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恋人

私は祓い屋をしている、それ故様々な霊や妖怪に出会う、ある者は嘆き、ある者は怨霊になり、ある者は寂しく消えていく。

そんな時に出会った不思議な霊、龍息。

龍神戦争時、神をも殺したとされていた伝説扱いの能力者、その者との少し不思議な話。


「久しぶり龍息」

『2週間ぐらい来てなかったが何かあった?』

「少し仕事が忙しくてね、忙しい時はとことん忙しくなるのが祓い屋だから」

龍息の隣、石を置いているだけだがいつもここへ座る、いつも通りの場所

『お疲れ様』

「ありがとう」

「あぁそうそう、少し遠くの場所に妖怪が出たってのでいってたんだが、そん時に買ったお土産」

俺はそういってリュックからお土産を取り出す

『お菓子?』

「そう、食事出来るのは知ってたからな、龍息の好きそうな物買ってきたぞ」

『ありがとう、一緒に食べよう、1人は少し寂しいから』

そう話す龍息は、やはり、いつものような…どこか光のない瞳で…

「そうだな」

『…ついでだ、俺の昔の話でも聞いてはくれないか』

会いに来るといつも話してくれる。

龍息の"生前の話"

「いいぞ、今日は仕事も無い」

『ありがとう』

『俺には昔、彼氏がいたんだ、明斗って名前の』

『明斗との日々は、それはそれは…凄く楽しい日々だった』

『トラウマを抱え、ただ1人で彷徨うだけの人生だった俺を救いあげてくれてな…』

『俺にとって…生きる理由だったんだ』

『だがある時、真相を知る方法はもうないが…遊びで他の者と、1度のみだが関係を持ったと知ってな。』

「浮気…されたのか」

『そう、だが俺は惚れていた、好きだった』

『傷付いても尚…傍に居たかった。それでその時は許したんだ。』

『だが2回目、3回目とされ、俺の心は確かに壊れていた。そして四回目のある時、何かが溢れ、明斗との家を飛び出し…一人で戦い続けた。それがこのザマだ』

龍息は笑いながら話していた、だが、瞳からは涙が零れていた。

「…龍息」

『良いんだ、何も無かった人生で夢を見させてもらったんだから』

『………もっと頼れていれば良かったんだろうか』

伝説の能力者、最強と言われ、存在すら怪しまれていた龍息。

その中身はただの少年で、まだ子供…何も知らなかった子供だ。

「…龍息」

『成仏する前に、もう一度だけ会いたいなぁ…』

『…もう知らないなんて言葉じゃなく、好きだと伝えたかった』

「…また会えるさ」

「…それは生まれ変わってからかもしれない、けれどいつか、必ず」

『優希が言うなら、きっとそうなんだろうな』

笑ってくれた、少年の笑顔だ、普通の…子供の

『いつも俺の話ばかりで…申し訳ないな』

「良いんだ、龍息程の人間の話なんて早々聞けないから」

『…ありがとう』

『今度、優希の話も聞かせてくれないか』

「…あぁ、どれだけでも」


たまたま出会った龍息との、不思議な日々

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