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祈唄  作者:
第2章:岐路
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15.友人からの電話

 「優一? 俺だけど…………」

 「あぁ、どうした?」


 加納と別れ、自宅に戻るなり携帯が鳴った。電話の主は、浩一で何やら声のトーンが低いし、重い。嫌な予感にとらわれつつ相手の返答を待つ。


 「いや、ちゃんと謝ってなかったと思って。俺が挑発に乗らなかったらお前が停学になる必要はなかったし。本当にすまん」

 「別に。日ごろの行いがいい俺を先生方もあれ以上厳しい処分には出来ないし、別にお前の為にしたわけじゃないさ。まぁ、試験前に休みが貰えてラッキーだ」

 「…………そうか?」

 「そうだよ。この話はもう終わり。お前がそんなだとこっちの調子が狂うだろ?」

 「プッ。失礼な奴だな」

 「そうだ、白木はどうしてる?」

 「ふさぎこんでるな。それでも、学校にだけは行ってる。あいつは、負けず嫌いだから。休んだら、あいつらに負けるとでも思ってるみたいだ」


 その言葉に優一は、ホッとした。杏奈の性格からすると、自分と同じように休みかねないと思っていたから。負けず嫌いに感謝だな。


 「まぁ、どうせ明日の夕方には帰るし。お前から気にすんなって言っといて」

 「あぁ、分かった。実は、お前のこと以外にも心配事があってな」

 「何だよ」

 「ユウと連絡が取れないらしい。杏奈が電話してもメールしても返事がないらしくて。俺も一応してみたんだけど、結果は同じ。あいつも忙しいんだよって言ったら渋々納得してたけど」

 「こっちに来る前に会ったけど、そんなにおかしい風ではなかったぞ。別れた時は、いつも通りだったし」


 ふと加納の言葉が気になった。もしかして、あれからユウにも何かが起きたのだろうか。


 「分かった。俺からもあとで連絡してみる」

 「あぁ、頼むわ。…………明日の夕方には戻るのか?」

 「あぁ」


 何かを期待するかのような浩一の声音に何となく先が読めた。


 「どのノートだ?」

 「数学と古文を頼む」

 「帰ったら、メールする。とりあえず、出題範囲の分だけ、教科書読み返してろ」

 「お願いします」

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