ナナの野望
ナナは、『ドライハーブを魔法で作ろうプロジェクト』のリベンジに向けて、地道に魔法制御の底上げをしていた。
できるだけ家事を魔法でやっちゃうぞ作戦だ。
今までも、風魔法での野菜のみじん切りと庭の草刈り、お風呂を火魔法と水魔法で沸かすのはもちろんの事、あらゆる家事に魔法を使っているが、他にもできる事を着々と増やしている。
・洗濯桶の中に入れた水を風魔法でくるくる回して洗濯する。
・パンの表面に砂糖をまぶして火魔法で焙る。
・うっかり水を入れすぎて薄くなってしまったスープの水を少しだけ抜く。
・コップに直接小さな氷を出す。
・討伐したビッグラズの牙を細く強く出した水のカッターで切断する。←家事ではない。
・ワイルドホワイトターキーより小さめの、ワイルドブラウンターキーの脚を同時に2匹分凍らせる事もできるようになった。←家事ではない。
更には家事だけでなく、ウッドバーニングの要領で、小さな板に火魔法で『ナナの部屋』と書いたプレートを作ったりもした。←New
そして、ナナは思った。
これ、アクセサリー作りにも使えるのでは?
もしかして、ランプワーク(手作りのガラスビーズ作り)とか出来ちゃうんじゃない?
ナナは、チェコガラスビーズが大好きだ。
職人さんの手作りだから、1つ1つ個性があってナナを魅了してやまない。
ナナは、極小のシャルロットビーズから、大ぶりで可愛くないのに可愛い動物のプレスビーズまで、全て愛している。
秘蔵のビーズを、地球に半分くらい置いてきてしまったのは口惜しいが、運よく特別愛着のあるものはキャリーバッグに入れてあったので、かなりの量をへーリオスに持ってきている。
定番品からアンティークやデッドストックまで、チェコガラスビーズとの出会いは一期一会だと思っているので、今までは持っていないビーズを見かけたら迷わず手に入れていた。
でも、もう新たに手に入れる事はできない。
ガラスビーズに並々ならぬ愛着があるナナは、新しいガラスビーズの入手を諦めきれなかった。
手に入らないなら、作ってしまえばいいじゃない。ナナがそう思うのも、無理からぬ事だった。
『メリーローズ』で買ったトンボ硝子のようなガラス玉は素敵だった。
あのガラス玉は、小さいチャームでも銅貨4枚くらいしていたから、ナナ的にはかなり高価だ。
ガラスカレット(硝子の欠片)、手に入らないかな。
ガラスカレットさえ手に入れば、溶かすのは炎魔法でいける気がする。
『メリーローズ』で買ったチャームと同じ材料を卸してくれる所を知りたいけど、作家さんに仕入れ先を聞くのはマナー違反だ。自力で探すしかない。
ガラスを作っている工房で、ガラスカレットを買えないかな。
こちらのガラスは気泡が入っていて、大正時代のアンティークガラスのような風合いだ。
ステンドグラスは滅多に見かけないので、色ガラスの生産は、あまり盛んではないのかもしれない。
でも、無くはないから、どこかに工房はあるだろう。
しばらくは、情報収集かな。
今度、情報通の『メリーローズ』のオーナーさんと噂好きの肉屋のおじさんに聞いてみよう。
最終的には、モモのプレスビーズを作れたらいいなと夢想するナナなのであった。
『ドライハーブを魔法で作ろうプロジェクト』が『モモのプレスビーズを作るぞプロジェクト』に変わりそうです。
誤字報告ありがとうございます
。とても助かります。
これからもよろしくお願いします。




