第1限 国父とよばれた高校生
大人だけが消えた世界……
……そしてやがて、学園は国家となる。
※3/10 ノベルピア小説大賞 中間選考 突破!
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※4/21 ノベルピア小説大賞 奨励賞 受賞!
僕は、特別になりたかった。誰もが認める、誰もが知る、特別な存在だ。
だから僕は本が好きだった。伝記でも、歴史ものでも、SFでも、なんでもいい。そのただのインクで、無感情に大量印刷された世界においても、主人公たちは特別だったからだ。彼らのように、主人公のようになりたい。そう、高校生になってもみっともない理想を抱いて生きてきた。
しかし、これだけ生きてきた結果、分かったことは、たったこれだけ。
自分は特別な存在ではない、という事実だけ。
特別な存在にはなれない、という現実だけ。
だけど、僕はあの日、「特別」になった。
そして僕は知っていたはずだ。英雄や偉人たちは、生まれ持った性質だけで成り上がったのではない、と。彼らを特別たらしめるものというのは、環境であり、時代であり、世界であることを。
だが、もし僕を特別にする世界というものが、こんな世界しかないのならば、僕は特別になりたいなどとは思わなかっただろう。
全てはあの日、始まった。あの、冬の日。
あの大人が消えた日。僕は、「国父」となった。
◆西暦2050年、校暦5年。旧・日本。
かつて日本と呼ばれた国の、小さな街に過ぎなかった桐可市。近未来的に発展をしていたはずのこの街は、五年ほど前からその時を止めている。街に人影はなく、車はあちこちで大破していて、コンクリートを突き破った草の姿もある。流れるはずのその時の真ん中で、この街はひどく静かで、もの悲しくただ在るだけ。
いや、訂正しないといけない。街に人影はある。
……人の姿をした、化け物たちが今は街を支配しているのだから。
市を見下ろす山の上にある、私立学園。
僕はそこで、仲間たちと暮らしている。
人間を襲う化け物から身を守るために、僕らは五年前からこの学園という安全圏の中で暮らしているのだ。
「会長」
「ん?」
そう呼ばれ、僕は窓の外から視線を外した。
振り返ると、僕と同じ黒い制服を着た生徒たち─と言っても、僕も含めみんな20歳を超えている─が数人、会議室の円卓を囲んでいる。みんなそれぞれ、左腕には違う腕章を付けている。「風紀」に、「環境」「図書」「選挙管理」それに「校外」。刺繍された腕章の文字は様々。その刺繍された文字は、彼らの所属する委員会を示している。委員の中でも、彼らは学園の各委員会を代表した委員長たちだ。
僕らは日本の……いや『世界中の大人が化け物になった』あの日から、学園としてまとまり、秩序を維持してきた。その秩序維持を実行してきたのが、彼ら委員長と、各種委員会だ。
「会長、会議を始めましょう」
「あぁ、始めようか」
そして僕が、今では一部の者から【政徒会】なんて呼ばれる学園の統治組織のリーダー……政徒会長をしている。
大人がみんな人喰いの化け物になってしまったあの日から、僕はみんなを守ろうと必死だ。世界は子供だけになり、崩壊寸前だった秩序を取り戻すため、僕は生徒会長の務めとして学園をまとめようと努めた。
水も電気も途絶え、食糧はなく、おまけに学園の外にはゾンビのような化け物になった大人たち。
僕は《風紀委員会》を警察組織として作り直し、化け物と戦い物資確保を行う《校外委員会》を創設し、経済を作るため通貨を発行して、食糧問題を根本から解決するために近くの農業高校を保護した。
僕の【政徒会】と、彼ら委員会が、今は学園という国家を運営する……言わば内閣と省庁だ。
「まずは《風紀委員会》から、よろしいですか」
「あぁ」
「どうも」
