行き詰まりの先に
忘れていた訳でわないんです。
ネタが無い訳でわないんです。
他のプロットとか作品とか書いてたらそっちに頭が行っていたんです。
許してください。
見捨てないでください。
これからもよろしくお願いします。
武器を創りはじめて一週間が経とうとしていた。
「思うように行かないな……」
アダマンタイトとオリハルコンの合金を創りに辺りいくつかの課題がある。
そもそもこの金属はどれも最高級品であり単体でも一級の武器はできる。
合金を創る上で最低でも性能をアダマンタイトとオリハルコンを越えなければならない。
そして創る武器は刀だ。刀で求められるのは折れず曲がらずよく切れるだ。
刀は剣に比べて刃は薄く細い。斬ることだけに重点をおいた結果だからだ。
試行錯誤するにしても魔力の関係で1日に創れる回数は10回程度なのでなかなか上手く行かない。
授業が終わり部屋に戻り合金創りを始める。
「微妙だなぁ」
2個目を創り終えて休む今度は魔力伝導率が少し悪い。
「どうするかなぁ」
1人で悩んでいるとチャイム音が鳴る。
「はーい」
扉を開けると立っていたのはハクアだった。
「いらっしゃい」
「……うん」
部屋に招き入れ飲み物を出す。
「……まだできてないの?」
「まぁ……そんなとこだ」
それだけを聞くとハクアは黙り混ンでしまう。元々口数が少ないのだが気になってしまいどうしたのだろうと思い声をかけようとすると急に立ち上がり。
「……デート……しょ?」
「はぁ?」
何を言ったのかわからずに反射で返事が出てしまった。
「……いや?」
ハクアは、今にも泣きそうな顔で再度問いかけてくる。
そこで固まった思考が追い付く。
「行こう」
うん付き合ったか微妙な関係だと思っていたがデートに誘ってくれるがならもう迷うことなんか無いよな!
こうしてツキト人生初のデートイベント開催です。
(ドキドキで夜眠れるか不安だ……)
そんな恋愛経験のないツキトはベッドの中で色々考えてしまい、いつもは直ぐに寝付ける筈がなかなか寝れずにいた。
対してデートに誘ったハクアの方はというと、
(どうしょう……誘えたけど……どうしょう……うぅ)
そう、忘れはいけない彼女はツキトにも負けず劣らずの引きこもりだ。
付き合うだとか以前に友達すら居なかったため、人と話すことさえできなかったかったのだ。
そんなボッチ少女は、勢いと恋心にまかせた行動をとったものの不安や恐怖を感じないはずがない。
(で……でも……きっかけがあれば……また……)
スキルの制約のおかげでキスができた。だがそれ以来一度もしていない。
しかもツキトは武器造りに夢中でなかなか構ってもくれない。
(確かにハクアのも作ってって言ったけど……)
自分のためでもあるので嬉しさと疎外感でもやもやした気持ちで一杯になっていた。
ハクアにとっては毎日でもしたいと思っているがなかなか切り出すことができなかった。
それで恋人らしい事を提案もとい誘ってみたのだ。
(また……ツキトと……はぅ……)
こうして愛の獣と化した乙女は、やはり眠れず悶々とした夜は過ぎていく。




