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2 ジューンとの出会い
「神界にある四季の鏡が割れてしまった!四季の鏡がないと、人間界はいずれ滅びてしまう。四季の鏡は小さな破片となって、十二か月の精霊のもとへと散った。早く探し出さなければ。」
そういう老人の目が捉えたのは、人間界の女の子、美季だった。
葉っぱにちょこんと座れるサイズ。くりんと愛らしい瞳。美季は目を疑った。あんなに小さい人、いるわけない!でも、もしかして、精霊⁉
「あ、あのー……。」
「ひゃいっ!」
声をかけると、向こうもびっくりしたようで、飛び上がった。
「にゃにゃ、何で私が見えるの⁉」
「見えちゃダメ?あいたっ。」
またバラのとげが刺さったところが痛くなった。
「私、ジューン。六月の精霊。」
「やっぱり精霊なんだ!うれしい!あ、私は美季。六月の六日、今日が誕生日。」
「ハッピーバースデー。」
「ありがと。」
そういって、美季は通り過ぎようとした。すると、どこからかあふれ出したような光に包まれ、ジューンとともに、光に吸い込まれてしまった。