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転生学園  作者: Kuroto
第一章
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中間試験

 部屋に戻ってからもハクアの柔らかい唇や能がとろけると思うほど濃厚なキスが忘れられずにいた。ハクアのお陰で、楽しく少しいやかなり刺激的な一日を送れた。ここ最近は、なかなか完成しない合金や武器の事で一杯一杯でまとまらなかった思考が、デートという刺激的な気分転換のお陰で嘘みたいに思考がクリアになっている。


「よし……やるか!」


デスクに向かい、備え付けられているスタンドライトを付ける。そして武器のイメージを固めるために用紙を広げ、設計図を描いていく。調子は最高潮でアイディアも悩んでいたのが嘘みたいに湧き出てくる。


(創り上げてやる……最高の武器を……!)


これまで、小説を書く上で培われてきた想像力やアニメ、ライトノベルそして、この世界で手に入れた情報を元にオリジナルの武器を創造していく。ツキトの体からは黒色の魔力が【創造】を使用する度にほとばしる。


 時間を忘れるほど深く集中していたのか、気がつくと朝になっていた。ツキトの目には深い隈が出来ている。


「で……出来た~!」


デスクの上には先程完成した俺とハクア専用の武器が並べられている。完成した事に満足すると、一気に眠気が襲ってくる。一眠りしようかと時間を確認すると。


「はぁ!?もうそんな時間なのか!?」


慌ててシャワーを浴びて着替えを素早く済ませると、急いで教室へ向かう。この時間では朝ごはんを食べる時間なんて無い。




「なんとか間に合った……!」


「間に合ったではではありません!」


部屋から教室までダッシュしたお陰か、チャイムが鳴り終わると同時に教室に入った俺をを待っていたのはリリナの説教だった。


「皆さんは五分前には教室に居たんですからね?」


「いや~でもギリギリセーフってことで……」


「全く……次から気をつけてくださいね!」


「はい……すいませんでした」


俺が席に着くのをみると、リリナはこほんと咳払いすると話始める。


「さて、皆さんがこの学園に入学してから一月程がたちましたが今日から一ヶ月後に中間試験が始まります。試験内容についてですが、学園の地下に広がるダンジョンで皆さんに攻略をしてもらいます」


要約すると、中間考察のようなもので、一番最初の授業の時にやったフェンリル等との戦闘訓練ではなく、大迷宮ダンジョンに二人一組で入り試験管が指示した階層までの到達するというものだ。


「では、期日までにパートナーを決めておくように。もし期日までにパートナー申請をしていなかった人はこちらで勝手にパートナーを作らせていただくので、気を付けてくださね。それでは、連絡を終わります」


それから、午前授業を終えて昼休み時間。俺は、学食を食べながらハクアと中間試験の事について話し合っていた。


「ハクア、俺とコンビ組んでくれるか?」


「もちのロン」


「そっか、サンキュー」


それから、特になにも話しもせずに黙々と昼食のラーメンを食べる。ちなみにツキトもハクアも醤油ラーメンだ。コクのきいたスープと麺が絶妙に絡み合い、良く食べていたカップラーメンとは比較にならない美味しさだ。下手な店のラーメンよりも美味しい気がする。俺のいた高校の学食は、高くて量が少ないとなかなか食べようと思わないもので、美味しくて安いというのが学食の良さだとしみじみと思う。


麺をすすりながら、思うのは最近というか普段から俺もハクアも口数が少ないせいなのか、二人っきりの時でも会話が続かなかったりするのだ。まぁハクアと同じ空間に居るだけでも満足しているからいいのだが、ハクアは退屈していないか時々気になってしまう。


(まぁ気にしても仕方ないか)


「ハクア」


「うん?」


中間試験まで一ヶ月しかないのだから、それまでに、ハクアに武器を使いこなしてもらうために訓練する必要があるだろう。俺も武器は創っただけで、まだまともに使えるか不安だから、早く渡しておくに越したことはないだろう。


「授業が終わった後俺の部屋に来てくれないか?」


そうハクアに告げたとたんにハクアの顔は、ボンと爆発したように真っ赤になる。


「どっどうした?熱でもあるのか?」


「……(ふるふる)」


ハクアは、首を横に振りつつもその顔は林檎のように赤く染まっている。やっと完成した武器を早く渡したいのは、やまやまだが別に急ぎでもない。


「体調が悪いなら別の日にでも……」


と、言いかけた瞬間にお互いの鼻が触れ合うまでの距離まで顔を近づけたハクアは、その宝石のような瞳に熱を灯しながら上目遣いのまま。


「絶対に……何があっても……いく……!」


「おっおう……」


その圧力に唖然としていると、一層顔を赤くしながらハクアは先に行ってしまった。


「どうしたんだ?」


取り残された俺は、小走りで去っていくハクアの方を見つめて呆然としているところに、ヒビキとタツヤがなんというタイミングで通りかかった。


「どうしたの?痴話喧嘩?」


「喧嘩したの?」


「いや……分からない……」


とりあえず残ったラーメンを片付けるために、頭に?を浮かべながら麺を啜った。



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