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転生学園  作者: Kuroto
第一章
7/25

休憩時間と猫

『えーこれから二時間ほど休憩です。その間学園の外に出てもいいですが時間内にはここに戻ってきてください』


アナウンスが鳴りタツヤとヒビキの所へ行き時間を潰す。特に理由などはないが、とりあえずという意味で集まるのはいつもの事だ。


「ねぇねぇツキトとヒビキってどんなスキルだった?」


俺、タツヤ、ヒビキが集まって直ぐに聞くことと言えばまぁそうだろう。いきなり始まった試合で、ここにいる全員が、先程見たような現実離れした能力スキルを持っているのだから。

ただ、いくらタツヤやヒビキだとしてもあまり自分の手の内を明かすようなことは極力したくはない。嘘をつくという選択肢もあるが、親友に嘘をついてまで隠すことでもない気もする。しかも、トーナメントを勝ち抜いて行けばいずれこの二人のどちらかとは戦うことになるかもしれないし、そうした場合相手のスキルを知っているか知らないかでは、試合の勝敗に大きく関わってくる。


「いや、あえて知らない方が面白くね?戦う前に知ってたらつまんないじゃん」


「そうかなぁ~ツキトは、どう思う?知りたくない?」


「…………」


「ツキト~?」


「え?あぁそっちの方が面白いかもな」


俺は、完全に上の空で話を聞いていた。というか途中からほとんど聞いていなかった。どうしても気になってしまい色々と考えてしまう。


「何?さっきの子が好きなの?」


「うん……あっいや!べっべつに……」


「へぇーそうなんだ」


ヒビキはニヤニヤしながらしつこく聞いてくる。ヒビキは、こういうことに鋭すぎるほど勘がいいのだ。


あれこれ言いつつも、図星なのは誰から見ても直ぐに分かるるほど、俺は分かりやすかった。さっきの対戦相手ハクアに完全に一目惚れをして、しかも自分のアカウント名もばれたのだ。現実で自分の使っているアカウント名で話しかけられると死ぬほど恥ずかしくなるのは、仕方がないだろう。


『……優勝したら……教えてあげる……』


どういう意味なのか、ましてや何故初対面の彼女が自分のアカウント名を知っていたのか、スキルの効果なのかと、色々と気になることが多いが、何よりもあの妖精のような顔が頭から離れない。


(ハクアかぁ……可愛いかったなぁ)


「なぁ腹へったし何か食べいかない?」


「そうだな……学園の外に行っても良いらしいし、外を見てみたいかな」


「じゃあ、どこ行く?」


「とりあえず歩きながら考えようぜ」


ディバイスで調べながらこの世界の街を歩く。この世界に来てから初めて歩く街は、ビル等は無いがしっかりとした飲食店や衣服を扱うお店等のもとの世界にもあったものが在る中武器や防具を扱うお店魔法関連の店など異世界らしいみせが混ざっていて歩くだけでも十分に異世界らしさが感じられる。歩いているうちに、渋い感じの喫茶店があり時間的にもちょうど良い距離にあるので入ってみる。


ダークブラウンの木製で出来た内装が店の雰囲気とあっていてお洒落に見えるが、あまり人が居なく、いや実際に誰もいないので適当なテーブルに座りメニューを見る。


(どれどれ……へぇあまり日本の価格と変わんないのな)


ドリンクは、コーヒーからジュースまで、パンケーキなどのスイーツからビーフシチューなどのランチなどかなり幅のあるメニューだ。ただ、あまりお腹が空いていないのと、甘いものが食べたいという理由でデザートを頼む。


「俺はイチゴのパフェにするけど?」


「じゃあ僕チーズハンバーグ」


「ん~俺はトンカツ定食でいいや」


「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」


マスターにしては三十歳手前の背の高い人が絶妙なタイミングで来てくれた。


注文を済ませてマスターがカウンターに行ったらヒビキが話し始める。


「気になる女の子いた?」


「ツキトは、ハクアって子でしょ?」


「はいはいそーですよ。で?ヒビキとタツヤは気になる人いたの?」


そんな話をしていたらものの数分で注文していた物が届いた。異世界で食べた

パフェは、イチゴがとても甘くそれでいて酸味とも相まってとても美味しい。クリームも甘いがしつこくなく、いくらでも食べれそうだ。普段ファミレスで食べる物よりも比べるまでもなくとても美味しかった。


「そろそろ時間だし戻るか」


「そうだな」


「ちょっと待って!まだ食べ終わってないから!」


タツヤが食べ終わったのを見て、会計をしてコロシアムに戻る。来た道を戻っている時に、建物と建物の間の小道にある動物がいた事に俺だけが気づいた。


(猫?)


普通は、猫がいても何もおかしくはないのだが、この時何故かその猫に言葉では表せない何かを感じた。その白い猫に近づこうとするが。


「早くいかないと遅れるぞ」


「あ……うん」


ヒビキに止められて、先に進んでいたヒビキとタツヤに追い付く。なにかわからないが、その違和感を頭の隅に押しこんだ。


その猫はじっとツキトが見えなくなるまで見つめていた。






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