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祈唄  作者:
第2章:岐路
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5.墓参り<後編>

 祖父との思い出を懐かしんでいると、優一の脳裏には友人達の顔がちらつく。そう言えば、あの二人は大丈夫だろうか。

 一連の騒動で思っていた以上に動揺していたせいか、こちらに来る前に連絡するのを忘れていた。

 ユウには言ってきたが、杏奈達には言ってこなかった気がする。

 「まずいなぁ。あとで連絡しとくか」

 その為にも家に戻ろうと持ってきた荷物や花を包んでいた紙をまとめ始める。すると、ライターが手から滑り落ち、墓石の後ろの方に飛んで行ってしまう。

 「しまった」

 優一は、その場に荷物を置くと墓石の後ろへと回り、ライターを拾い上げ、付いてしまった土埃を払う。

 そして荷物の処に戻ろうとした時だった。

 何の気なしに視線を向けた先に気になる事を見つける。

 それは、墓石に刻まれた亡くなった妹と祖父の名前。

 最初は、その違和感に気づかなかったがよくよく見るとその違いに気が付く。

 「え?」

 優一は、驚きのあまりその場に立ちつくす。

 「………が………ない」

 恐る恐る、墓石に手を伸ばし、刻まれた文字を指でなぞる。

 墓石に刻まれた妹と祖父の違い。それは、日付。祖父の名前の横には、亡くなった日付が刻まれている。

 しかし、その隣に刻まれた妹の名前の横には、日付がなかった。

 「どういうことだ?」

 これが意味することは何だろう。単純に刻むことを忘れたのか、それとも何か意味があって刻んでいないのか。

 もしかして、妹は死んでないとか。

 「そんな馬鹿な」

 それならば、母があんな状態のはずはない。

 「気のせいなのか?」

 優一は、色々と考えを巡らせるが生まれた直後のことなど自分が分かるはずもない。

 しかし、こんな事を聞いたとしても素直に話してくれるような人間が自分の側にいるだろうか。

 「相談してみるか?」

 そう呟くなり、優一は急いで自宅へと走った。


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