各種委員会をまとめあげる【生徒会】が、各委員長から意見を聞いたり、議題に対して採決を取るこの政徒会及び全委員会会議「生徒評議会」の口火を開いたのは、ボーイッシュな髪型をしたクールな女子生徒、後輩の伊予さんだ。彼女には現在の学園の警察組織である《風紀委員会》を任せている。
「ではさっそく」
彼女は立ち上がり、咳払いをしてから、手元にあるコピー用紙に目を通した。
「……大之谷高校に派遣された、我が校の《風紀委員会》の委員が、暴行を受けるという事件が多発しています」
「……例の?」
「えぇ」
僕は背もたれから背を離し、両腕の肘を突いて口元で指を交差させ、そこに顎を置く。
大之谷高校は、僕ら桐可学園が食糧の生産地として保護している農業高校だ。桐可学園は食糧……米や野菜、肉などの確保を大之谷高校からの輸入に依存している。
僕は政徒会長として、《校外委員会》という軍事組織と、《風紀委員会》という警察組織を、大之谷高校を化け物と秩序崩壊から守るために配備し、それら防衛力と引き換えに食糧を譲ってもらう約束をした。つまり「僕らが守ってやるから、お前らは食糧を分けてくれ」というような約束をしたのだ。
これが、一部の大之谷生には屈辱的に映るのだろう。
加えてうちの新聞部が大之谷高校を「桐可学園の植民地」と書く問題も起きてしまい、それを知った大之谷生が桐可学園を敵視するという状況だ。
たしかに、僕が《校外委員会》という銃や車両で武装した軍隊で、大之谷農業高校を脅している部分はある。なにせ、桐可学園は食糧と交換できるようなものを生産できていない。「武器を分けてやればいい」なんて意見もあったが、僕はこの意見を有り得ないと棄却した。
僕ら桐可学園のアドバンテージは、強い軍隊をもっていることだ。もし大之谷高校も武装し、自衛できるようになれば、桐可学園は不必要になり、食糧が手に入らなくなる。だから僕は大之谷高校に武器を供給できないし、風紀委員と校外委員の配備をやめることもできない。
「……分かった。僕の方で、向こうの生徒会に意見しておく。それと派遣する風紀委員を増やしても構わないよ。暴行した生徒もちゃんと取り締まって構わない。無秩序を放置しないで」
「分かりました。ありがとうございます、会長」
大之谷高校のレジスタンス運動……のようなものには早く対処しないといけないが、あまり刺激するわけにもいかない。
状況がひどくなれば、僕はもっと非情な決断をしないといけなくなるだろう。
「次は《災害対策委員会》からよろしいですか?」
僕から離れた席にいた別の女子生徒が手を挙げたので、掌で発言を許可する。起立した彼女が「食糧について──」と、口を開いた、その時
バタン!
と会議室の扉が勢いよく開かれた。
「……どちら様かな」
僕の問いに、突然の来訪者である女子生徒は答えない。乱れた制服に、長い髪で隠れる表情。彼女はふらふらと会議室に入って来た。
「……か……ぇ」
何かをぶつぶつと呟いている。不気味な彼女に、そばにいた災害対策委員会の委員長が声を掛けようとした。
「……あ、あのぉ……」
「……かえせ……返せぇっ‼」
バッと顔を上げたその女子は、「返せ」と叫び、懐からカッターナイフを取り出し、走り出した。
「きゃー!」
委員長たちは椅子から立ち上がり、女子たちは悲鳴を上げる。
襲撃者の鋭い眼光は僕を睨みつけていて、握られたカッターナイフの使命はどうやら僕を殺すことのようだ。彼女は長く出したカッターの刃を構えて、僕に迫ってくる。円卓を回るようにして、すごい勢いだ。
「会長!」
「会長! 逃げてください!」
まぁ、普通は逃げるだろうが。
「……謀反は許しませんよ」
少し遅れて、《風紀委員会》委員長・伊予さんが立ち上がり、カッターナイフを持つ半狂乱状態の女を睨みつける。
「どぉけぇ!」
