率良く移動しオークは素材が必要な為絶命魔法、ゴブリンは剣と精霊魔法で瞬殺して剥ぎ取り。この作業をひたすら繰り返した。

「ティアを担ぎながら?」

「そうだな、片腕で支えられたからそこまで難しくはなかったな。」

 移動はお姫様抱っこでなるべく揺らさず、戦闘は片腕で担ぎながら移動していた。

「ティアはどう反応したら良いです?」

「まあ頑張れ。」

 そう言うとティアは項垂れながらギルドカードを返す。


「それじゃあティアの訓練を始めるぞ。」

なんだか物語の進行が遅い様な…。

さっさと二人目のヒロイン出したい!勇者や魔王を登場させたい!だけど上手く繋げなきゃ自分が納得いかないという悪循環。

次回はようやく賢者様のステータス公開です。


そしてあらすじを変更してみました。前の文を簡単に纏めて今後の展開をぶっこみました。反応が悪かったら新しく考えます。

ではまた明日、投稿できたら★

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