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転生学園  作者: Kuroto
第一章
22/25

魔導二丁拳銃【ルミナスヴァルツァー】

学園での授業が無い休みの日に俺とハクアは、地下に存在する訓練場に来ていた。

訓練場は、学園のあらゆる場所に存在していてこの地下の訓練場とその中のひとつだ。

ソル先生に頼んで借りたこの地下訓練場通称《魔導実練場》に来ていた。

この施設はソル先生が管理を担当していて特別にいつでも自由に使っていいとのことだった。ただし、


「何か面白いことでも発見したり考えついたらそこで実験してたまに俺に見せにこい。くくっお前は面白いことを考えたくから楽しみにしてるぜ」


不敵な笑みを浮かばせていのを思い出すとあの人の頭には魔導学の事しかないんだと再認識した。


なぜ他の練習場ではなくここに来たかというと、

練習場にはその場所によって用途が異なっていてここは主に魔導関連の実験と練習、そして実戦訓練に特化した訓練場なのだ。ソル先生曰く、魔導を極めていく上での効果的な練習方法は実戦と実験の繰り返しらしい。


「魔導学はその全てにおいて《覚える》《使える》は当たり前だ。そこから息をする様に自然と《扱う》事ができるようになって初めて修得したと言える。だから極めるためには戦闘の中で使っていくしかねぇ」


本当ならソル先生にも来て欲しいかったので誘ってはみたのだが。


「生憎と俺は忙しくてな、まぁ暇があったら相手してやるよ」


と断られてしまった。どが暇が有ればって言っていたしそれまでにソル先生の驚くようなものを考えながら気長に待っていよう。


「よし、じゃ試し撃ちでもしてみるか!」


「うん・・・!」


今回《魔導実練場》にきた理由は二つ。

一つはハクアと俺の武器を試してみるため。

もう一つは魔法を使ってみるためだ。

日々授業で勉強している魔導の中の一つ《魔術》体内で魔力を必要分集め《呪文》によって集めた魔力を変化させるという魔導の中で四つある基礎魔導の一つだ。

基礎魔導には、《錬金術》《付与術》《結界術》がある。

そして、俺がソル先生に習っている《魔方陣構築式魔法》と《刻印魔導》はこの基礎魔導には分類されず《特殊式魔導》という分類に入る。これは基礎魔導を組み合わせることによって扱える魔導の応用編のようなものだ。そこにスキルや個人の特殊技能が加わると《固有魔導》【ユニーク】と呼ばれるらしい。

《刻印魔導》は魔術の上位魔導に当たる《魔法》に《錬金術》を組み合わせたものが《刻印魔導》である。物質に魔法による《現実改変》の効果を刻み込むことで特殊な力を秘めた物質を生み出す魔導だ。

《魔法陣構築式魔法》は、《魔法》と《結界術》そして《付与術》を組み合わせ瞬間的に複雑で大規模な魔法を使えたり、魔法の効果をあらゆるものに付与することができる。

このように《特殊式魔導》はいくつかの魔導の組み合わせでできている。


ハクアに作った二丁拳銃【ルミナスヴァルツァー】には覚えたての《魔法陣構築式魔法》と《刻印魔導》を組み込んで作ってある。

今回はその試し撃ちと実用テスト、そして使い慣れるための練習をしにきたのだ。


「よし、じゃあハクアあの的に向かって撃ってみてくれ」


《魔導実練場》は、様々な機能があり空中に浮遊する的や動く的さらに新人戦の時のダメージ無効化など実戦訓練から魔導の練習まで幅広く活用できる。

そこらへんの操作方法はソル先生から一通り教わっているのでなんなく使える。

キーボード状の操作パネルを使い操作する。

すると空中には射撃練習用の的が出現する。


「わかった、やってみる」


3メートルほど離れた場所からハクアが【ルミナスヴァルツァー】のを構える。まっすぐと腕を伸ばし的の中心を狙いその引き金を引く。

バン!

軽い破裂音と共に弾丸が放たれる。

弾丸は真っ直ぐに的の中心を打ち抜いた。


「よし!使った感じはいいみたいだな」


「すっすごい・・・!」


ツキトは自作の武器の仕上がりが良かったことを喜んでいるが、的を正確に打ち抜いたハクア本人は驚愕していた。

通常は銃を撃つとその反動に耐えなければならず素人さらには非力な少女が片腕で打った場合その反動に耐えきれず銃が手から飛んで行ったりするのが普通だ。もしもその反動に耐えられたとしても、的を正確に狙い撃つなんてできるわけがない。

いくらゲームでの射撃能力が高いからと言ってもそれはゲーム内だけのはずだ。なのにハクアが放った弾丸は狙い通り的のど真ん中を正確に打ち抜いている。


「ツキトこれ」


「ああ、そいつは打った弾丸にある程度の指向性を持たせることができるんだよ」


新人戦で見たヒビキの自由自在に放った矢を操作する能力。そこからヒントを得たツキトは、スキル《万象操作》を《魔法陣構築式魔導》と《刻印魔導》の2つを使うことで本来なら不可能なスキルの付与を可能にしたのだ。《刻印魔導》でスキルを保持できる特殊な鉱石を創り出し、そこに《魔法陣構築式魔導》による定着、固定を行ったのだ。元になる素材がオリハルコンだったためとツキトのユニークスキル《創造》があって初めて可能となったツキトの【固有魔導】だ。


「まぁヒビキの矢みたいに自由自在とまではいかないだろうが、エイムアシストの強力版みたいなもんだと考えてくれ。もしかしたらハクアならヒビキの矢みたいにできるかもしれないぞ?」


「わかった・・・!ツキトの想像を超えるぐら上手になる!」


「そうか!なら練習あるのみだな!」


そういうと、ツキトは空中に無数の的を出現させる。しかも今度は漂うだけではなく複雑かつ不規則的に動く的まで追加されていた。


ツキトが私の、私だけのために作ってくれた専用武器。それをただ上手に扱えるだけじゃツキトにとって申し訳ない。

だってツキトはこの武器を創り出した本人だ。今の状態じゃ私が使うよりツキト自身の方が上手く扱うだろう。


(なら、ハクアの全身全力を持ってこの子を極める!)


それが、ツキトに対する愛と感謝のお返しになると信じてハクアは無数に漂う的に向かってその引き金を引いた。


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