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家族になった次の日のこと

完結感が漂っていますが、まだまだ続きます。

結婚した日の夜、ロックはナナの部屋を訪ねた。

ここ最近は毎日どちらかの部屋で今後の話をしていたので、いつものようにベッドに並んで座って今日の話をする。


「はー、長かった。これでやっとナナと夫婦だ」


「町役場の手続き、あっけなかったね」


「ふふっ、そうだな」


「まさか16才で結婚するとは思わなかったよ」


「俺だって思わなかったよ。でも、いずれ絶対結婚はした」


「ふふふ、私もそう思う」


「ナナ、俺と結婚してくれて、ありがとう。俺の家族になってくれて、ありがとう」


「ロック、私と結婚してくれて、ありがとう。ロックと家族になれて幸せだよ」


「俺も幸せ。大好きだよ、ナナ」


「私もロックが大好き」


ロックは、ナナをやさしく抱き寄せて、そっと唇を重ねた。



▽△▽△▽△▽△▽△



「ジル、僕、今日、ベッドで寝てみようと思うんだ」


「えっ?コウ、大丈夫なのか?無理すんなよ?」


「だからね、その、ジル、一緒に寝てくれる?」


「いいよ。一緒に寝よう」


「ありがとう、ジル」


「コウ、そっちじゃなくて、こっち側に寝ろ。そっち窓側だろ」


「あ、ありがとう」


「無理だと思ったら言えよ。一緒にラグで寝よう」


「うん」


「手握るか?」


「うん」


「モモはラグで寝るー」


「モモ、コウと一緒に寝てやれよ。ほら、ここ」


「んもー、しかたないなー」


「モモちゃん、ありがとう」


「どういたしましてー」


「ジル、モモちゃん、おやすみ」


「おやすみー」「おやすみ」



▽△▽△▽△▽△▽△



暑い。身動きがとれない。

ナナは、目が覚めると、ロックに包まれるように抱きしめられていた。

そーっと抜けようとしたが、ひょいっと抱えなおされる。


「ロック、もしかして起きてる?(小声)」


寝ているようなので、もう一度脱出を試みる。

そーっと体を抜こうとすると、また抱えなおされる。


「ロック、朝の稽古は大丈夫なの?(小声)」


「休みと言ってあるから大丈夫だ」


「起きてるじゃん」


「今起きたんだよ(嘘)」


「起きてるなら、ちょっと離して」


「・・・」


「ロック、トイレ行かせて」


ロックは、しぶしぶ手を離した。


「ナナ、それ羽織ってけ。そのまんま行くな」


「ぎゃー!そうだった!」

慌ててロックのシャツを羽織り、トイレに向かおうとして、ナナが戻ってくる。


ロックの額にチュッとして、ドアから出て行った。


「慌てて転ぶなよー」


ナナが、ドタバタとトイレに行く音がする。


新婚はじめての朝、キャッキャウフフする予定だったロックは、いつも通りのナナに少しだけ苦笑。


「でも、ナナらしいな」


ロックは、自分の額にキスをしに戻ってきたナナを思い出し、やさしく微笑むのだった。



▽△▽△▽△▽△▽△



コウとジルは、ラグで目覚めた。ベッドで寝ているのは、びよーんと伸びたモモだけだ。


昨日は結局、コウは心臓がドキドキしてベッドでは寝つけず、心配したジルがコウをラグに誘ったのだった。


「おはよう、ジル、ごめんね。夜中に起こしちゃって」


「おはよう、俺が勝手に起きたんだよ。気にすんな」


「僕、やっぱりしばらくはラグで寝る」


「わかった。また挑戦したくなったら言え。遠慮すんなよ」


「うん、ありがとう」


「なんでみんな、ベッドにいないの」


「おはよう、モモちゃん、眠れなくてラグで寝たんだ」


「おはよう、モモ」


「コウ、寝たい所でねればいいよ?」


「ふふっ、モモちゃん、ありがとう」



▽△▽△▽△▽△▽△



「ジル、コウ、モモちゃーん、ごはんだよー」


大皿にパンケーキが10枚以上重ねて置かれている。ジャムと蜂蜜とバターはかけ放題だ。モモ用に、イワシのような魚が盛られた小皿が置いてある。


「みんな取り皿に取って、好きなように食べて、2枚目以降は早いもん勝ち。モモちゃんは、これ」


「ロック、ジャム取って、ブルーベリーの方」


「ほら、ジャムに自分のスプーン使うなよ。ジル、これ使え」


「ナナちゃん、お茶にジャム入れていい?」


「どうぞ。これおすすめ、アプリコット」


「じゃあ、それにする」


「ナナちゃん、モモにも、バターつけたやつちょうだい。半分の半分くらい」


「はいはい、ここ置くよ」


「ん、ありがと」


「これ食ったら、ジルとコウの服買いにいくぞ」


「!!」「!!」


「色々買わなきゃね。靴もそれ1足でしょ?」


「いいの?補助金銀貨1枚なんでしょ?」

「いいのかよ。俺達の補助金安いだろ?」


「いいんだよ。誕生日プレゼントだ」


「何回目だよ、誕生日プレゼント・・・ありがとう」

「ありがとう、うれしい」


2人ともモジモジしてかわいい。ナナは、朝からいい物を見られてご満悦だ。



▽△▽△▽△▽△▽△



ロックの行きつけの服飾店「ゴドの店」にみんなで向かう。

「ゴドの店」は、冒険者御用達のお店だ。

子供用は少ないけれど、汚れてもザブザブ洗える丈夫な服が揃っている。


そこで、ジルとコウに、シャツ2着、チュニック2着、インナー4着、ズボン2着を選ぶように言う。


孤児院にあるものから選んでたジル、何も与えられなかったコウ、2人に好きな物を選ばせたかった。


「「ロック、ナナちゃん、選べない」」

そんなに種類が多くない子供用の服でも、ジルとコウにはキャパオーバーらしい。


「わかった、一緒に見よう」

ロックが、アドバイスするようだ。


「ロック、これは?」


「ウエストに剣帯をつけるだろ、そうするとこの装飾が邪魔になるから、これはダメだな」


「これは?」


「白はダメだ。魔物の血は洗ってもうっすら残る」


「じゃあ、これは」


「これは、うん、なかなかいいな。少し大きめだが剣帯で絞れるし気にならないだろう」


好きなものを選ばせたいとか言ってたくせに、ほぼロックが選んでる。

でも、子供2人はすごくうれしそうだ。


ナナとモモは、楽しそうに服を選ぶ3人を、にこにこ笑いながら見守るのだった。

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