第5話 産婦人科
土曜日でもホルモン注射打ってくれるとこを教えてもらった。
産婦人科につくと。
今日は土曜日なので混んでいた。
未成年なので親に同意書とやらを書いてもらった。
わたし「受付ではじめてなんですけど」。
「診断書と同意書提出しときますね」。
呼ばれるまでしばらくお待ちくださいていわれた。
ニューハーフの人がいるかはわからなかった。
ただみんな年上でいずらい雰囲気だ。
女性に見える人しかいないし。
女の子の格好できたけど。
変に見えてないか不安だ。
小学校時代はいじめがひどくて家の中しか女装しなかったから。
女装して外出るのドキドキものだ。
でも女子制服着て学校行くのは慣れてきたけど。
私服で私用で女装するのは慣れてない。
愛実はもう慣れてるんだろうか。
神楽坂優さんて呼ばれる。
こんな時男らしい名前で呼ばれて女装してたら恥ずかしいな。
中性的な名前つけてくれた両親に感謝しないと。
愛実は男らしい名前だから。
愛実て呼んでくれって受付で頼んだらしい。
呼ばれると年配なお医者さんだった。
医者「ホルモン療法てわたし詳しくないんだけど」。
張るやつと注射があるかな。
あと飲み薬かな。
医者「注射だと痛いけど安上がりで2週間もつかな」。
「注射にするかい?」
やったことないからわたしもわからなかった。
痛いのはやだけど効果が高いという注射にした。
プレマリンの錠剤は毎日飲まないとだめらしいから。
体重を聞かれた。
薬どれくらい投与するか参考にするらしい。
男性ホルモンを凌駕するだけの女性ホルモン打たないといけないから。
多めらしい。
2アンプルにしてみるといわれた。
量が多すぎても肝臓に負担かかるからって。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンていう女性ホルモンは2種あるらしい。
生理の時に出るのが黄体ホルモンで。
1か月に一回黄体も打つと女性の生理の状態に近づくといわれた。
女性は生理の時に胸がより張るって言われたので。
看護婦さんが筋肉注射だから。
痛いかもしれないけど我慢してね。
確かに痛いけど我慢できないわけではない。
卵胞2アンプルに黄体1アンプルだから液の量が多いから。
なかなか入っていかない。
焦らずゆっくり入れると痛くないて言われた。
少し時間がかかったけど。
何とか終わった。
最初はむしろ反動で男性ホルモン値が抵抗して増えるくらいだけど。
2回目くらいから効果出ると思うといわれた。
はやく胸でないかな。
楽しみ。
注射の後具合悪くなったら連絡ください。
だるかったり頭痛くなったりすることも多いらしい。
家に着くとお昼ぐらいになってた。
お母さんがうどん作って食べると。
わたし「今日夕飯作るの手伝っていい?」
友達調理部はいってさ。
わたしは違うけど料理うまくなりたいんだ。
女の子になってから女らしいことが好きになったわね。
やっぱ女子校で女友達しかいないから影響受けてるのかな。
数学の計算問題の宿題といてると。
携帯が鳴る。
愛実だ
愛実「ホルモンどうしたかと思って」
わたし「ふふホルモン打ってきたよ」。
愛実「おぉついにか」。
「ホルモン打つと眠くならない?」
「わたしだけか。」
「そのうち変化実感するよ」。
「電話したのは茶道部の報告と明日カラオケ一緒に行かないと思って」。
「あと洋服見たり」。
「茶道部は1日目は新入部員の挨拶と今年一年の予定とか決めた」。
「お茶碗さわらしてもらえなかったよ」。
わたし「なんだ行かなくてよかったじゃ」。
愛実「でもあんまサボると退部だからね」。
「気を付けてよ」
わたし「カラオケはOKよ」。
愛実「明日10時に船橋ね」。
「あとー方程式わかる?」
「今宿題やってるんだけど」。
愛実「わたしに数学聞かないでよ」。
「じゃあまたね」。
宿題何とかして夕飯の支度に下降りていくと。
紗枝がお母さんと話してる。
紗枝「最近お兄ちゃん生き生きしてるね」。
「学校楽しそうでよかったね」。
「女の子になってよかったね」。
「お兄ちゃんじゃなくてお姉ちゃんて呼ばないとね」。
わたし「紗枝今から夕飯作るから待っててね」。
紗枝も1学年あがって小学5年生だ。
うちでは一番私がおかまになることに理解してくれてる。
お姉ちゃんがほしかったかららしいのだ。
今日は何手伝えばいい。
ピューラーでジャガイモの皮むきしてくれる。
カレーだから。
その次はにんじんの皮むき。
まだ料理補助しかできないけっど。
女の子らしくさくらくらい料理上手になりたい。
まだだれが作っても味が変わらない料理しか作れないなあ。
カレーはルーがあるから。
もっと料理上手になりたい。