ナナのアトリエ
夕飯を終えてまったりとお茶みながら、二人と一匹でおしゃべりをする。
ここ最近のナナ達の習慣だ。
そのおしゃべりの最中に、ロックにアトリエを持つことを勧められた。
「ナナは、チキュウの自宅にアトリエを持っていたんだろう?」
「うん。でも、自室兼アトリエだったから、今と同じようなものだよ」
「そうか。まあ、この家は部屋が余ってる。1部屋アトリエにするといい」
「いいの?」
「もちろんだ。もし改装が必要なら、少しずつ作っていかないか?手伝うから」
どうしよう、どうしよう。すごくうれしい。
ナナは、しばらく呆然として、返事ができなかった。
「ナナちゃん、どこ見てるの?まばたき忘れてるよ?だいじょうぶ?」
モモの声に、ナナはハッとする。返事、ロックに返事しないと。
「うれしい。うれしい、ありがとう。ロック」
「ナナの部屋の隣を使えばいい。あそこにはライティングデスクと椅子があるし、吊戸棚もあるからな」
「うん、使わせてもらうね」
「ナナのチキュウのアトリエに、近づけていこう」
ナナの地球にあったアトリエは、6畳の自室の片隅だ。
小学生から使ってる勉強机とカラーボックス3つ分だから、近づくどころか既に超えている。
「うん。ありがとう」
ロック、最初に見栄はってごめん。今更真実は言えないナナであった。
瑞々しくて良い香りが部屋に漂う。
ナナの隣の部屋を見に行ったあと、二人と一匹はいつものテーブルを囲んでお茶を飲んでいた。
ナナが地球から持ってきたフレーバーティーのティーバッグは、特別な時のお楽しみだ。
「ロック、ライティングデスクの脇に、これくらいの四角い棚がほしいな!こんな感じの」
縦長の長方形を書いて、横線で2本引いて漢字の”目”のようなものを書く。
それは、ナナにとってなじみ深い、カラーなボックス。
「わかった。板を買ってきて作ろう」
「あと、紅茶を淹れられる小さいテーブルが欲しいな。作業中にロックとモモがここで一緒にお茶を飲めるように」
「空き部屋にベッドサイドテーブルに使ってたやつがあるはずだ。持ってこよう」
「後は、・・急がなくていいよね、部屋づくりのわくわくを、ゆっくり楽しみたい」
「そうか」
ロックの家に、ナナの居場所が増えていく。
「ロック、私ね」
ナナは、ロックに地球での話をした。
次回は、地球の奈々だった頃のお話です。




