合金を創ろう
とりあえずオリハルコンよりも頑丈なアダマンタイト鉱石にユニークスキル
【創造】を使い刀イメージして創ってみるが、
「あれ?」
「……でこぼこ」
きれいな刀身ではなく凸凹の激しい鉄の棒のようなものが出来た。
「これ……もとに戻るのか?」
少し不安になりながらも、元の延べ棒をイメージしながら【創造】を使うともとにもどつた。
失敗してももとに戻すことが出来るのがわかり安心出来たがさすがにあの出来映えでは、武器として使い物にならない。
(創造は、イメージが重要だったな……もっと明確なイメージがあれば)
そこでディバイスで刀について調べる。
ディバイスには、スマホのようにいろいろ調べることができるので、なかなかに便利だ。
これを使わない手はない。刀の構造、性質をしっかりと頭に叩き込む。
中でも名刀としても名高い『三日月宗近』を真似てみる。
そしてもう一度【創造】を使い刀を造る。
「……きれい」
「まずはこんな感じだな」
さっきの汚い棒のような物ではなく刃は、美しい曲線を描き薄く均一の厚さ。アダマンタイト特有の蒼白い色に自分の黒の魔力が合わさり刃から峰への透明度のある白から漆黒へのグラデーションが不思議な一体感を産み出している。
「……ツキト」
「なんだ?」
ハクアが俺の袖を引きながら上目遣いで呼ぶ。
(可愛すぎだろおおお!)
妖精のような可愛さに宝石のような青い瞳。この間のキスを
思い出してしまい顔が赤くなる。
「……ハクアのも創ってほしい」
どうしようドキドキが止まらない。心臓の音がハクアに聞こえそうで恥ずかしい。
「いいぞそもそもそのつもりだしな。」
「……ありがとう……!」
ハクアが飛び付いてくる。猫みたいでさらに可愛いさ倍増。
(武器なんて創ってる場合じゃねぇ!)
俺はこの幸せな時間を噛み締めるようにハクアの頭を撫でることにした。
それから数十分後にハクア用と自分用の武器を作り始める。
「……これじゃダメ……なの?」
ハクアが言うようにさっき作った刀があるがそれは、あくまでも試作品に過ぎない。
「そうだな……じゃあ問題だアダマンタイトは、オリハルコンよりも固いが魔力伝導率が劣る。逆にオリハルコンは、固さでアダマンタイトに劣る。この二つをどうすればアダマンタイトのように固くオリハルコンのように魔力伝導率の高い鉱石が造り出せるでしょうか?」
「……どうするの?」
ハクアは諦めたのか直ぐに聞いてきた。というかそもそも考えていないのかもしれない。
「正解は合金だ」
「……あ!」
そう金属は、他の金属や非金属と混合することで硬さを増したり粘り強くなったりする。
つまりオリハルコンとアダマンタイト2つの良いとこ取りの最強物質が出来るというわけだ。
小説のネタ作りの時に調べた事がこんな形で役に立つとは思わなかった。
「とりあえず5:5の割合でやってみるか」
そうして最強の合金造りが始まった。




