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名作に成れなかった物語  作者: 翠野 奏
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茨姫

発見時刻 1888年8月7日

発見された場所 長崎県                    記録者 霜月 紗友美


茨姫は明治時代に生まれた花を0から咲かすことのできる一人の女性です。

小さい頃はその力を使い桜を咲かせ人々を笑顔にしていましたが、日清戦争が始まると国から壁をつくる兵器として戦場の前線に置かれました。 

突然日本から中国へと運ばれた茨姫は誰も信じる事ができず、ひたすら日本軍に貢献しいち早く自由を取り戻そうとしました。

戦場の茨姫は桜ではなく茨を咲かせたことと、冷たく美貌な顔が特徴だったことから、そこで初めて『茨姫』という名前がつきました。

日清戦争が終戦してからは自分の故郷である長崎で静かに暮らしていたそうです。

それから約50年後に第二次世界大戦が勃発しました。

広島に原爆が投下されたことを知った茨姫は年老いた自分の力を振り絞り長崎で桜を咲かせ停戦を訴えましたが、人々に反対され平和をもたらした英雄から災いを勧める魔女へと評価が下がってしまう結果になりました。

最後は長崎に投下された原子爆弾の爆風でこの世を去りました。

その後、茨姫に同情した数少なき人たちの停戦運動により第二次世界大戦は終わりを迎え、日本は平和な世に戻りました。

今でも茨姫の死亡した場所には桜が咲いているとかいないとか。

以上、私の祖母から聞いた曾祖母の武勇伝でした。

茨姫の本名は、今でも誰も教えてくれません。




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