女はカッターナイフを振り上げ、狭い通路を塞ぐ伊予さんに襲い掛かる。
だが、残念ながら相手が悪いようだ。
「ふっ」
短く息を吐いた伊予さんは姿勢を低くし、女の懐に高速で潜り込む。大して鍛えていない女の大振りなど、伊予さんの前では虫以下だろう。伊予さんはそのまま小さく拳を引き、そして、女の腹に向けて硬い拳を打ち出した。
腹部に打撃を食らった女は、「がっ……ぁ」と体から空気を全て強制的に排出される。
伊予さんは校内の治安を守護する警察組織《風紀委員会》の委員長であり、空手部部長であり、大会でも活躍していた生徒だ。この会議の場においては、最高のボディガードである。
カッター女は大振りの体勢のまま衝撃に硬直し、手元から得物を床へ落とした。遅れてよろよろと後退りし、腹を押さえて床へ苦しそうに蹲る。
「…がっ…ぁ…はっ、はっ…ぐぅ」
嗚咽しながら、女は顔を上げた。
僕を睨むその顔からはまだ、僕への殺意は消えていない。その殺意に顔が歪み、憎悪で目が血走り、憤怒で歯ぎしりが鳴る。
「……か、返せ……」
「……何を」
その顔を会長席から見下ろしながら聞き返す。
泥棒をした覚えはない。
「……駿介……駿介を、返せぇ……!」
「……駿……介」
残念ながら、心当たりはない。
「……誰のことかな」
「き、貴様ぁぁっ!」
なぜか激昂した女は、そばにあったカッターナイフに再び手を伸ばそうとする。しかし、治安維持部隊を取りまとめる筆頭を前に、それは許されず、カッターナイフは伊予さんに踏みつけられた。
「大人しくしろ」
伊予さんは胸ポケットからホイッスルを取り出し、ピーと一度長く吹く。これは全ての風紀委員が携帯する笛で、鳴らされた場所に付近の風紀委員が駆け付けることになる。
「……どうしました?!」
すぐさま会議室に「風紀」の腕章をした男子の委員数名が到着した。手には自衛隊の基地から拝借し、【政徒会】から《風紀委員会》に与えた拳銃が握られている。
彼らに委員長の伊予さんから説明がある。
「会長が襲われた。学園憲章違反および、校法違反だ。連行、拘禁しなさい」
「は、はい!」
校内での暴力行為は固く禁じられている。学園から一歩出れば、人喰いの化け物が跋扈しているというのに、人間同士で殴り合うなど愚かだ。今は学園が、生徒が一致団結しなければいけない。
風紀委員たちは、腹を押さえる女の襲撃者を拘束した。だが女は大人しくお縄には付かない。
「殺す! 殺してやる! 人殺し! お前が、お前が死ねばよかったんだ! 駿介を返せ! この人殺し!」
二人の風紀委員に両脇を押さえられた女が、髪を振り乱しながら僕に吠える。その言葉で、彼女の言う意味が分かった。彼女はおそらく、《校外委員会》に務める恋人を失ったのだろう。
《校外委員会》は、文字通り校外で活動する組織だ。
第一の目的は、世界を我が物顔で歩く人喰いの化け物から学園を護ること。
第二の目的は、そんな外の世界に武器を持って飛び出し、食糧や資源を回収することだ。この『校外出動』は、回数を重ねる度に近場の資源を消費していくため、世界滅亡から五年も経てば、かなり離れた場所へ赴かねばならなくなった。もちろん、人肉を食らう怪力の化け物がいる校外世界は危険だらけで、いくら《校外委員会》が小銃や機関銃で武装しているとはいえ、犠牲は付き物だ。
その犠牲が、前回の『校外出動』では彼女の恋人だったのだろう。その怒りを、現在の学園の総指揮者である政徒会長兼校外委員会委員長である僕にぶつけに来たのだ。
「……許さないぞ、許さない! お前は……お前は人殺しだ!」
「黙ってこっちに来い!」
「暴れるな! 連行する!」
風紀委員に引き摺られて、女は会議室から出ていった。嵐が過ぎ去り、会議室は静寂に包まれる。
僕はパンッと手を叩き、「今日は解散しようか」と提案した。
「……こんなことがあったんじゃ、ね? 何か生徒会に意見があれば書類でいいから」
