表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

88/229

王子様と私(2)

セドリック第8王子殿下はマリンナに到着した後、そのままベン彫金工房に訪れていた。



「タマス国第8王子セドリックだ。ベン殿に剣への特殊効果付与をお願いしたい」


「ベンと申します。第8王子殿下のお役に立てる栄誉を賜り、恐悦至極に存じます」


「私は近々王籍を抜けて冒険者となる。王子としてではなく、普通の顧客と同じように扱ってほしい」

「私、従者のミランと申します。殿下はこちらに滞在中はお忍びでございます。セド様とお呼び下さい」


「わかりました。セド様、それでは早速ですが、剣を見せてくだせぇ」


「これだ。よろしく頼む」


ベン親方が渡された剣を確認する。


「嬢ちゃん、ロック、来てくれ」


「セド様、この2人はベン彫金工房の専属工房の者です」


「ベン彫金工房の専属工房アトリエ・ロクナナのロックと申します」

「ナナと申します」


「この剣を確認してもらえるか?」


ロックが剣を手に取り、眺めてからナナに渡す。

ナナは見ても分からないので、鑑定をかけてみる。


『褒美として下賜するために作られた銅製の宝剣。ルビー・金製・銅製』


うーん、これは実戦で使えないやつだ。言いずらいな、なんて言おう。

『不知火』の人達、ずっと一緒だったんだから王子に教えてあげればいいのに!

ナナは王子の後ろに立つリッカルドをチラリと見るが、リッカルドは素知らぬフリだ。


「恐れながら、剣は鋼の物をご用意いただいた方がよろしいかと」

ロックが言ってくれた。ありがとうロック。


「ロック殿、ではこの剣は何製なのですか?」

ミランの問いに、ロックはナナを見て頷く。


「銅製です。褒美として下賜するために作られた銅製の宝剣で、飾りは金とルビーです」


「ナナ殿は鑑定ができるのか?」


「できます。私がロクナナの職人なので」


「持主専用の特殊効果付加は、ナナにしかできません。これは他言無用でお願いします」


セド様とミランさんが、軽く目を見開く。


「承知した」「かしこまりました」


「マリウス、とりあえず、武器屋でセド様とミラン殿に剣を選んで差し上げろ」


「マリンナの武器屋の良し悪しを知ってるロックも同行して欲しい。その方がいいですよね?セド様」


「そうだな、ロック殿よろしく頼む」


「わかりました。だいたいのご予算は?」


「ロック、鋼製の剣なら予算を気にせず選べるはずだ」


「では、ドナルドの店に行きましょう」


「私達はナナちゃんとお留守番してますぅ」

ロリーナさんがナナと腕を組む。


マリウスさんとロックが、王子とミランさんを連れて武器屋に向かった。




▽△▽△▽△▽△▽△




「っはーっ、緊張したー」


「ナナちゃん、お疲れ様ぁ」

ロリーナさんが肩をモミモミしてくれる。


「不知火のみんなはすごいね!ずっと王子様と一緒だったんでしょう?」


「セド様は、冒険者になるし、気さくな方だからね。あまり緊張はしなかったな」


「不知火ってすごいんだねー。王子様と知り合うって、どんな活動してたらそうなるの?」


「王城のパーティに呼ばれて行ったとき、お話する機会があっただけだよ」


「すっごーい!ロリーナさんもダンス踊ったりするの?」


「あはは、今どきのパーティは、ダンスなんて踊らないよぅ。楽団がいるから音楽は流れてるけど」


「まあ、知り合いを増やすために行く感じかなー」


「へー、有名冒険者は大変なんですねー」


「お茶どうぞ~」

トムさんの淹れてくれるお茶は美味しい。あの大きな手で小さなポットから淹れてくれる様は、目にも美味しい光景だ。


「わー、ありがとう!トムさん!」

ナナは、トムさんが淹れてくれたお茶をいただく。温かいお茶でホッと一息つく。


「そういえば、セド様は、冒険者登録したらソロで頑張るの?」


「それなんだけどな、ロックに頼めないか?」


「リッカルドさん、ごめん、どういう意味?」


「セド様は、幼い頃から騎士団で訓練はされていたようだが、魔物とは戦った事がないそうだ。だから魔物と戦う訓練が必要だ」


「不知火で面倒見てあげたらいいじゃない」


「そうして差し上げたいんだがな、秋から立て続けに他国の遠征があるんだよ。セド様を他国へはお連れできないだろう?」


「王都の別の有名パーティに頼んだらいいじゃない」


「生き馬の目を抜く王都の有名パーティになんか頼んだら、すぐに良からぬことに利用されそうだ」

なにそれ王都怖い。ナナは、やっぱり王都へは絶対行かないようにしようと心に刻む。


「マリンナは、魔物も比較的狩りやすいものが多い。セド様の訓練には最適だと思うんだよ」


「不知火のマリンナの拠点に滞在していただくから、頼めないかな」


「うー、私じゃなくてロックに言って!リーダーだから!」


ナナは、ロックに丸投げする事にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「それなんだけどな、ロックに頼めないか?」 面倒ごとを押し付けてくるね。対価の話もしっかりして欲しい。それ相応の対価を支払う余裕がなさそうだけど、どういうつもりなのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