ミモザのピアスとコウの守り石
今日は大雨の日だったので、冒険者はお休み。
せっかくのお休みなので、ナナは自分用に、普段使いできる気軽でかわいいピアスを作ることにした。
ナナは、ピアスホールが4つ開いている。
でも、へーリオスに渡って来た時は2つしか付けていなかったから、ナナが持っているピアスは2つ。
ナナは、金属アレルギーがあるから、サージカルステンレスかゴールドかプラチナしかつけられない。
今回は、サージカルステンレスに18金をメッキしてあるものを使う。
「スタッドは持ってきたピアスがあるから、フックピアスを作ろうかな」
ナナは、天然石のケースから、丸いハニーカラージェイドを3mm×4つ・4mm×4つ・6mm×2つ、チェコガラスビーズのケースから、小さな葉っぱのプレスビーズを2個取り出した。
アーティスティックワイヤーを10cmほどカットして、真ん中あたりに3mmのハニーカラージェイドを通し、枝のように捩っていく。
ハニーカラージェイドの半分を小枝のように捩りおわったら、最後に小さな葉っぱをつけて、メガネ留めで接続用の輪っかを作る。ミモザのパーツの出来上がり。
両耳用のピアスなので、同じものをもう1つ作って、それぞれに丸カンでピアスフックをつける。
14才に似合う、ミモザのピアスの出来上がり。
簡単だけどかわいい。若草色のチュニックと合わせよう。
町用のアクセサリーなので、特殊効果は付加しない。
道具をしまおうとして、ナナは手を止める。
そうだ、コウ用の守り石を作ろう。
風邪がうつりにくくなるように、けがをしないように。
ナナは、コウに石を選んでもらう事にした。
「コウ、ちょっと来てー」
「はーい」
アトリエの隅っこのラグでモモとゴロゴロしていたコウが、トコトコやってきた。
ちなみにロックは、自室で剣とナイフのお手入れ中だ。
「コウ、この箱の中から、好きな石を選んでくれる?」
「すごいきれいな石いっぱい」
コウは、キラキラした目で、天然石を眺める。
ひとつひとつ手に取って、灯りに透かしたりしている。
「これ、好き」
コウが選んだのは、バイカラーのフローライト。形は丸みのある三角柱だ。
ブルーをベースに、パープルのラインが入って美しい。
「ナナちゃん、こっちも好き」
もう1つは、アパタイト。
艶消しをかけてあって、宇宙から見た地球のような青。小さな丸玉
「どっちにしよう」
両手に乗せて悩むコウ。
「コウ、同じくらい好きなら選ばなくていいよ。両方使うよ」
アパタイトは生育のお守り。フローライトは天才の石。成長中のコウにピッタリだ。
両方の石を1つのTピンに並べる。少しバランスが悪いから、小さな水晶を足す。
Tピンをカットして、先を丸ヤットコで丸めてカンを作る。そこに丸カンをつけて、ペンダントヘッドに加工した。
使っている金属に魔法を使う。
まずは、Tピン。
「防御」
悪い物をコウの体に入れないように、抗体が鉄壁防御している様子をイメージする。
イメージそのままに、免疫アップと念じながら、Tピンに金属魔法を使う。
次は丸カン。
「守護」
大きな衝撃から衝撃吸収材で守られてるコウをイメージする。
イメージそのままに、衝撃からの保護と念じながら、丸カンに金属魔法を使う。
2つの魔法をかけた後、手元のペンダントヘッドがふわっと光った。
いつものように鑑定をかける。
『フローライト・アパタイト・水晶。防御と守護を祈願した守り石。病魔からの保護と衝撃からの保護が付加されている。コウ用』
「この石は、コウを守るよ。お守りだよ」
ナナは、守り石を手のひらに乗せてコウに見せる。
「コウの・・・」
「そう、コウのだよ」
ナナは、守り石を茶色の革紐に通して、コウの首にかけた。
コウは、守り石をぎゅっと握って、もう一度「コウの」と言った。
コウの、潤んだ目と真っ赤なほっぺがとてもかわいくて、ナナの心をドッキューンと撃ち抜く。
「モモ、みて、コウの!」
コウは、にこにこ顔でモモに守り石を見せる。
「コウ、似合うね。モモのも見る?」
「えへへ。モモのもあかくてかわいいね!」
「ロック!ロック!みて!」
コウとモモは、ロックの部屋に走っていく。
「これ、コウの石!みて」
「コウ、良く似合ってるぞ。いいな、俺も欲しい」
「ナナちゃん、ロックいいなって。コウに、いいなっていったよ!ロックもほしいって。ロックのはないの?」
「ロックは、イヤーカフがあるよ。今付けてる藍色の。でも、守り石も作ろう」
「ロック、よかったね。ナナちゃんつくるって」
ロックは、目の前に並ぶコウとモモの頭を、ぐりぐりと撫でた。
「ナナ、ナナの分は作らないのか?」
「ロックのと一緒に作るよ」
「そうか」
ロックは、ナナの耳でゆれるミモザのピアスをそっとさわった。
ミモザのピアス
コウの守り石
コウの守り石を、仕事の空き時間に作ってみました。ミモザのピアスは以前私が自分用に作ったものです。
ナナは、簡単でかわいいアクセサリーを、これからも自分用にちょこちょこ作ります。




