俺様の禁断の美貌Ⅱ 情熱の芋
華麗なるSANO
ドラマ版はyoutubeにて絶賛放映中です
都立第六高等学校
この高校のカリキュラムは異例。
美しいものは醜いものを排除する、それが可能である。
「佐野・・・か・・」
一人の男がボソッと一人の佐野の名を呟いた。
生徒会執行部
ここでは生徒の問題、トラブル、部活の予算、色々な事についての会議をしたり、裏で動く選ばれた生徒集団。
現在定例会議を行っている最中である。
「佐野和宏・・また問題を起こしました、この高校においてはかなりの問題児となってますよ会長」
「いいんじゃねぇか? その問題ってのは転校生の件についてなんだろ? 俺的には大助かりだぜ、あの尾臺って奴も前の学校ではかなりの問題児だったって言われてたらしいしな」
「し・・しかし、それでは佐野はまるで良いことしてるみたいじゃないですか・・このまま放置していると取り返しのつかないことにだってなりかねないのでは・・?」
「わかってねぇ・・」
「・・会長?」
「分かってねぇな、早坂・・佐野はなんだ? あんな問題を起こして教師やPTA・・警察だって動かない・・・それはどういうことか分かってなぇとは言わせねェぞ?」
「・・・・どういう、ことでしょうか?」
「・・ハッ・・まぁ、良い・・・教えといてやる・・・この高校では「美しさ」が正義なんだよ、まったく」
「・・そうでした、忘れていましたよ・・・でも、私は納得がいかない、美しさだけで何でも許されるなど・・・奴に教えるべきだと私は思います、どうか命令違反お許しください・・手島会長」
◆
「テレビの取材だと?」
俺様は少し驚き、言われた言葉をそのまま疑問形で返した。
俺からの返事、光栄に思え愚民よ。
「えぇ、あなたの噂は彼これ聞いています、よろしければ取材に協力して頂けませんでしょうか?」
俺に対してどこぞの優男がしつこく願ってくる。
分かっていると思うが、俺はイケメン。ハンサムボーイだ。
テレビの取材など受けたら全人類が俺に惚れてしまうではないか、そんなことになってしまったら、世の中の顔だけのイケメン軍団通称ジャニーズが存在できなくなってしまうじゃないか。
「俺はテレビになど出ない、何度言われようと返す言葉はすべて同じだ」
「でも、そこをなんとか!」
「無理だ!」
「しかし、あなたのような清楚で華麗で全人類が虜になるほどの美貌を持ったあなたがテレビに出るとなると、社会現象が起こります!!」
「よし、取材を許可しよう」
俺は華麗に取材班に許可を与えた。
すべての人類よ、喜べ。
「あ、ありがとうございます!! で、さっそくですが明日取材に伺いたいのですが・・」
「良いだろう、で・・どのような番組なんだ?」
「情熱〇陸です!」
◆
イケメンの中のイケメン佐野和宏、知る人ぞ知るイケメン、佐野和宏。
優雅で美しい、華麗な男である。誰にでも見せるその優しさは男も女も関係なく、惚れさせてしまう。
◆情熱大陸―佐野和宏◆
~~~情熱大陸 remix~~~
ここは良くある住宅地の一角・・・小鳥が囀る中、彼は朝早く活動していた。
佐野和宏、15歳。高校一年生、その鋭い瞳、男気溢れる美しい顔立ち、そして一般人とは一線を画すオーラを、彼は放ち続けている。
そう、彼はイケメンであるのだ。
彼がテーブルでコーヒーを啜っている中を早速我々スタッフは直撃した。
~~おはようございます
「ふむ、お早う、今日はよろしく頼むぞ」
~~いつも朝は早いんですか?
「・・まァな、このイケメンたる俺は、少なくとも早起きしなければならないのだよ」
~~素晴らしい心がけですね
「当然の心がけだ、イケメンは生活リズムを大切にするのだよ、イケメリズムだ」
~~はぁ・・勉強になります
「お早うございます佐野様、朝食の準備ができました」
~~? この方は?
