第4話 ホルモン療法
今日は精神科にホルモン療法とは何か相談に行く日だ。
愛実に早いほうがいいといわれたので。
お母さんが休みの日に一緒に来てもらった。
学校は性同一性障害と知ってるから通院で遅れて行っても。
先生に報告すればいいのだ。
先生ホルモン療法とはなんですか?
女の子に体を近づける方法だよ。
心は女を男にはかえれないから。
体を直すの。
女の子の第二次性徴がおこり。
胸が出たりおしりが大きくなったりするんだ。
若いほうが効果あるから今やれば綺麗に女の子になれるよ。
ただ子供は作れなくなるけど。
声変わりしたらまた小学生の時みたいにいじめられるかもしれないだろ。
ホルモン療法やるかやらないかは自由だよ。
両親と相談して決めてください。
ホルモン療法は産婦人科でやるんだけど。
こっちからは紹介できないからね自分で見つけていくんだよ。
前に入学するときに使った診断書の写しもってやってくれる産婦人科行けば打ってくれるから。
なかなかやってくれる産婦人科見つからないけど頑張って。
診察が終わってお母さんに話す。
わたし「おかあさんわたしホルモン療法やりたい」。
「せっかくできた友達に男てばれて冷たくされたらいやだもの」。
母「でも子供できなくなるんでしょ」。
「どうすればいいのかしら」。
「あなたがまたいじめられて学校いけないのつらいし」。
「お父さんがいいていったらいいわ」。
わたし「そっかあお父さん説得しなきゃか」。
「わたしこれから学校行くね」。
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学校につくと。
愛実の教室行った。
ホルモン療法のこと相談したくて。
愛実こっちこっちと手を振る。
そしたら出てきた。
わたし「ホルモン療法のこと相談したくて」。
愛実「しーここ人いる」。
「非常階段のほう行こう」。
「それでやることきめた?」
「子供ができなくなることお母さん気にしてて」。
「あなたも男が好きでしょ」。
「男とは子供作るの不可能なんだから」。
「迷うことないじゃない」。
「そっかあ」。
「わたしまだホルモン初めて3か月だけど胸張ってるよ」。
「乳首が痛い」。
わたし「ほんとだ少し出てきてる」。
「大人の女性て感じだね」。
「いいな」。
愛実「もう初潮迎えた子も中にはいるから」。
「ホルモン始めたほうがいいかも」。
「男は男性化が始まるから」。
「女子より遅いて言われてるけど」。
「ホルモン打てるとこ教えてもらった?」
「船橋のここニューハーフの子が通ってて有名なんだって」。
「保険きかないから少し高いけど打ってもらえるよ」。
わたし「ありがとう」。
「お父さん説得してみるよ」。
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教室に戻ると。
由美「次の授業理科の実験室の移動教室よ」。
「何やってんのよ」。
「早くしなさい待っててあげたんだから」。
「さくらはまだ来ないからってトイレ行ってる」。
「なんでこの集団はまとまりないのかしら」。
トイレの前でさくらを呼ぶ。
「さくら置いてくわよ」。
さくら「もう遅刻確定なんでゆっくり行こう」。
由美「一番問題児じゃないうちまで怒られるんだからね」。
「いい加減にしなさい」。
先生もう来てた。
山田太郎先生といって男の理科の先生だ。
由美がごめんなさいていう。
さくらの頭を押さえつけて頭を下げさせた。
久我さんはまじめな子なのに。
二人とつるんでるから不良の仲間入りですか。
授業が終わったら罰として理科実験室の机ふきなさい。
さくらなんてトイレでグロスぬってた。
先生に化粧ダメでしょて怒られた。
わたしがぷぷてわらうと。
神楽坂さんも笑える立場でないでしょと怒られた。
山田「プレパラートは目で見て確認してからして近づけてから」。
「ピント合わせながら遠ざけましょう」。
「逆だと割ってしまいます」。
「今日は三日月藻の観察をします」。
わたし「わーすごいほんとに三日月型なんだ」。
授業終わりまであと5分だ。
先生がそろそろ片づけてくださいという。
わたし「うちらは机ふきか」。
由美「3人でやればすぐよ」
終わるとご苦労様。
今度から遅れないようにといわれた。
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放課後
愛実が部活行こうという。
わたし「今日は落ち着かないからパス親にホルモン療法のこと話さないと」。
愛実「えー初日からサボるの」。
「顧問の先生も性同一性障害だから事情後で話せばわかってくれると思う」。
「仕方ない私ひとりで行くか」。
わたし「ごめんね」。
さくら「ホルモン療法親認めてくれるといいね」。
さくらたちも今日は材料がないけど今後何作るかという話し合いで部活でてる。
急いでたしひとりで早く帰ることにした。
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家に着くと。
お父さんはまだ帰ってきてない。
そわそわする。
母「優落ち着きなさい」。
「わたしも説得してあげるから」。
「最近学校楽しそうだし応援したくなっちゃった」。
お父さんがただいまて帰ってきた。
家族そろってご飯食べる。
母「ホルモン療法ていう女性ホルモンの投与を優は始めようというのです」。
お父さんはビールを吹いてしまった。
父「女性ホルモン」。
母「男の子とばれたら今後また学校でいじめられるかもしれないんです」。
「わかってあげてください」。
「最近優学校楽しそうだし」。
父「もうオレの息子じゃないからかってにしろ」。
母「お父さん怒らないでちゃんと聞いてください」。
父「あいつ小さいころからオレとキャッチボールもしなかった」。
「女の子みたいにぬいぐるみが大好きだった」。
「こうなるのも仕方なかったんだよ」。
「優が人生楽しく生きるならオレはもう何も言わない」。
やった女性ホルモン投与できるんだ。
大人の女性みたいに胸がほしいな。