表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さき蹄、大きな約束  作者: sakura540
第3章 日本に響く蹄音
39/62

39話 奮闘

よろしくお願いします。

7月。福島競馬場ダート1150メートルのオープン特別。


そのレースに出走する14頭の馬になかに虎、エネルタイガーがいた。


園田時代のリトルボスのライバル馬。元調教師・河東の問題行動を機に、亀田オーナーの判断で中央入りし、美浦・菊池厩舎へ転厩。それから3歳でダートOP戦を勝ったが、それ以降は勝ち星がつかなかった。そして今回のレース。


「最終直線に入った。先頭は3番エネルタイガー、逃げる逃げるエネルタイガー。後続も追いすがっていくが差がなかなか縮まらない!そのままゴールイン!エネルタイガー先頭でゴールイン!2着は…」


馬体重は515kg、スタートから逃げの形に持ち込み、最後は粘り切って半馬身差で勝利。2年以上ぶりの勝利となった。騎手のコメントでは「まだまだ強くなりますよ」との評価。


次の目標は、もう一度ダートOPを挟んだのち東京盃、それらのレースの結果次第でJBCスプリントを目指す。



時を同じくして、帝王賞の激戦の後、スーパーラビット陣営は年内引退を発表。


秋のJBCクラシックに直行、そして年末の東京大賞典を最後に。引退後は種牡馬入りする。国内ダートを無双した最強馬は、次なる世代の“ラビット”たちに夢を託す。



リトルボス周辺はというと、園田競馬場の一室にて。

仕事で関西に来ていた新城と鈴木調教師、そして園田競馬の関係者が集っていた。


「リトルボスについてですが、今年のJBCクラシックは園田開催ですのでそちらに出走するのは承知しております。しかし問題は、そのレースの前に1戦はさむということなのですが…」


「ええ、時期的に園田チャレンジカップか姫山菊花賞で考えてますが…」


「我々としては今年のJBCクラシックが園田開催ということでですね、できるだけ園田の有力馬を出走させるように手筈を整えてるのですがそこで問題がありまして…」


「というと?」


「実は園田の馬、もっといえば馬主や調教師の間ではJBCクラシックの前哨戦として姫山菊花賞を目指している方が多くて、もっといえばJBCクラシックの座を争う場になってましてそこにリトルボスが来ると…」


「園田チャレンジカップもJBCの前哨戦になってるでしょ?」


「ええ、JBCスプリントの前哨戦の位置づけです。しかしそちらは既にある程度出走する馬が決まってますのでJBCクラシックと比較するとそこまでひっ迫した状況ではないです。…ですのでこちら側としてはリトルボスは園田チャレンジカップの方にお願いしたい所存でして。」


「そうでしたか。…う~ん、どうしましょうか新城様?」


「…ん~、ボスなら1400でもいけるでしょ?なら園田チャレンジカップでいいんじゃない?JBCの前は調整させるくらいにしか考えてないし。」


「…そう仰っていただけるとありがたいです。」



7月下旬、新城高志のYouTubeチャンネル「Shinjo Racing Ch.」が更新された。


動画タイトルは「【重大発表】リトルボス、地元へ帰る!」。



新城:「はいどうも、新城です。今日は、リトルボスの次走について発表します!」


軽快な語り口の中で、帝王賞でのリトルボスの走りを振り返りながら、新城は次のように語った。



「9月、リトルボスは園田チャレンジカップに出走します。鞍上は宮西騎手の予定です。


その後、11月、園田で開催されるJBCクラシックを目指します。鞍上は伊藤騎手の予定です。


リトルボスの地元であり、私と宮西さんと伊藤さん、鈴木厩舎が勝負を賭ける大事な2戦になります!」



コメント欄には次々とレスポンスが届いていた。


「距離的に姫川菊花賞だと思ってたが…」


「園田帰還、激アツ」


「今年のJBC、ワンチャンあるぞ」


「妹がオークス、兄がJBC、ドラマか!」


「エネルタイガーもJBCスプリントで園田に戻って来るかもだぞ」


「今年の園田はアツくなりそうだぜ!」



9月になり園田に戻ったリトルボス。

次走である園田チャレンジカップに向け調整をしていた。


(園田チャレンジカップか。これはまた懐かしいレースに走るのか。園田に遠征したときに鈴木の野郎と競っていたのを思い出すわ。しかし、JBCクラシックの調整にしては距離が短くないかな?)


「…これは新城さん、お久しぶりです。」


「お久しぶりです、先生。」


・・・


「……といことで今のリトルボスの調教は順調です。」


「分かりました。うんうん、宮西騎手もうまくやってくれてるようですね。…今日はレース無いんでしょ?今後の話もあるのでこの後、バーに行きませんか?」


「予定を確認しますね。…分かりました。お供いたしますってちょっとボス、今蹴っただろ?」


(お前ばっかり飲みに行きやがって。ふざけやがって。俺をおいて飲みに行くんだ、一発蹴ってもいいだろが!)


「ははは。元気そうで何より。」


・・・


(…はぁ、今頃あの野郎どもは飲みに行ってるのか?いいなぁ。俺はここでゴロゴロするくらいしかやることはないし。しかし、この後の話、か。俺はこれからどこに向かうのだろうか?まだ引退は無いと思うけど5歳で大きな実績はまだ無いんだよな~。…まだ処分される可能性も0じゃ無いんだよなぁ~。ヒメみたいに牝馬で芝G1の実績があれば処分されるリスクはないんだがなぁ。牡の地方馬で生き残れそうな実績がまだないっていうのはきついよなぁ~。とりあえず、園田のレースを連戦するんだ、園田なら今の俺に勝てる野郎はいないさ、多分。だからJBCクラシックを得る。そうすれば生存率も上がる、はず。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