「あぁ、こいつはコウヤ、俺の奴隷だ、なかなか筋がいい奴だ、あの、もみあげと違ってな」
~~もみあげ?
「人間は誰も、一つや二つ忘れたい過去があるもんだぜ」
~~そうですか、すいません
「・・・・む、無駄話に費やしていたら時間がきてしまったな・・朝食を食べる暇が無くなってしまったぞ、悪いコウヤ、それは夕食にでも取っておいてくれ」
「かしこまりました」
「ふむ、学校に行くか、行かないと他の生徒が悲しむからな」
~~大変なんですね
CM
彼が通う通学路。決して生徒数はおおくない学校だが、通学路は明るい喧噪に満ちていた。
これも彼の人徳がそうさせているのだろうか。
驚くべきことに、イケメンである佐野本人も、通学路を歩いていた。
~~佐野さん、車などは使わないのですか? 注目されないんですか?
「あぁ、・・俺は皆に美しさを提供しているからな、俺の美しい顔を無料で見れるなんて光栄だろう他生徒の諸君?」
「「「はい!佐野様サイコー!!」」」
~~随分人気があるのですね・・けど、佐野さん・・かなりの人数の生徒が佐野さんの後ろをあるいているのですが・・
「あぁ、人気者はこれだから・・まったく困ったものだな」
~~私の予想を遥かに超えるすごい人でした
「ふ、良く言われるぜ・・・なんちゃって」
~~またまた御冗談を・・
「・・・おっと、一応学校にはモザイクをかけておいてくれよ、ここに通っているってのが全国にばれたら大変な事になってしまうからな」
~~はい、分かりました
◆
我々スタッフは彼の学校生活を地上波初でお送りすることになるだろう。
「よう、佐野・・元気にしてるか?」
「む・・貴様、骨皮翔太じゃねーか」
~~この方は?
「こいつは骨皮翔太、俺の友達だ、・・ところで骨皮、お前今日まで学校来なかったろ? どこへ行ってたんだ?」
「あぁ、俺は岡野さんとデートを楽しんでいたんだ・・だが、俺は知ってしまった・・三次元より二次元のほうがいいってことに・・・」
「知るか、一生テレビの画面でも見てろ」
~~・・仲・・いいんですよね?
「あぁ、もちろんだ」
「ところで、佐野・・お前いったい何をしたんだ・・なんか生徒会がお前に目を付けてるって噂だぜ?」
~~生徒会に目を付けられている?
「おっと、スタッフさんよ、ちょいと悪いが一端場所を外してくれねぇか?」
~~え、ですが・・
「イケメンの命令だ、聞け」
~~・・はい。
◆
「で、俺が生徒会に何故絡まれているか・・か、むしろ俺が聞きたいところだな」
俺が生徒会に目を付けられている? 所詮ただの生徒の集まりが何を偉そうに。
滑稽にもほどがあるな。
「じゃあ、お前は知らないのか?」
「あぁ、俺は俺が美しいことしか知らない」
「・・そうか」
骨皮は間抜けな顔をして溜息をした。
下らない、何が生徒会だ・・・俺の美の前にはすべてが無意味だと言うのに
「そういえば、骨皮・・その噂って言うのは・・・・・・」
『うぼぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!』
俺の声を遮るように廊下から間抜けともいえる断末魔の叫びが聞こえた。
「!?」
俺は急いで声が聞こえた場所へ急いで向かった。
「・・・・これは・・・」
俺が見た光景は、死体の山
その中には醜くなった尾臺の姿があった。
「・・・っち・・」
俺は舌打ちをした。
誰だこんな下らないことをした奴は、俺にこのような醜い景色を見せるな
俺はその死体だらけの道を進んでいくと一人の男が立っているのが見えた。
「・・来たが・・・佐野和宏、俺ばこの高校の四天王の一人、瀬田凛だ・・よぐ憶えでおげ」
声が枯れている、それが俺からの第一印象だった
チリチリしてうざったい髪型に、俺と被るメガネを掛けている。
「・・四天王ね・・聞いたことあるぜ・・・生徒会のお荷物軍団ってな」
「・・面白い・・だっだら試じでやる、四天王の恐ろじざを」