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6.覚醒ー16

 「離せっ!何だお前らは!」ノジマは左右に首を振りながら暗闇の中喚いた。すると体が回り、地面に投げ出される。

 こめかみを強かに打つ。痛みに耐えながら体を起こす。暗闇の中に幾人かの人影が薄らと浮かび上がってきた。


 「こいつ、目がよく見えてないみたいだな」男の誰かが言った。

 「ならいい。放っておけ」別の男が応答する。


 赤い灯りが視界の端に映ってきた。目を瞬かせてみるとどうやら燻っている火らしい。そこでやっとノジマは、強い光に当たったせいで目が暗転していたことに気が付いた。


 徐々に視界が明瞭になってくる。すると目の前にいる男達が鎧武者であると分かった。どうやら小隊らしく人数は多くない。

 「さっきまでの天災が本当にこいつらなのか?」

 「見てただろ。ついさっきまでこいつらが飛んだり跳ねたりしてたろ。それにこの、こいつが言うには飛行するネフィルが一緒だったらしいし、ビンゴだろ」

 甲冑の擦れる音がする。「いてぇよ、叩くなって」

 「まさか人災だったとはな」一人がぼそりと言う。「こんな子どもなのに」


 明るくなってきた視界に、検分するように中腰になっている兵士達が映った。その足元に赤い、倒れている人の姿がある。ノジマはその赤さに目を見開く。

 エミだ。エミの浴衣だ。その裾から見える脚はぴくりとも動かない。そのことにノジマは抉られるような痛みを覚えた。


 「しかし、見張り台から撤退するまでに収束するなんてな。早すぎねぇか」

 「いいじゃねぇか。こいつら持って帰れば追加報酬もあるだろうし」

 その、一人の発言にノジマは反応した。駄目だ。何としても─。ノジマは懐に手を入れた。


 草臥れた紺のジャケットの下、ホルダーに納めていた拳銃を引き抜く。慣れた手つきで安全装置を外し撃鉄を上げた。迷わず引き金を引く。

 拳銃が火を吹き、弾丸が地面をはじいた。その音に鎧武者達が一斉にノジマの方に振り返った。直ぐ様銃口を向ける。

 「全員、刀を置いて大人しく下がれ!」

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