ナナとモモがやってきた(ロック視点)
ロック視点です。
13才の時、ロックは1人になった。
疫病で、両親と兄と3人の弟妹を亡くしたからだ。
ぎゅうぎゅう詰めで住んでいた町はずれの小屋から、今住んでいる家に引っ越してすぐの出来事だった。
あの疫病で家族を失った人は大勢いたから、ロックは自分だけが特別不幸だったとは思ってない。
生き残れただけでも、きっと幸運だったのだろう。
ロックは、12才で冒険者をはじめていたし、両親や兄の貯えもあったから1人でも生きていけた。
だから、ロックに助けは必要なかったし、当然誰にも助けを求めなかった。
むしろ、周囲に助けが必要なもっと小さな子供が沢山いたから、ロックは助ける立場だった。
それが当たり前だと思っていたし、納得していた。
それでも、7人居た家族が自分1人になって、毎日寂しさがロックの心に沁み込んでくる。
自分以外の音がしない、広い家での1人暮らし。
ぎゅうぎゅう詰めの小屋での、家族との賑やかな生活が懐かしかった。
だけど引っ越しは考えなかった。
両親が望んで望んでやっと手に入れた家だったから、ロックはこの家を守りたかった。
今日、ロックの家に、ナナとモモがやってきた。
あんな調子のナナを、放っておけなかったのは本当だけれど、誰かと一緒に暮らしたかったという気持ちも、ロックの中にきっとあった。
ナナは、多分 ロックの家に来たのは緊急避難のように捉えてる。
いつ出て行ってしまうかわからない。
それでも、少しでも長くここにいて欲しくて、食器と布を贈った。
ナナとモモとロックの暮らしがはじまる。
緊急避難どころか、ナナは住む気まんまんです。