「……はい」「わかりました」「では……」
今回の生徒評議会は中止となり、書類をファイルに仕舞った委員長から会議室を退出していく。伊予さんには特別にお礼を伝えてから帰ってもらい、最後に残ったのは、生徒会長である僕と、眼鏡の男子生徒だけだ。
彼は政徒会副会長と、《環境委員会》委員長をしている甲斐だ。甲斐は「感情と眼鏡が連動している」ことで有名な、真面目な僕の同級生だ。人類最後の安全圏である学園を取り仕切る生徒会長の右腕として、彼はよく働いてくれる。
「彼女は、校外委員の……」
甲斐も気付いたのか、そう座ったまま呟いた。かなり動揺していたのか、眼鏡が鼻を支点に大傾斜している。
「あぁ、そうだろうね。まぁ、僕が殺したのは間違いじゃないさ」
「そんな! 会長は……!」
彼は何か反論してくれそうだったが、僕の顔を見てまた黙ってしまった。そんなに酷い顔をしているだろうか。
「……会長は、みんなのために……」
「……みんな……みんな、ね。そうだな」
学園は人類最後の砦だ。
壁に囲われたこの小さな敷地内だけでしか、僕らは安心して眠ることができない。学園の敷地を囲う壁を一歩出れば、そこは地獄だ。理性を失った人間が、人間を食い散らかしている。
化け物から学園を守るには《校外委員会》という軍隊を創設し、武力をもって奴らを撃退する他ない。同委員にはそれなりの報酬を支払っているが、彼らが賭けるのはその命だ。
僕は「みんなを護る」と言って、希望という旗を振るリーダー、そして生徒会長として、みんなに信任されて学園を指導してきた。だが、どうしても「みんな」から溢れてしまう人がいる。
一生大切に持っていようと、綺麗な砂を両手に湛えていても、気付かない内に、指の隙間からさらさらと落ちていくように。
僕は怖い。いつか、その砂が数えられるほどになって、さらには自分からその砂を振り払うときが来るのではないかと。
甲斐が資料を片すのを待っていると、開かれた扉がコンコンと叩かれた。視線を入り口に向けると、体格のいい男子生徒が姿勢を正して気を付けしている。左腕には「風紀」と書かれた腕章がある。風紀委員だ。
「会長、お迎えにあがりました。お部屋まで同行いたします」
「伊予さんの命令?」
「はい。委員長が、『万が一に備えて』、と」
命を狙われるなんて事件があったから、《風紀委員会》の委員長である伊予さんが気を使ってくれたようだ。わざわざこの会議室から、政徒会室まで移動するのに護衛が付くらしい。まるでVIPだ。
僕は甲斐に視線を戻したが、彼は「お先にどうぞ」と言ってくれる。僕も疲れているので、お言葉に甘えて先に上がらせてもらおう。
「悪いね。今日はありがとう」
「いえ、会長もお疲れ様でした。おやすみなさい」
「ああ」
「どうぞ」と護衛君が道を譲ってくれる。
僕は会議室を出た。辺りはすっかり暗い。
桐可学園の新校舎は「ロ」の字型の造りをしていて、会議室のある三階のここからはウッドデッキと呼ばれる中庭スペースが、廊下の窓越しに見下ろせる。五年前までは…あの人類文明崩壊の日までは、ランチや放課後の勉強会で賑わっていたウッドデッキだが、今ではそんな明るい賑わいを見せることはない。電気がないため焚かれた篝火に照らされたウッドデッキにいるのは、一日の仕事を終えた男たちだけ。水で薄められた、量のない酒をちびちびと口に含んでは、味もないそれを時間を掛けて飲み込んでいる。
「会長」
「あぁ、悪い」
もう見慣れた光景からは目を逸らし、僕は生徒会室へ護衛を伴って帰った。
「風紀委員が交代制で生徒会室をお守りしますので、ごゆっくりお休み下さい」
「わざわざそんな……」
「いえ、学園は会長を失うわけにはいかないのです。貴方は『最後の人類』の指導者……英雄なのです。どうか守らせて下さい」
