第6話
翌日
「さぁ~て、今日は何する~?クオン~。」
クオンが生まれてから、俺の人生はなんだか輝き始めたみたいだ。
今までのみじめさがなくなった。そんな気がしている。
俺は今日もクオンに話しかける。するとクオンが
「今日もキャッチボールする?」
「い…いや、今日はいいかな…。」
昨日の今日では気が進まなかった。
「じゃあ今日は鬼ごっこでもする?ショウ、あなたが鬼ね。」
「一生追いつけない気がするよ…。」
「わがままね。そんなことではやること限られてくるじゃない。」
「そうだなぁ~…もっとこう、フィジカル的じゃないこと…。」
俺は考える。正直、体を使うことでは能力差がありすぎて話にならない。
「そうだ!将棋をしよう!」
これなら身体的能力は問われない。我ながらいい案だ。
「将棋…それはどういうものなの?」
クオンが聞く。
「将棋っていうのは駒を使うボードゲームの一種だ。」
俺はルールを説明した。そして勝負開始。
しかし
「ま…負けたよ…クオン…。」
強すぎた。勝負をしようとしていた数分前の自分にやめるよう言いたかった。
やはり竜は激しく頭がいいようだ。
全く相手にならなかった。もはや俺が勝てるものはないだろう。そう悟った。
「よぉ~し!外に出て遊ぼうか!」
俺はやけっぱちになって外へ出た。
するとそこには1人の少女の姿があった。
「お…おや?どちら様…?」
俺は初対面の相手に聞いてみた。
「あなた、ドラゴンを飼っているわね。」
「そ、そうだけど…それが?」
「私には魔力を感知する力が少しあるわ。それによるとかなり大きな魔力がここに誕生した。」
「…で?」
「単刀直入に言うわ。」
「う…うん…。」
彼女は重々しい空気をまとっている。一体何をするつもりだ?俺は身構える。
「私にそのドラゴンを触らせてくださいっ!」
は…はぁ…、えぇ~と。どういうこと?
「私、ドラゴンの大ファンなの!だから、お願い!」
「え、えぇ~と…」
「自己紹介がまだだったわね。私はエリー。少し遠くの街から来たの。」
エリーという子はものすごい勢いで俺に詰め寄る。俺が困っていると。
「ショウ、どうしたの?その子は?」
クオンが家の中から出てきた。
「わー!これが本物のドラゴン…!す、凄いわ…!しかもしゃべってる。」
エリーはすごく興奮している。クオンはどう対応するのだろう?
「新聞なら間に合ってるわ。では。」
クオンはパタンと扉を閉めた。
辺りにはシーンとした空気が立ち込める。そして俺とこの子を2人きりにするな、クオンよ。
「あ…えと、ゴメン。今人と会う気分じゃないみたい…。あの~…。」
「かわいいじゃない。」
エリーはそう言った。




