表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0’sドラゴン  作者: ece
3/5

第3話

「つ、ついに生まれた…。」


子竜はもぞもぞと動いている。


「あれ?確か卵の動物って1番最初に見たモノを親と思うんだっけ?」


あいまいな記憶だったが、だとしたら俺は親だ。


「竜でもそうなのかなぁ…?」


ま、いいや。


「よし、生まれて来たってことはやることはただ1つ。」


そう、名前決めだ。


「どうしようかなぁ~?」


俺は頭を悩ませる。


「なにかカッコいい名前…。クーと鳴いたからなぁ~。ク~…ケ~…コ~…。」


ネーミングセンスもないのか俺は…。


「ク、は固定か?だとしたら…。」


俺の頭には1つの案が浮かんだ。


「クオン。お前の名前はクオンだ。長生きできるようにな。」


我ながら渋い理由だったが、まぁよしとしよう。


「よし、次は…。」


そうだ、エサだ。


「こいつ何食うんだぁ~?まったく分からん。どうしよう。」


最初っから固形は食えないだろうし…。かといって牛乳もよしなのか分からん。


「まさか魔力とか言わないでくれよぉ~…。」


とりあえず、イチかバチかで俺は牛乳をあげてみることにした。


テキトーに皿を見繕ってきてそれに牛乳をあけた。


「さて、飲むかな?」


しばらく皿をクオンの前に置いてみたところ、どうやら興味を示したようだ。


「さ~、飲め~。それは飲み物だぞ~。」


言葉がわかるか知らんが、俺は牛乳を飲むようにしむける。すると


ぺろっ


クオンが牛乳に舌を付けた。


「おぉ~…。で?どうなんだ?うまいのか?」


どうやら気に入ったようだ。その後もクオンは牛乳を飲み続けた。


そしてしばらくして、皿は空になった。


「大丈夫かな…。お腹壊さんだろうか…。」


その後も経過をよく観察してみた。


2,3時間たったが具合が悪くなった様子は見えない。


「よかったぁ~。」


さすが竜、お腹も強い。


そういえば竜って、ある程度大きくなったら人間に擬態できるんじゃなかったっけ?


どんな感じになるのかなぁ~?


「フフフ…。」


期待が高まる。


さて、俺も何か食うかな。


俺はまたしてもテキトーにパンやなんかを持ってきて食べた。


俺はパンをきぎって食べる。


するとクオンが羽をバサッと広げて俺の方に飛んできた。子竜と言っても羽を広げると結構デカい。


「うわー!」


俺はびっくりして目を閉じ身をかがめる。


俺が目を開けるとそこにはパンを食うクオンの姿があった。


「嘘だろ…、もう固形食えるのかい?ていうか飛べるんかいっ!?」


竜の成長というものはとても速いんだなぁ…。俺はしみじみ思った。


「お前、このままいくと明日にはどうなっているんだ?ひょっとして、しゃべりだしてるんじゃないか?」


まさかな、と思いつつパンをむさぼるクオンを眺めていたのだった。


あと、とりあえずいつしゃべってもいいように名前だけは教えておいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