大きな楕円形のドーナツを、二人と一匹で分け合う
ナナの話を聞いた翌朝、ロックは買い物に行こうと言った。
今日は冒険者を休んで、何か美味しいものを二人と一匹で食べようと。
ナナがモモを抱っこして、ロックと並んで歩く。
「ロック、ワイルドホワイトターキーのハムがあるから、サンドイッチ食べたいな!」
「ナナちゃんがこの前作ってくれた、ふわふわの卵。あれたべたい」
モモが小さな声でスクランブルエッグをリクエストする。
「俺もあれ食べたい。サンドイッチにも合いそうだ」
卵を買うのは決定みたいだ。
「卵買うなら、ミルク買ってもいい?久しぶりにフレンチトースト食べたい」
「それは、地球の卵を使った料理か?楽しみだな」
「高いけど蜂蜜買ってもいい?フレンチトーストにかけたら美味しいよ!」
「わかった、買おう。ジャムもあったほうがいいか?」
「ジャム!あったらうれしいけど、いいの?」
「色んなのが少しずつ入ったやつを買おう」
ミルクと蜂蜜とジャムも決定。
「やったー!あれ色々食べられて楽しいよね」
「モモはバターにして!バターたっぷり」
「バター残り少なかったかも!買い足さないと」
バターも決定。
ミルクもバターも少しだけ独特の臭みがあり、地球の物とは少し違うけど美味しい。
卵は生食はできないけど、地球より大き目でうれしい。
蜂蜜はさらっとしていて軽いものと、ドロッと重いものがある。蜂の違いなんだって。ナナは、さらっとしている方が好きだ。
ジャムは砂糖と蜂蜜が入ってる物が多くて、地球の物よりずっと甘い。でもこの背徳感のある甘さが癖になる。罪深い味だ。
「あ、今日ドーナツ屋さん出てるね!」
買い物の帰り道、ものすごく気紛れに出店している、レアなドーナツの屋台が出ていた。
「大きいからみんなで1個でいいな」
「おじさん、蜂蜜とチーズが入ってるドーナツ!お砂糖なしで!」
このドーナツはみんな好きなやつだ。
大きな楕円形のドーナツを、二人と一匹で分け合う。
「モモはカリカリのところが好き」
「私はふわふわの所」
「俺は、はじっこのここが好きだ」
ロックが、楕円のはじっこを指さす。
アツアツをみんなでハフハフ食べながら帰る。
ナナは、地球で14才の中学生だった時に、友達と肉まんを食べながら帰った事を思い出す。
「買い食いはたのしいねぇ」
二人と一匹、にこにこ顔で帰路につくのだった。
食べ物を分け合うと、どうしてあんなに美味しく感じるのでしょうね。




