ひまわり祭り 出店大募集
その日ロックとナナは、嘴ネズミの討伐報告をしにギルドに訪れていた。
ギルドに入るなり、目に飛びこんできた黄色いポスター。
『ひまわり祭り 出店大募集』
無骨な男がひしめくギルドに似つかわしくないヒマワリ模様のポスター。
ロックが窓口で清算している間に、ナナが受付のお姉さんに聞いてみる。
「すみませーん、お祭りの出店募集のポスター見たのですが」
「あー、はいはい、噴水広場が広くなったでしょう?その関係で、ひまわり祭りの露店の数を増やすのよ」
「これって、誰でも出店できるんですか?」
「できるわよ。冒険者なら固定パーティでも、個人でも大丈夫」
「ロックと相談してみます」
「出店の空きはあと5店舗だから、早めに決めてね」
お姉さんからチラシを渡される。
「わかりました。ありがとう」
清算の終わったロックにチラシを見せたら「ナナがやりたいなら」と、あっさりと許可がでた。
「パーティで申し込んでもいい?出店料は銅貨3枚」
「もちろんパーティで参加だ。むしろナナ1人で出店はダメだ」
「今、申し込みしてきてもいい?」
「わかった。一緒に行く」
噴水広場は、広場を中心に東西南北に道が伸びている。
ナナ達は、その東側の道に入る手前から3件目の場所に出店する事になった。
テーブルと椅子は無料で借りられるけど、テントは有料で銅貨1枚かかる。ナナはテントも借りる事にした。
ひまわり祭りは8月3日・4日。あと1か月ほどしかない。
どの程度売れるかはわからないけれど、手軽に手に取れるアクセサリー多数と、少しだけお高い物揃えたい。
帰ったらまず、加工済みのアクセサリーパーツが入った仕切りケースの中身を確認しよう。
低価格帯は、こちらでも素材が手に入る革紐で、ネックレスやブレスレットを作ってもいいな。
地球でナナが良く作っていたのは、色々な天然石やチェコガラスビーズを連ねた、カラフルなネックレスやブレスレットだった。そういうのも数点だけでも置きたい。
冒険者も来るから、特殊効果を付加したアクセサリーもいくつか作ろう。
地球にいる時は、苦手だった出店イベント。ロックと一緒だと思うと苦にならない。
「ナナ、商品は出せるだけでいい。無理はするな」
「毎日夜2時間、あとは雨の日に集中的に作業して、出来た分を出すよ」
「特殊効果付加のアクセサリーは相談してくれ。慎重に効果を決めよう」
「わかった。必ず相談するよ」
「看板がいるな。布と棚も。作るか」
「庭で一緒に作ろうよ。看板は黒板にしたい!」
「そうだな。一緒に作ろう。コクバン?は後で教えてくれ」
「ロック、何かお揃いのアクセサリーを付けようよ」
「宣伝になるな。カップルで買ってくれるかもしれない」
「オーダーメイド承りますっていう手書きのショップカードを作ろうかな」
「本格的に注文を受けるなら、材料の仕入れの目途が立ってからの方がいい。今度、特殊効果付加アクセサリーの工房に行くだろ?何かヒントがあるかもしれない」
「そっか、そうだよね。せっかくの機会だからと思って欲張っちゃった」
「他にも祭りはあるし、来年も出店すればいい」
そうだ、来年も、再来年も、その先もある。
ナナは、苦手だった出店イベントを楽しむための、記念すべき一歩を踏み出したのだった。
毎日更新しますが、ストックが無くなったので少し更新ペースが落ちます。




