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祈唄  作者:
第2章:岐路
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17.大人達の真実・2

 「まずは、加納君とユウちゃんの関係から話しちゃいましょうか」

 「それが一番よく分からない」

 「加納君のご両親が運営していた施設にあなたはいたのよ」

 「え?」


 もう大分記憶が薄れた施設での記憶。確か教会に併設された児童養護施設で、牧師さんとその奥さんが自分達の先生だった。

 加納さんがその人達の息子。何か、信じられない。


 「驚いたみたいね」

 「はい。でも、加納さんの記憶が全くないんですけど」

 「そう? でも、彼はよく覚えてたわよ。ユウちゃんがあの施設の最後の子供だったから特にね」

 「最後?」

 「資金面で大分厳しかったみたい。ユウちゃんが教会に置き去りにされていた時にはもう閉鎖が決まっていたの。あなたが引き取られた後に閉鎖したわ」

 「そうなんですか。ふぅん、加納さんが。だから父親並みにうるさいのかな?」

 「そうみたいよ。あなたが可愛くて仕方ないみたい。だから、大学を卒業した後こっちの警察に就職までして」


 加納の今までの過干渉とも言うべき言動と行動に納得が出来た。そうならそうと言えばいいのに。関係ない事をべらべらとしゃべるくせに、肝心なことを言わない。さすが、玲の友達だ。


 「加納さんとの関係は、分かりました。それで…………」

 「あらら、それだけ? 加納君もむくわれないわね。玲とユウちゃんの関係だけど。あなたは、ご両親の事故の事はどこまで知ってる?」

 「両親のですか? 急な往診の依頼の帰りに反対車線の車がつっこんで来たって……。確か親子三人が乗っていたって」

 「その三人が玲の亡くなった家族なの」


 菜月の言葉にユウの体から一気に血の気が引く。自分の両親の事故の相手が玲の家族。そんな事ってあるのだろうか。あったとしても何故彼は、自分を引き取ったのか。

 

 「大丈夫? また今度にする?」


 心配そうに自分に問いかけてくる菜月に、ユウはニ、三度頭を振る。


 「分かったわ。ただこれだけは、忘れないで最後まで話を聞いてちょうだい。玲はあなたをとても大切に思っているんだってことを。まずは、私達の出会いから話すわ。それが、玲がどういう人なのか知ることにつながるから」


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