14.相談・2
「だから、もしかしたら妹が生きているのではないかと思ったんです」
一気に最後まで話をした優一は、加納の反応を待つ。店内は、他の客の話声や流れるBGMの音で溢れている。そんな中、自分達のテーブルだけは静寂とちょっとした緊張が支配していた。
「…………判断が難しいなぁ。どっちにもこれといって決めてがない。お前の家族が死んだって言っているという方も正しい気もするし、お前の言う通り生きているという判断も出来る」
「はい。決めてがないんですよ。ただ…………」
「ただ?」
「祖父の言葉が気になるんです。友を見捨てたことを後悔していると。その結果、何かがあったみたいなんですけど、さすがにそこまでは聞いてません」
「友を見捨てたか。調べてみるか」
「え?」
「さすがに部署が違うし、十年以上前のことだ。知っている人間もいないかもしれない。だが、何か事件があったとしたら何か分かるかもしれないからな」
そう言うと加納は、ニヤリと笑った。優一は、その言葉にホッと胸を撫で下ろす。その様子を見た加納は、煙草を咥えながら今度は意地悪い笑みを浮かべた。
「おいおい、お前も調べるんだぞ。警察関係は俺が調べるから、お前は家とか周りの人間とかを調べろ。旧家は、警察を嫌うからなぁ」
「…………努力しますよ」
普段の軽いのりとは裏腹に、加納は意外に厳しい。傍観は許さず、自分のことは自分でやれという態度に優一も覚悟を決めた。
「そういや、ユウから何か聞いてるか?」
「何がですか?」
突然、ユウの話を振られ優一は、怪訝な顔をする。
「いや、何もないならいい。ただな、もしかしたらユウからお前にSOSがあるかもしれない。その時は、話を聞いてやって欲しい。あいつは、なかなか他人に心を開かないからな」
「当たり前です。僕にとってもユウは、貴重な友人の一人なんですから」
優一の真摯な言葉と態度に加納は満足げに笑った。