「……そうか。なら夜トイレに行くのも怖いからついてきてくれるかな」
「ええ! お任せ下さい」
僕の冗談に、風紀委員の彼はドンと胸を叩いた。彼に「ありがとう」とだけ伝えて、僕は政徒会室の扉をゆっくりと閉める。
生徒会室は、アンティークな家具で揃えられた雰囲気のいい部屋だ。天井まで届く本棚や、会議用のソファとコーヒーテーブル。そして入り口の反対側の壁は大きな出窓になっていて、それに背を向けるように僕の会長席がある。
僕は木製のスタンドハンガーに黒いブレザーと「生徒会長」の腕章を掛けて、蝋燭に火も着けず、出窓から夜空を見上げた。
真っ暗な空と、浮かぶ欠けた月。星はひとつも無くて、月はまるで大海に漂う小さな小舟のようだ。
僕はその闇に浮かぶ月と、崩壊世界で必死に生きる学園を重ねてしまう。学園と、化け物の蔓延る下界を隔てるのは、薄い壁一枚なのだ。
「新月にはなってくれるなよ」
出窓の床板に腰掛けて、僕は月に呟いた。勝手に動いた口元に、ふふ、と僕は笑う。
アメリカの詩人カール・サンドバーグ曰く、
『月は寂しい人が話しかけるための友達だ』
である。
「……」
──人殺し!
──英雄なのです
今日僕に飛んできた言葉が、脳内で木霊する。
人殺し。英雄。
「……僕は、どっちなんだ」
誰もいない真っ暗な部屋での独り言に、答えは返ってこない。
大人が化け物になった世界。
唯一の安全圏となった学園。
そんな世界で、僕はみんなを守ろうとした。
警察と軍隊を組織し、通貨を発行し、法律を制定し、食糧の生産地を確保し、秩序を保ち、学園をまるで国家のような安定した社会として機能するように変革した。
その過程で、僕は決断を繰り返し、それによって誰かが死ぬこともあった。
でも僕は……
──人殺し!
──会長……助け……!
──死にたくない!
──大好きでしたよ
「ぐっ」
変なことを考えたせいか、耳元でたくさんの人の声がした。今まで僕が犠牲にしてきた者たちの声が、僕の頭を締め付ける。
頭痛に我慢できなくなり、手探りで引き出しから薬の入った小瓶を取り出す。まだ僕が校外出動に参加していた頃、医薬品の収集に病院へ向かったときに、みんなに内緒で持ち帰った精神安定剤だ。
正しい用量など分からないし、とにかく辛いので適当に数粒、手に取って口に放る。水もなしに、乾いた喉に無理やりそれらを流し込んだ。
「はっ……はっ……はぁ……」
徐々に薬が効いてきたのか、僕を責める声たちは静かになっていった。
僕は、英雄になりたかった。
だがもし、それが叶う舞台がこんな世界しかないならば、僕は英雄になるなんて望まない。
「僕は……いつまで悪者になればいいんだ……」
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西暦2045年。
唐突に世界は終末を迎えた。大人たちが理性のない化け物となり、子供たちはその化け物に喰い殺される世界。
しかし、日本にいた一人の高校生が、自身の学園と生徒たちを守り、人類の種を存続させ続けた。
学園はやがて国家……【校国】となった。
そして、後世の人々は彼をこう称える。
……『国父』、と……
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【あとがき】
読んでくれて本当に、本当にありがとうございます。
「少しダークな話が好き」な方や、「建国」「終末」「内政」「ミリタリー」などの言葉にピンとくる方は楽しんでいただけると思います。
ご感想等いただければ、読者であるあなた様の存在をより感じることができ、とても励みになります。また、たいへん有難いことに少々忙しい日々を過ごしており、不定期更新となりますので、本作が少しでもお気に召した方は、[ブックマーク]等々もしてくれると嬉しいです。