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代わりの物を見つけて喪失感を埋めていく

夕ご飯を食べてお風呂に入った後、ナナは本日のアクセサリー作成のためにアトリエに向かう。


ロックとモモとコウも一緒に向かう。ナナが夜更かししないように見張るためだ。

実は、ナナは二度ほど2時間越えで作業して、ロックに無言でベッドへ強制送還されている所をトイレに起きたコウに見られている。大人失格だ本当に面目ない。


ナナのアトリエのラグで、ロックがナッツの殻剥きをしながら、コウとモモの話を聞いている。



ナナは『いろんな天然石ビーズが入った大きめの仕切りケース』と『チェコガラスビーズが入った仕切りケース』を眺める。


ナナはビーズが大好きだ。天然石のビーズも、チェコガラスビーズも、ドイツ製のアクリルビーズも、レジンで自分で形成したビーズも。


ドイツ製のアクリルビーズは、ほとんど地球に置いてきてしまった。アクリルビーズは天然石と相性が悪いように見えるが、ドイツ製のアンティークな雰囲気のビーズだと意外とそうでもない。


本物の天然石と、愛らしいチェコガラスビーズと、抜け感のあるアクリルビーズを合わせると、いい感じに味のあるアクセサリーになるのだ。


今日は、地球で作っていたようなネックレスを作る。時間が無いから長さは40cmのプリンセス。


ナナは、糸ではなくステンレスワイヤーでネックレスを作る。劣化で切れる事がほぼ無いからだ。20個ビーズケースから違うビーズを選んで、縦に並べてサイズを測る。16cmだから、もう5個ほど4mmサイズのビーズを選んでバランスを見ながら足していく。


逆側からビーズが抜けないように、ステンレスワイヤーの端をクリップで挟んでビーズを通していく。最初と最後は4mmの水晶ビーズと決めているので、ます水晶を通す。間にゴールドの極小シャルロットビーズ(幅1mm)を8個通して、次々に並べたビーズを通していく。


ナナは、ビーズを通していてバランスが悪いなと思うと、容赦なくそこからやりなおす。通しづらい極小ビーズでも容赦なく外す。久しぶりの作業でなかなか勘が戻らないのか、ネックレスの長さは一進一退を繰り返す。



夢中で作業していたら、ロックのストップが入った。もう少しで完成だったけれど、ナナは制作途中のネックレスの端をクリップで挟むと作業を終えた。


腕が鈍ってる。感覚が戻らない。ナナは、実感する。でも、久々にビーズに向き合うのは、もどかしいけど楽しい時間だった。



ロックとコウがナナの手を引いて、ナナの寝室に向かう。モモが後からテトテトとついてくる。


コウとモモを部屋に送って、ラグで横になったのを見守って、ナナとロックも部屋に戻る。


「ナナ、おやすみ」


「おやすみ、ロック」


ロックは、ナナをギュッとして、自分の部屋に入っていった。


ナナも、自室に戻ってベッドに横になる。



ナナが地球に置いてきたものはたくさんある。ドイツ製のアクリルビーズのように、手元に無い事を残念だと感じるたびに、じわりと小さな喪失感が沸き上がる。


それでも、ナナ自身がここにいる限り、代わりの物を見つけて喪失感を埋めていく。ここで生きると決めたのだから。



ナナは、ギュッとしてくれたロックの体温を思い出す。



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