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ぼふんぼふんって感じだった

ナナとモモがロックの家で暮らしはじめて、そろそろ4か月。

ロックのおかげで順調に依頼をこなして、ナナの冒険者生活も様になってきた。


今日もロックとナナのパーティは、冒険者ギルドに来ていた。

もちろんファミリアのモモも一緒だ。


記念すべき50回目の依頼は、せっかくだから特別なやつを受けたい。

数ある依頼の中からロックとナナが選んだ依頼は、お肉が美味だと人気がある期間限定の依頼だ。


『ワイルドホワイトターキー討伐依頼』


激しく繰り出す蹴りが凶悪だけど、お肉がすばらしく美味しい鳥の魔物らしい。

絵姿を見ると、雑食なのに猛禽類スレスレの厳つい顔つきで、ダチョウくらい大きかった。


討伐数は1人1羽で2羽。


ぜひ美味しいお肉をたくさん持ち帰りたい。

大きな鳥肉2羽分は多い気がするけど、肉屋に持って行くとハムやベーコンにもしてくれるらしい。



目的地であるデュシス森林の東側に向う道すがら、みんなで作戦を立てる。


「何とかするのは蹴りだよね、やっぱり脚?脚を燃やしちゃう?」


「いや、ワイルドホワイトターキは、蹴りを繰り出すときに羽ばたいて体を浮かせるんだ。狙うなら羽だな」


「ナナちゃん、脚を凍らせたらダメ?動けなくならない?」


「モモちゃん、多分表面しか凍らないから、すぐ動かせるようになるかも」


「いや、足止めは一瞬でいい。剣に炎を付与してもらって、切りつけながら片方羽を燃やす」




「ナナちゃん、ローリエあった」


「モモちゃん、帰りに採ろうね」


「さっきローズマリーもあった」


「それも採ろう」


小さなウサギっぽい魔物やビッグラズの1/4くらいのミニラズを倒しながら森を進む。

ウサギは、火魔法より水魔法の方が戦闘に向いていると知った。

火だと、お高く売れるウサギの皮が焦げちゃうから。

氷で刺すと皮が破けちゃうし、頭を水で囲うやり方が確実に・・・ゲフンゲフン。


ナナ、たくましく成長してます。



ガサガサ ガサガサガサ


「しっ」

ロックが口の前にひとさし指を立てる。


ガサガサ音のする低木の陰から「ヒャッヒャッヒャッ」という鳴き声が聞こえた。


よく聞くと「ヒャッヒャッ」と「ヒャッヒャッ」2つの鳴き声が重なって「ヒャッヒャッヒャッ」になってる。まさかの輪唱。


低木の後ろから、ワイルドホワイトターキーが2羽が姿を見せた。


「トリ!トリニク!」

モモちゃん目の色が変わった。


「シャハーー!!ンナァァーゴゥ!!(毛逆立て牙むき出し)」

トットットットッ


「モ、モモちゃん!ちょっとちょっと待って」


「ナナ、剣に炎を付与してくれ。終わったら脚に氷。左のやつから」


冷静なロックの指示にナナはハッとして、慌ててロックの剣に炎付与して左のワイルドホワイトターキーの脚を魔法で凍らせた。


ロックの剣がワイルドホワイトターキーの羽を切り裂き、返す刀で首を切る。


ドンッ


振り向くと、もう1羽のワイルドホワイトターキーが、モモに体当たりをしていた。

モモは、大きな木にぶつかり、木の根元に倒れ込んだ。


「モモちゃん!」


ナナが思わすモモに駆けよった。


ロックが剣を構えながら「ナナ、先にもう1匹を片付けよう。まずは安全を確保だ」とナナを諭す。


時間的に剣の炎はまだ大丈夫なので、ナナはワイルドホワイトターキーの脚を魔法で凍らせる。


「ここはいい。モモの所へ行ってやれ」


ナナは、モモに駆けよって抱き上げ、そっと撫でた。


「キーッ!!腹立つ!!」

撫でた瞬間目覚めたモモが、元気に叫んだ。


「モモちゃんモモちゃん!よかった無事だった!」ナナの目に涙がたまる。


振り向いてロックを見ると、2羽目のワイルドホワイトターキーの討伐も終わっていた。




「なんかね、ぼふんぼふんって感じだった」


「ぼふん?」


「ムカつく鳥がぶつかった時と、木に当たった時」


「守り石の守護だろ」


「あ、衝撃吸収材の効果か!ロックは知ってたの?」


「ああ、知ってたというか、ナナの耳飾りつけてから身体強化の効果が目に見えて上がってるから、保護効果も効いてんだろうなと」


「痛くなかったけど、びっくりして気絶しちゃったのが腹立つ!」


「モモ、ナナがOK出す前に飛び出すな。お前はナナのファミリアだろう?」


ロックが諭す。突然飛び出したら危ないもんね。


「だって、だって、いつも作戦にモモだけ入ってないんだもん」


モモがうつむく。


「わかった、それなら次からモモにも作戦に入ってもらう。頑張ってくれよ」


「!!」モモの目がキラリンと輝く。


「よろしく頼むな」


「うん!」



ロックは、本当に強くて優しい。



ナナ達は、帰りながら美味しいものを探す。


「ナナちゃんナナちゃん、それローリエじゃないよ」


「ナナ、似てるけど違う。こっちだ」


「え?違うの?10枚くらい採っちゃったよ」



「肉にはローズマリーだよね」


「そうだな」


「たくさん採ったからドライにしたいけど、干せばいいのかな。面倒くさいな。」


「水魔法で水分抜けないのか?」


ロックの一言に、ナナの目がキラリと輝く。


「干す手間考えると、やってみる価値はあるね」


ナナは、ロックを見て企むようにニヤリと笑う。


ロックがさらりと提案する事は、だいたい有効だ。



森の入り口近くで、小さいリンゴのようなローズヒップのような木の実を見つけたので、少し採っていくことにする。

ナナが鑑定したら、サンザシと出ていた。


かじってみたらビックリするくらい酸っぱかったけど、一応持ち帰ろう。


ナナのサコッシュには、美味しいものがたくさん集まった。



町に着いたら、まずギルドへ達成の報告。証拠の品は嘴。

討伐報酬は銀貨1枚だった。(1人分)


帰り道、肉屋に寄って捌いてもらいがてら1羽分のお肉を買い取ってもらい、もう1羽分のお肉を半分ハムとベーコンへ加工してくれるように頼む。


家から近いパン屋で、バケットを買う。


今日の晩御飯は、ワイルドホワイトターキーのローストだ。


さあ、お家へ帰ろう。

やっと地味チートが登場です。

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