13.相談
実家に帰った翌日の午後。優一は、地元にあるカフェの奥まった席で待ち合わせをしていた。相手は、もちろん加納である。
優一が席に着いた、数分後。加納がコーヒー片手に席までやってきた。
「よぉ! 待たせたな」
「いいえ、こちらこそお呼び立てして申し訳ありません」
墓参りの後、加納に電話で相談を持ちかけると、あっさりと了承が得られた。一応、謹慎中ということもあり優一の地元で落ち合うことになったのだ。
「で、どうだ? 親父さんには会ったのか?」
「それが、帰ったら本人は居ませんでした。なので、日曜の午後にはマンションに帰ります」
「そうか。で、相談ってのは何だ? もしかして、これか?」
加納はにやりと笑いながら小指を立てる。それを見た優一は、冷めた目を向けながら否定する。
「そんなことで、加納さんを呼び出したりしませんよ。それくらい、自分でどうにかしますから」
「そりゃ、そうか」
優一は、迷っていた。どうやって、話を切り出せばいいのかを。そもそも、自分が考えていることは、荒唐無稽な話だ。そんな話を大人が信じるだろうか。
ちらりと伺うように加納の顔を見る。すると、加納は苦笑しながら煙草に火を着けた。そして、わざと優一の顔に煙を吹きかける。
「な、何するんですか!」
「うるせぇ、ガキのくせして一々顔色伺うな。どんなくだらない悩みだろうとちゃんと聞いてやるよ」
「……………笑わないでくださいよ」
そう言うと優一は、墓参りの時に思った妹の死に対する疑念を語りだす。すると、意外なことに加納は、その話をちゃかすことなく真面目な面持ちで最後まで聞いてくれたのだった。




