魔王として冤罪で投獄されたワシ、三十六年ぶりに出所する〜ソウル・マジック使いのおっさん、魔物たちと王になる〜

【簡単なあらすじ】人生のほとんどを地下牢で消費したおっさんが気のいい奴らと出会い、少年心を取り戻しながら問題を解決していくうちに世界を統べる暗黒皇帝になぜかなる話。

【あらすじ】

　魔王に洗脳支配される魔物の魂には黒いモヤがある。
　
　十二の誕生日を迎えた朝、牙をむき出して襲ってきたブラックウルフの魂にそれを見つけたワシは反射的にモヤをはらった。

　それが、地下牢生活の始まりだった。

　【魔物を洗脳支配する魔王】と、【魔物と仲良くなるワシ】。

　民の目にはどちらも同じにうつる。

　我が子のように可愛がっていてくれた先代国王夫妻やワシの両親が、苦肉の策として出したのがワシを地下牢に幽閉すること。

　王家の管理下で、“人類の守護者”と呼ばれる我がマイトバリア家の結界魔法によりワシを封じ込めるという名目だ。

　それから三十六年。

　地下牢で鍛え上げた肉体と知識、国王オルガオルから貰った直刀を片手に、ワシは魔王国との境界となる人魔の森に国外追放されることになる。


　しかしこの森、居心地がいい。魔物たちやヴァンパイアのガイコツに人魚、雲の地から雷人の少年など、外の世界は面白い。

　
　ワシの第二の人生が始まった。